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2011/07/25

先週一週間 盗作と創作

PC仕上げは慣れてくるとほんとに早いですねということで、余裕もって仕事が終わった先週。

しかし台風が来るかもということで、ばたばた帰宅でした。

そして翌日。

盗作と創作。

仕事中に見逃していたニュースをチェックしてると、盗作騒ぎがあった模様。

少年ガンガン八月号に載ったスクウェア・エニックスマンガ大賞の特別大賞受賞作「コンプライアンス-絶対法隷都市-」(松浦大貴)が、冲方丁さん著の『マルドゥック・フラグメンツ』に収録されている「マルドゥック・スクランブル“104”」のパクリだったという事件。

じゃあ仕事場に来ていたあのガンガンに載ってたのか。ニアミスです。

その作品は読んでないので、事件そのものは置いといて、その背景について考えました。

盗作と創作1。いまさらの話題なので、その作品はどうだとかは置いといて、問題の背景について考察。こういうことはちょくちょく起きますが、誘発する下地があると思います。僕はこのニュースを自分の漫画TLをさかのぼってて知ったのですが。

盗作と創作2。そのTLにはこの週末にあった同人誌即売会の話題もありました。これが象徴的だと思います。盗作と創作は、はっきり黒白分かれてなくて、間に灰色の地帯があり、地続きになっているのです。同人活動は、ファンの人が楽しんでいるんだなと、目くじら立てることはまずないですが。

盗作と創作3。もし同人作品が雑誌に載ったら、なに人の作品で商売してるんだと騒ぎになるのは必至です。でも、それが先に許諾を取ってたら、普通にタイアップ企画です。同じ物だけど、作品で白黒つくんじゃなくて、状況で変わる。さらにオマージュとかパロディと言われる作法もあって。

盗作と創作4。作品の中に、他の作品のネタが入ることがあります。これもうまく扱わないと、パクリだと言われてしまいます。さらには現場では「あれみたい なやつ描いてよ」という注文が出る場合もあります。黒から白へ、ずーっとグラデーションがかかってるのです。この背景が下地にあって。

盗作と創作5。他の作品から借りるという行為は、取り扱い注意だけれど、心理的抵抗は低いのです。まあそもそも創作は、何かに影響を受けて何かを出すという行為ですしね。それが真っ黒けになってしまう時は、じゃあ何が働いているのか。

盗作と創作6。一次創作と二次創作は横棒一本の違いですが、行為としては、0から1にするのと1を2にするのは全然違います。0には何を掛けても0のまま。無い所から閃くのは、連想するのに比べ、かなり苦しい。連載の体験から言うと、キャラが立ってからは楽でした。

盗作と創作7。でもその連載の体験で言うと、そうやって苦しんでようやく閃いた物も、いざ表に出すと、厳しい競争にさらされます。勝ち抜くのはほんの一部。他は凡庸だとかセンスないとか散々です。ここに誘惑が生まれます。借りた方が、評価高いんじゃないか。

盗作と創作8。借りた元は、もう評価が固まってて、それがいい物だと分かってる。散々苦しむことなく簡単に、確実にクオリティが上がる。この誘惑に勝てるかどうかは、自分の作品、いわば子供を愛せるかどうかです。

盗作と創作9。どんなに世間が辛口評価でも、自分が苦しんで産んだ子だと愛せるか。それよりも、立派な子の親だと評価されたいと思ったら負けて真っ黒になります。ほんとの人間の子供と違って、いくらでも親の手でいじれます。どんどん借りちゃう。結果が分かってるところへ行く。

盗作と創作10。その果てが、自分で苦しんで生んだ部分が全然無い、完全な盗作です。苦しむこと。その結果を受け入れること。その覚悟が、人を作家にするのだと思います。さて、僕も負けずに、苦しい作業へ戻ります。同志の作家の皆さん、がんばりましょう!11/7/20

苦しい時に、その覚悟が本物か試されると思うのですよ。

デビュー前は苦しくて、何とかさっくり抜け出したいとあがくものですが、そこで自分の力不足とまっすぐ向き合えるかどうかにより、その後の運命が変わるんですよねー。

向き合えなかった時もあるし、向き合えた時もあるし、向き合えなかった人も見たし、向き合えた人も見た。

さらにデビュー後も苦行の連続なんですけど。それが人生。

というわけで苦行その一。

CLONE04。

滑った企画を電子書籍にしました。

それに表紙をつけようとしてうまく描けず、四苦八苦して二重苦に(^^;;)

特筆すべきは、この作品が僕の従来品に比べて明らかにエロいということです!(力説)

漫画だと絵柄に制約されるので、僕の絵じゃこんなの描けない。小説にしたら何か開放された。

それを単にサービスで入れるのではなく、テーマに絡めるようにして、それでいていつもやりたがるほのぼのシーンもちゃんと入れ、普段以上の振れ幅です。技術的にはもっと上があると思うんだけど、そこのところは上手くいったんじゃなかろうか。

作品には、「普通以上」の部分が必要だと思うんですよね。全部普通だと、まとまってるねで終わっちゃう。それは、表現技術が図抜けてるでもいいし、ある方向へ思い切り掘り下げるでもいいし、異質な組み合わせで振れ幅作るでもいい。

ナベ先生はギャグとシリアスの間でものすごい振れ幅を作ってるわけで、あそこまではいかなくても、自分にも何か必要だなーと思ってたのです。そういう挑戦。

パブーに出しましたよ。途中まで試し読みできますので、よろしかったらどうぞー。こちらから。

漫画進捗状況。

COMITIA97。8/21有明・東京ビッグサイト東5・6ホール11:00~16:00。「Z10b かってに応援団」で参加です。

それ用の漫画の下書きを開始。

こちらにはかわいらしくちょっとエッチなネタがあります。

ドラえもんのしずかちゃんのお風呂とか、パーマンのパー子のパンツとか、それぐらいのところにコントロールできると、とても楽しい(^^)/

そしてそれを科学のネタに絡めて、振れ幅作るのです。

こうして、いつもよりエッチなネタがぽんぽん出てくるときに、ああ、自分はコマーシャリズムの闇におびえ、腰が引けてたんだなあ、そういう制約の無い自由な創作っていいなあと思ったわけですよ。

そこでほんとに自由でいられるかどうか、弱い自分が顔を出さないか。そこのところがこの場合の苦行です。

まっすぐに!

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コメント

今日のタイトルを見て(「ちかいの魔球」は「巨人の星」の下書き」である)事を思い出しました。(主人公は魔球を投げ、酷使していく、ライバルは阪神にいて長髪、主人公に次々と不幸が訪れるとこが酷似している)しかし結末は「ちかい~」だと主人公は母校の監督になるが、「巨人の星」は主人公はライバルの左門の結婚式を見て去っていく・・・ですね。片やハッピーエンディング、バッドエンディング・・・(^^;)
エッチなネタ・・・
「to loveる」とか・・・主人公及びヒロインにXXXなハプニングが次々と起こるみたいな・・・?
「ケッタ~」は児童漫画だから、外伝的な「ラブラブ奈緒子先生」で・・・(^3^)
せいぜいハーメルンの31巻みたいに大浴場で智美ちゃんに胸をも・・・あ、ダメですか、(^_^;)A

投稿: みゅー | 2011/07/25 21:56

そもそも魔球という言葉は初めて見る変化球に対して用いられていたとか、対決物には必殺技があった方が駆け引き描けて人気出るとか、当時の子供の一番人気が巨人でライバルが阪神とか、そういう外部の要因から生まれる必然もあるんですよね。似ちゃうのも仕方ない部分。

奈緒子先生かあ。体育でプールがありますね。水泳特訓水着でデートの巻?

投稿: かわせ | 2011/07/26 17:44

追記です。
水泳特訓・・・奈緒子先生実はカナヅチですか?
ケッタ君のイタズラでプールに放り込まれて、森山先生に人工呼吸!!なんてハプニングもあるんでしょうか!?(*3*)

投稿: みゅー | 2011/07/26 21:40

かなづちっぽいですよねw
せっかくおぼれてどきどきの展開かと思いきや、すばやく助けてくれたのがじゃが丸さんだったりw

投稿: かわせ | 2011/07/27 17:18

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