先週の雑感記 ジャンプの死神
ナベ先生の仕事場に移動して、まずひとしきり昨日の大敗を嘆く日曜日。
ジャンプの死神。
保健室の死神が本誌最終回だった。完結編は増刊みたい。終わる展開だなーと思って読んでいたので、きれいにまとまってよかったなと。ただ、最近僕が、好きな漫画がすぐ終わる「ジャンプの死神」状態なのは、考察の余地が。
ツイッターの連投は、推敲できないから話がどんどん流れてっちゃう。難しいですね。ということで補足しつつ。
「保健室の死神」は、ネームがしっかりしていて安心して読めるところが好き。しっかりした土台の上にキャラが乗ってて、楽しい。
終わりそうだなこの展開と思って見てたんだけど、そこもきれいにまとめてたし、これで最後のオチまで隙がなかったら、とてもいい作品なんじゃないでしょうか。
「保健室の死神」は単行本二桁行くだろうから、ちょっと違うんですが、僕の好感度は高かったのにすぐ終わっちゃって悲しかったのは、「ダブルアーツ」「アスクレピオス」「賢い犬リリエンタール」と続いているのです。ということで考察。
死神問題考察。一番象徴的なのは、「バクマン。」の趣旨に僕が違和感を感じることだろう。みんな「一位を取るため」に、その場で展開考えてる。描きたいシーンがあって、じゃない。描きたいシーンが先に立つと、それに共感してくれる人が多いとは限らないので、マーケティング的にはよくない。
考察2.でもワンピースは描きたいシーンを描いてると思う。つまり、ひらめきと需要が一致する天賦の才。逆に、最初はこんな漫画を描く人じゃなかったけどがんばって合わせてるなーと感じる人は、苦戦してる。でも鳥山先生はスタイル変えたのか。難しい問題。
「バクマン。」は人気を取ることが至上で、みんなそれに向けて熱くがんばってるんだ、という展開。ほんとに至上なのかという部分にも、以前触れてましたね。
やっぱりそこに疑問を感じちゃう僕の感覚が原因なんだろうなーと思います。
尾田先生は最初の読み切りのころから一貫してるから、多分好きなもの描いてるんだと思う。でも鳥山先生は、むしろ本質はアラレちゃんなのではないかと思うわけで、ドラゴンボールの途中からバトルものにシフトチェンジ。
好きなものを貫いた方がネタは濃くなるしノリはよくなるしいいはずだと思ってるんだけど、ビジネス的にはそうじゃない反例がたくさんあって難しい。
考察3.でもジャンプはこれでいい。漫画界の四番バッターだから。四番はホームラン狙わないと。一番大勢の人が楽しめるものを作って、その波及効果が他へ回るんだから。ただ、全部がこうじゃ困る。四番をそろえたチームが意外に弱いのは実証済み。
考察4。最近僕がいたく感動した例で言うと、漫画じゃないけど獣の奏者。あれがこの方式では作れない。児童文学は大人が子供に買い与えるから(図書室とか)、あれがありだけど、児童漫画で主人公が最後死んじゃう苦しい展開はありえない。読者が途中で我慢できずに、アンケートがずたぼろに。
考察5。でも読み終わったあとに、爽やかじゃなくていろいろ苦味が混じってるけど、感動があるわけで。そしてすごく考えさせられるわけで。物語の価値に疑いはない。そういういろんな感動を提供するために、作品の多様性がーとうるさいわけですよ。
野球以外で例えた方が分かりやすかったかも。
例えば外食産業のジャンルで言うと、街中の店の数を見てたら、一番売れてる食べ物はラーメンなのかなーと思うわけですが。
だからといって、ラーメンが一番売れるんだ、それを作らなくちゃだめだとなって、世の中にラーメン屋さんしかなかったら、とても困るじゃないですか。三食ずっとラーメンでも飽きない、という人はごく一部だと思うし。
多分みんな外食の機会が減って、外食産業トータルでは売り上げ下がるんじゃないか。
一番目立つものをみんなが目指しちゃ全体としてはよくない、いろんな役割のものがないといけない、というのが、あると思うんですよ。
考察6。ただ現状、後ろに大ネタもってって、そこに向かって積み重ねていく方式は、てこ入れされるケースが多々ありますね……。そういうのは個人でこつこつやった方がいいのかなと思う今日この頃。
考察7。あと、ちょっと楽しいコメディーも、アンケート大当たりが難しいので長続きしない。けれど、大ネタの繰り返しはマンネリになって飽きるけど、小ネタはマンネリが心地よかったりするので、むしろずっとそのノリを楽しんでいたいのに。これも個人でこつこつの方がいいのかなと思う今日この頃。11/6/27
後ろに大ネタがあってそこに積み重ねていく方式のストーリーものと、ちょっと楽しいコメディーが、自分が描きたい種類の漫画だから、いろいろ考えちゃうわけですね。
後ろに大ネタじっくりパターンはまじでだめ。先に先に出さないと商業誌じゃ生き残れない。先週書いたネタの振り分けは、ここがポイント。でも後ろ大ネタパターンの方がよく思いつくんだ……(^^;;)
ちょっと楽しいコメディーは、載らないわけじゃなくてちゃんとあるんだけど、なんとなく「もうそろそろいいんじゃないですか」という感じで終わっているような気がするのです。
でもコーヒーショップは売り上げが巨大なスタバだけがえらいわけではなく、個人の喫茶店だっておいしいコーヒー出すいいお店はたくさんあるわけで、もし好きな作品が作家さん個人で続けるのであれば、僕は通いつめるのになーと思うのですよ。
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