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2011/09/12

放射能リスクの許容度

震災発生から半年経ちました。

いまだ原発事故の影響は続いています。

何度かそれについての記事を書こうとして、上手くまとまらず挫折してたんですが。

結論出してまとめなくていいんじゃないかと思い至りました。

怖い人は怖い、平気な人は平気でいいんじゃないかな。

と言うのもですね、本来、人のリスクに対する許容度は個人によってばらばらで、そしてその方が人類という種族にとっては望ましいからです。

もしリスクに対して敏感な、怖がりの人ばかりだったら、今頃人類はまだアフリカを出ておらず、その間の気候の変化で絶滅していたかもしれない。

逆にリスクに対して鈍感な冒険野郎ばかりだったら、それはそれで何かやらかして、絶滅していたかもしれない。

だからばらばらでいいんです。ばらばらだから、誰かが生き残る。人はそういうものではないか。

みんなが納得するものをと考えるから、話がややこしくなるんだということで、まとめるのはやめて、この半年の間に僕が調べたこと、そしてそこで判断したことを書いて。

この問題に対して、怖がってる人とドンマイな人がいるとしたら、僕はどっちかと言うとドンマイの側だと思うので、僕の思考過程を見て、「ああ、そういうことなら自分もいける」とか、「いや、その時点でもう無理」とか、判断するお役に立てればいいのではないかなと。

ということでスタート。

さて、怖がる度合いは人によってばらばらでいいと思うんですが。

その前提として、どれぐらいやばいのかがちゃんと分かってなくてはいけません。無駄におびえればストレスになるし、油断してひどいことになるのも困ります。

ということで、リスクの大きさがちゃんとイメージできていないといけない。

まず放射能のリスクを考えるとき、最初に来るデータは、「100mSvの被曝で発ガン率が0.5%上がる」というものです。

これがどれぐらいの大きさか。

身近な例で考えてみます。僕の世代は人口が多く、僕が行った高校では一学年に400人以上の生徒がいました。今はちょっと定員減ってるみたいですね。

日本人の二人に一人はガンになるらしいので、このうち200人ちょっとが発症する計算です。「0.5%上がる」は足し算ではなく掛け算なので、みんな100mSvの被曝をしてると、それが一人増えることになります。

この「一学年で一人増える」をどう見るか。まずここが意見の割れるポイント。僕は「案外大きくないな」と思いました。一人ぐらいならいいやということじゃなくて、そんだけ浴びても一人なんだということで。

ここでドンマイ側に一歩前進しています。今回の原発事故で100mSv以上の被曝を心配しないといけない地域はごく一部で、ほとんどはそれ以下になるからです。

たくさん浴びた時より少なく浴びた方が危ないなんて、そんなおかしな話はないだろうから、「0.5%上がる」より少なくなるはず。さて、この時考えなければいけないポイントが二つあります。

一つは低線量被曝の影響がはっきり分かっていないこと。100mSv0.5%というのは、ぎりぎり割り出せる数字で、これ以下は誤差なんだかそうじゃないんだか、はっきりしてません。

低線量被曝の害を訴える人もいますし、逆にラドン温泉とか、少々の放射線ならむしろ刺激になって健康にいいというホルミシス効果と呼ばれる説まであるのですが、この論争に決着がついていないのも、そのためです。

なので、緊急時年20mSvとか、平常時は年自然分+1mSvとかいう基準は、「100mSv以下はよく分からないけど、いきなり影響が0になるのは変だから、なんかあるはずだ」という考えのもと設定されてます。

より安全になるよう、余裕が取ってあるのです。多分これ知らない人多いと思うんですよね。これを聞いて、「何だ、余裕あるんだ」と思うか「その程度じゃ安心できない」と思うかで、また分かれるはず。

ちなみに僕はラドン温泉は身体にいいのではないか、いい方がいいなあと思ったので、ホルミシス効果に一票。ドンマイ側に二歩前進。

さて、もう一点は、自己修復の問題。ある程度までなら、人間の身体は対応できてるんじゃないか、という点です。

放射線を被曝してガンになるのは、細胞内のDNAが放射線で傷つくからですが、DNAを傷つけるものは放射線だけではなく、身の回りにあふれてます。運動やストレスで体内に活性酸素が増え、それでも傷つくと言われてるぐらいです。

なので、人の身体では毎日数万から数十万のDNAが傷ついているのですが、そのままほっといたらばったばった死んじゃうわけで。

生物の身体は、DNAが傷ついた場合、それを直せるように進化してきました。いろんな修復法があるみたいですよ。

ということで、放射線に対しても、ある程度対応できるはずだけど。

この「ある程度」がどれぐらいなのかが、よく分かってない。

さっきの「100mSv0.5%」は、主に原爆の被害者の方たちのデータなので、いっぺんにどばっと受けた場合です。毎日ちょっとずつの場合、受けたはしからどんどん直してるので、影響はもっと少ないんじゃないかという説もあるのですが、さてどうなのか。

なので、どこまでならOKっぽいのか考えてみました。

まず最初に、放射線はそこらにふつーにあるのだ、というところから。

放射能ゼロは無理なのです。放射線を出す放射性同位体は、どの元素にもあるからです。

事故のニュースでよく出てくるのは、ヨウ素131とかセシウム137とかですが、安定してて放射線を出さないヨウ素127やセシウム133という仲間がいます。で、そっちの方が自然界では多数派。そういう関係が、一部ウランみたいな放射性同位体しかないのを除けば、どの元素にもあります。

つまりイメージ的に安全と思ってる元素も、放射性の仲間がいるということで。

例えば、よく遺跡の年代を調べて何千年前の物だというふうに発表していますが、あれは炭素の仲間の放射性同位体、炭素14が、放射線を出すと別の物質に崩壊するので、それでどれぐらい減ってるかを調べているのです。

なんかのはずみでミイラになって、未来に掘り起こされたら、僕の身体の炭素14がどれだけ減ってるかを調べれば、何千年前に死んだのか分かるわけで。……いやだなあ、ミイラになりたくないなあ。

まあつまり、人間でさえ、いろんな放射性物質が、ふつーに身体の中にあるのです。机も椅子も、家も地面も、全部そう。みんな放射線出してる。ということで、放射線には自然分がそこらじゅうにあって。

で、土地の成分によって、高かったり低かったりします。

日本はどちらかというと低い方。その中でも関東はさらに低いです。ロンドンやローマは年2mSvぐらいある。世界平均は年2.4mSvで、年10mSvのところにも人が住んでるみたいです。

さらに言うと、地上は放射線量低いのです。宇宙の方が多くて、大気によって地球は守られてる。(さらに太陽系内は太陽風に守られてて、系外の方が高いらしい。科学豆知識。)

というわけで、常日頃大気の薄い上空を飛ぶパイロットとかCAの人は、地上の人よりたくさん受けてる。多いケースでは年6mSvとかあるみたい。

普通に人が暮らしてるなら、この辺まではちゃんと直していそうな気がします。僕はドンマイです。

そして、宇宙へ行っちゃうと、大気が守ってくれないので。

宇宙ステーションでは、年じゃなくて一日で1mSv浴びるそうです。現在宇宙にいる古川さんは、半年の予定で180mSv。

100超えるとちょっとやだなー。

しかしですね。さっきの高校の例えで言うと。

四百数十人のうち百人近くがタバコで死んで、やはり百人近くお酒で死にます。(実際は喫煙者の数とか飲酒量によるんだけど)実は死ぬリスクで大きいのは、喫煙と飲酒なのです。これは放射線のリスクを語るときに出てた話題なのですが。

好きでたしなんでいるものと、放射線みたいに好きでもないのに浴びているものとでは、一緒にできないと反論がありました。確かに心情としてはそうですね。

つまりそこで。

じゃあ好きな宇宙のためなら、180ぐらいどうってことないなと思ったのです。地上ではごめんだけど、宇宙旅行ならいける。条件付でドンマイ。

ちなみにメタボもけっこう高い。僕の余分なお肉は、食道楽で旨いものたらふく食ったからついたのではなく、仕事が詰まっての運動不足とストレス食いでついたので、こちらはいい事まるでなし。全然ドンマイじゃない。

放射線リスクと比較したら、逆にずいぶん高いなーという気分になったので、それ以降走る時の距離が1kmほど伸びました。

ちなみに好きでもないのに浴びてるものとしては、大気汚染物質があげられます。公害問題が騒がれたのはずいぶん昔で、そのころよりずっと改善されたのでもうニュースになりませんが、今でも当然排ガスはあって、発ガン率を高めています。

ウチは目白通り沿いで環七が近所だし、ばんばん車が走ってて、100mSvに比べたらずっとリスクは高いはず。やだなー。

というわけで、僕のこの半年たったところの見解としては。

「やせたい」

「放射能はドンマイ」

「でも大気汚染リスクがけっこう高いの知ってがっかり」

というものでした。皆さんはどうでしたか?

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