虚空の旅人
虚空の旅人 上橋菜穂子
海に浮かぶ島々からなるサンガル王国には、一つの言い伝えがあった。海の底には別の世界があり、ナユーグル・ライタという民が住んでいる。ナユーグル・ライタは海上の世界をのぞくため、ときおり小さな子供の体をのっとるのだ。
サンガル王国の新王即位ノ儀に呼ばれたチャグムは、その<ナユーグル・ライタの目>となった物言わぬ幼い少女と出会う。その子から、自分も引きずり込まれた異世界ナユグの匂いをかいだチャグム。<ナユーグル・ライタの目>は、儀式の後ナユーグル・ライタを帰すため、海に突き落とされ殺されるのだと聞き……。
タイトルに守り人とつくシリーズはバルサが主人公で、旅人とつくシリーズはチャグムが主人公のようです。
チャグムが主人公の話、燃える!
バルサは大人だし、なんとなく運命あきらめちゃってて受身なんですよね。
それに対してチャグムは、自分の運命を頭では受け入れているんだけど、心の底では納得していないまま。反骨心がずっとある。
「為政者たるもの、国を守る大儀のために、末端の民の命を犠牲にしなければいけない時もある」とか、「自分は国を支える存在なのだから、軽々しく心を表に出してはいけない」とか、頭じゃ分かっているんですよ。
でもそれを潔しとしない。小さな女の子を見殺しにすることが納得できなくて、いろいろあがく。
少年が主人公だと、やっぱり少年漫画的展開になりますね。面白い!
この話で、この世界全体の動乱の予感が出てきましたが。
バルサのシリーズとチャグムのシリーズは最終的に合流するみたいなので、楽しみです(^^)/
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