先週の雑感記 統合と二極化
背景描きにはてこずっていたけれど、仕上げはすごい速さであっさり終わった先週のナベ先生の仕事。
仕事中に、出してた企画が滑ったことを知り、がっかりだったわけですが。
今後の予定。不採用の企画は、ナベ先生の評判はよかったので、自分で出そうと思った。また、知り合いの子供にこれとは別の以前書いたお話を見せたら、それが一話で続きが無い事にご立腹だったので、続きを書こうと思った。
僕がお話書いてると知って、見せてとせがまれたのだが、大人に見せるより子供に見せる方が怖い。面白くなかった時に、一応読んだふりとか、ここは良かったからこうしたらとアドバイスくれたりとか、気を使ってくれない。投げ捨てられたらどうしようと思った(^^;;) 一応楽しく読めたみたい。11/7/5
帰ってきた日のツイート。その件についてはわりとあっさり。
僕は仲間内で比べても立ち直りの早い方ですが、今回はそれに輪をかけて早かった。直前に電子書籍を作ってたからだと思います。
ボツになった時って、この世に生み出してやれなかった無力感とか、想いを注いだ作品の命を絶たれた悲しみとかが襲ってくるのが常ですが、それが無くて。しょーがない、じゃあこっちに、とさっくり方向転換。
別の道があるのは大きいですねー。
当然あっちは巨大資本によって整備された高速道路で、こっちは広告力ゼロでろくに人目に触れない獣道。高速道路を馬力のある車で走った方が目的地には早く着くけれど、でも獣道をてくてく歩いてたって、ちゃんと道は続いてる。
あと、ナベ先生のチェックを受けて評判良かったので、少なくとも読めるレベルなはずという手応えがあったのも大きいです。
ちなみにコミティア用の漫画のチェックも受けました。こっちもOK。
少なくとも読めるはずという点で言えば、別のやつを子供に読んでもらって手応えを得ました。獣の奏者の記事で触れた女の子です。
すごい読書家だから、目が肥えてそうで怖かったけれど、喜んでくれたので良かった。旅立つところまでの一話目で、この後どうなるのかと聞かれたので、次はこれの続きを書くことにしました。ちょっと待っててねー。
統合と二極化。
走ってきたー。ビジネスジャンプとスーパージャンプが統合することを知り、そこからいろいろ考えてた。統合はまだあるんだろうなということと、二極化するのかなということについて。
統合と二極化1。SJBJの統合は驚かなかった。ヤングサンデー休刊の時に、これからもあるんだろうなと思ってたから。休刊、統合と表現は違うけど、二誌をくっつけて強くしようという発想は同じ。部数が減ってく環境に対する守りの戦略なのも同じ。まだあると思う。
統合と二極化2。時間潰し需要を携帯に取られたのが、現在の出版不況の原因の一つだと思う。これは帰ってこないから仕方ない。なのでまだ再編成があるだろうなーと思う次第。そうやってパイが小さくなってくと、競争が厳しくなって作家サイドはとてもつらい。
統合と二極化3。単に席が減るだけじゃない。パイが小さくなっていくと、十番目まで採算取れていたのに、五番目までしか取れなくなったりする。これは作品だけではなくジャンルについても同じことが言え、お客さんが多そうな所への集中が進むと思う。僕の近所だと萌えへの集中。困ったことに描けない。
統合と二極化4。ただ採算にはコストの問題があって、低コストだったら、もっと先まで採算が取れる。大手出版社は人件費が高いので、このまま選択と集中が進むんだろうけど、そうじゃない所が電子書籍とかを使って、ゲリラ的にニッチな市場を取ることはできると思う。究極は個人出版。
統合と二極化5。あと、大勢の人の目に止まるようにする描き方と、好きな人に深く楽しんでもらう描き方は違うので、そこでも二極化するんじゃないか。選択と集中が進んだ先の、一番刺激的で集客力のある描き方と、ニッチな場所を選んだ、固定客に長く楽しんでもらうための描き方。
統合と二極化6。例えば以前、歴史漫画の企画を立てた。歴史ファンは結構いて、歴女ブームもあり、そういう雑誌も出るけれど、バカ売れ狙えるほどじゃない、中ぐらいの市場。なので「戦国か幕末じゃないと売れないんだよねー」と言われてボツになった。でもここで、歴史に詳しい作家さんだったら。
統合と二極化7。思いっきり趣味に走って、「うわー、そこに行くのか、渋いなー」と、歴史マニアのお客さんが喜んでくれる物を描いて、固定客を掴めるかも知れない。選択と集中でこぼれてしまった作家さんには、そういう手があるんじゃないかと思う。あと何があるかな。科学漫画はありかな。11/7/8
「そこに行くのか、渋いなー」の具体例を思いつきました。サッカーファンに対する「GIANT KILLING」。
サッカー漫画の主人公の王道は、派手な見せ場があるFWか攻撃的MFで、これをGKにしたりボランチにしたりするだけでも変化球なのに、なんと監督。そしてサッカーにめちゃ詳しい。サッカーファンの好感度がとても高い。
スポーツ漫画は巨大市場なので普通に載るのですが、こういう感覚で好きな人に接してる他のジャンルの漫画を描いたらどうだろうか、という話。
科学漫画はね、SFじゃないのですよ。そういうかっこいい感じじゃなくて、ちょっとほのぼの感があるニュアンス。
それを描こうかなとネームにしたのです。ありだといいなあ。
コミティア97。
そんな漫画をCOMITIA97に間に合わせたい。
8/21有明・東京ビッグサイト東5・6ホール11:00~16:00「Z10b かってに応援団」です。
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