先週一週間 韓流の侵略その後
ナベ先生の仕事が一回休み、さあ次は自分の漫画描き。
せっせと下書きしています。
そんな漫画はCOMITIA97用。8/21有明・東京ビッグサイト東5・6ホール11:00~16:00。「Z10b かってに応援団」で参加です。
最近、漫画を取り巻く環境の変化にどう対応するのかについては考えがまとまり、とてもすっきり気分なので、これからの問題はその内側。自分の作品をどうするかに集中です。
今、目の前に一つ、越えなきゃいけない壁が見えています。がんばろう。
さて今週はテレビ関連の話題で。
最小公倍数的。
NHKで豪雨のニュース見てたら、民謡大会が始まった。NHKはみんなから先にお金を取っているので、こういう番組は大切だ。民放みたいな視聴率調査による最大公約数的編成ではなく、みんながそれぞれの趣味に合わせてある程度滞在する最小公倍数的編成を守ってほしい。11/7/30
TVの視聴率とか、漫画のアンケートとか、そういうデータを取ると、需要の濃いところが分かるわけですが。
そこに合わせてラインナップをそろえていくと、薄いところのお客さんは捨てることになり。
残りの濃いところ薄いところを計って、また薄いところを捨て。それを繰り返しているうちに、だんだん見る人が減っていく。それが現状だと思います。
TVの方が進行度合いはひどいかな。民放はとうの昔に僕を捨てた。見るものないので最近ほんとに見てません。
小学生のころ、母の実家に帰省したとき、東京生まれの僕にはTVチャンネルの少なさが衝撃的だったのですが、今はNHKさえ映ればどこでも同じです。
なのでNHKには、僕みたいな好みが少数民族的な人も見れる番組をちゃんと流し続けてほしいのですよ。時間帯は優遇してくれなくても録画するからいいので。
ただ「最小」公倍数もポイントで、何でもかんでもだと規模が膨らみすぎて受信料が上がっちゃうから、そこら辺もうまくやっていただきたく。
韓流の侵略その後。
先週フジテレビの韓流押しについて書いたら、その後事態が進んでいました。
CMを出してるスポンサー企業に、そんなフジを支援してるのかと問い詰める電話をかける人たちが出た模様。
そしてフジテレビ前でデモも起きたみたいです。
フジテレビ前のデモは起きたらしい。中近東の民主化デモみたいなことは日本では起きないのかと思ってたけど、意外な所で噴出した。ネットで盛り上がった、一部特権階級が利権で私腹を肥やしていた、大衆に不満が溜まっていた、という所が共通。
ジャーナリズムは大衆の中に密やかに(最近はもう密やかじゃないけど)溜まっている不満に鈍いよなあ、と思ってたけれど、こうやって暴発したら少しは襟を正すかな。こういうことをきちんと報道しない姿勢も見られているわけで。100万人デモとか起きたら日本も変わるかも。
ただこれが単に嫌韓の方に噴出したら右翼化して戦争。不満の大元はそこじゃないだろうと思うので、いい方に回ってほしい。11/8/7
どうも見てると、これは右翼的愛国者が騒いでいるというだけではなく、もうちょっと広くて、根が深いのではないかという感想。
確かに、日米、日中はそのままで韓日表記だったら、韓国のテレビ局ですが。すっかりのっとられちゃってて、放送局の外資規制の精神に反してますけど。
でも単に韓国がどうこうというだけではなくて、普段からの番組作りに不満があって、そこにこういう一押しがあったからそれが噴出してるんじゃないかなーと。
反韓だけなら、韓流ブームの時点で何年も前に火を吹いてるはずだから。そう思うのです。
別に韓国の物でもいいものはいいんだから、構わないじゃないかという意見もあり。
僕も作り手側の人間なので、基本姿勢は「作品はその出来栄えで純粋に評価されるべき」というもので。
なので先週ACLに例えたように、各国のいいもの同士、真っ向から内容勝負で戦え、と思うのですが。
このフジテレビの問題に関して言うと。
まず、○○押しにうんざりしている気分があったのではないか。
例えば僕は、映画作って自局でばんばか番宣して客を集める手法に、とても不満があるのです。
TV見ないんだけど、仕事場でラジオがかかってて、系列局でも湯水のような宣伝です。宇宙戦艦ヤマトは好きなんだけど、キムタクヤマトの時にやたら主題歌がかかるので、それまで聞くと気分が高揚していたあの曲を聞きたくなくなりました。
さらに言うと、今ブームです! と情報を盛ったり捏造したりして視聴者にそう思い込ませるというのは、ある種の洗脳です。今回はそういうことをしていたという指摘があったわけで、そりゃあやられて気分がいいはずがありません。
なんか見下され感がありますよね。情報を操作すれば愚かな大衆などどうにでもなる、みたいな。
(ちなみにこれは、都合のいい情報を流そうとする政府とか、東電とか、それの片棒担ぐ報道機関とか、そういうところでも溜まってると思われ、なのでフジテレビにとどまらず根が深いのではないかと)
そして、韓流が多いのはコストパフォーマンスがいいからだ、という業界の人の反論を見かけたんですが、これもそこで終わってたらまずいなあという感想。
今TV業界は制作費を削減しようと必死です。ですが、それで質が下がることには無頓着に見えます。ワイドショーとバラエティーが増えるのは、ドラマと違ってセットを一つしか作らなくていいからだという話を聞きました。
内容勝負になっていません。お金がない時ほど知恵を使って品質(この場合は面白さ)を維持するのが大切だと思うのですが、くだらないものばかり見せられると、適当にその辺のもん与えておけばいいんだよ、という感じで、これまた馬鹿にされてる感があります。
さらにこの件では、問題を指摘した高岡さんが、明らかに圧力かかって事務所を辞めています。妻の宮崎あおいさんも、自分の仕事への影響を恐れ、旦那の側にはつかない様子。
視聴者には、業界の権力構造なんてどうでもいいのです。そういうのは業界の内側にしか効かない。見てるお客さんが応援してるのはTVに映ってる俳優さんで、その人が不遇を囲えば、相手が悪者です。
視聴者を馬鹿にし、そうだよねえとみんなが思うまともなこと言った俳優さんを、裏から手を回して追放する権力者。ドラマだったら完璧な悪役です。あとは正義のヒーローが、そいつをこてんぱんにやっつけるだけ。
そこに不満に思ってるエネルギーが乗っかる。
韓流はただきっかけで、そういう構造ができてしまっていることが、今回の騒ぎを大きくしてるんじゃないかなーと思います。
また、こういう構図は昔からあったわけですが、ソーシャルメディアの発達で、いろんな情報や意見が流れやすくなっていて、もうお客さんの見えないところに隠しておけなくなってる。誠実に仕事してないと、お客さんの心が離れて、悪者になってしまう。そういう時代が来ているのだとも感じました。
お客さんの心が離れてしまっているというのは後々大問題になると思うのですが、多分今までのやり方を変えるのは無理だろうなというのが、先週の「巨大になりすぎた恐竜」の部分です。
今回のデモは許可が取れず、建前上はフジテレビにむけて散歩、だったらしいのですが。
次が本番との話。どうなるんでしょうね。
セシウムくん。
お客さんの心が離れるで言うと。
東海テレビがお米のプレゼントの当選者を発表する時に、リハーサル用に適当に書いた「怪しいお米 セシウムくん」という当選者名が出てしまった事件。
事件自体は、どうにも救いがたい頭の悪さだなーと思うのですが。
もう一つ思ったのは、ソーシャルメディアがこうやって発達した時代に、情報産業の人は自分の顔出して仕事した方がいいんじゃないかな、ということでした。
ソーシャルメディアの発達で、情報に顔がつくようになってる気がします。「○○さんがこんなこと言ってた」という伝わり方。で、○○さんってどれぐらい当てになるのかなと値踏みされる。
少なくとも僕は、たくさん発信していてその分野にどれぐらい詳しいかが分かっていて、性格も見えている人の情報を重視するようになりました。
バイアスを分かって聞いている方が、拾うにしても捨てるにしても、その情報を扱いやすいからです。
例えば池上彰さんは、いろんなことにすごく詳しいし、それを分からない人に噛み砕いてくれる親切な人だし、過激にばっさばっさ人を斬る口がすべるタイプの人じゃないから、その情報は熟慮の上だろう、という信頼感があるわけですよ。
そういうふうに情報を扱っていると、逆に個人じゃなくても、架空の人格を感じるようになります。
この時、大きな会社の中に埋没していると、だめな人に足引っ張られる。今回のように。
「東海テレビ」さんは、もう当てにならないでしょ、こんなざまじゃ。
表向き沈痛な面持ちで、被災地域の人をいたわるようなこと言ってても、本番以外じゃ裏で何言ってるか分かんないんだよ?
でも当然、東海テレビの中にもしっかりした人はいるはずなんですよ。
そういう人はせっかくしっかりしていても、会社の人格の中で発言していると、個人の顔で発言して信頼を勝ち得ている人にかなわない時代が、もうすぐ来るんじゃないか。もう来てるのかもしれない。
上のフジテレビの件とも合わせて、テレビってほんとに過渡期なんだなーと思いました。
読んだ本、読んでる本。
闇の守り人 夢の守り人 上橋菜穂子
どんどん続きを読んでいます。面白い(^^)/
獣の奏者 外伝 刹那 上橋菜穂子
これは読んでいるところ。切ないな、もう。
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