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2011/06/27

先週の雑感記 テレビと視聴者とキャベツの葉

雑感記は、先週お休みでした。

ナベ先生の仕事が一回休みだった、この二週間の間に何してたかと言いますと。

まず、小説を書き終えて。

次に個人出版関係を進めてました。

電子書籍はブクログのパブーで、同人誌はCOMIC ZINで、取り扱っていただいております。

最初だから要領つかめず、手間取ったですよ(^^;;)

これでなんとか一通り、形はできたような気がします。

僕がこれまで長らく漫画の持ち込みをしていて、気がついたことは。

打ち合わせが上手くいかない時って、技術的な問題とは別に、ミスマッチの問題があるんだなということでした。

向こうがほしくない物を持っていってる。

簡単に言っちゃうと、「売れなさそうな物」。

漫画ももう成立して長いビジネスですから、データが蓄積されていて、売れるのはこの辺という当たりがついているわけです。そこを押さえていないやつは載せづらい。

冷静に客観的になったら、自分でも「これは売れ線ではないな」と思うし。

でも作る方としては、最初の「これ面白い!」というひらめきに従って作っているので、売れ線じゃなくったって描きたいものは描きたい。

それじゃ仕事にならないんですよね。ハードル上げる理由が向こうにはないんだから、採用するわけがない。

でもじゃあ売れそうなネタを突っ込んだり、そういう展開入れたりしてテコ入れすればいいのかというと、そう単純な話でもなくて。

ページに限りがあるから、何かを入れれば何かを捨てることになる。そしてそういう時には、「過剰」な部分が切られやすい。「ここはこんなにページ使わなくてもいいでしょう」となる。

でもそういうふうになってるのは作者にこだわりがあるからで、そういう所をどんどん削っちゃうと、仏像作って魂入れずな、中身なくて形だけだーみたいな空疎な物ができてしまう。

そういうふうになってしまった経験がたくさんあるのです。なので、最初から、商業誌じゃ拾ってもらえない物というのがあるんだよねと、悟ったわけですよ。

まあ描こうと思えばそういうのも同人誌で描けるんですが。

今までは流通ルートが別で、仕事として商業誌と勝負してない感があって、ちょっと寂しかった。

でも電子書籍であれば、土俵は同じ。パブーなんか、普通に混在してるから。

アメリカではここまで進んでるのです。

米Amazon、作家John Locke氏が8人目の電子書籍販売累計100万部作家として殿堂入りと発表、個人作家で初めて

【編集部記事】Amazon社(本社:米国ワシントン州)は現地時間6月20日、作家のJohn Locke氏が8人目の電子書籍販売累計100万部突破作家として「Kindle Million Club」に殿堂入りしたと発表した。個人出版の作家としては初めてとのこと。

同氏はAmazonの個人向け電子書籍出版サービス「Kindle Direct Publishing(KDP)」を利用して、従来のエージェントや出版社をまったく利用しないで電子書籍を刊行。現在9点の小説を刊行している。また、「How I Sold 1 Million eBooks in 5 Months」は、New York Timesのベストセラーにランクインしている。

同氏は「Kindle Direct Publishingは、個人作家が大手出版社と同じレベルで競合できるチャンスをもたらしてくれる」と述べている。【hon.jp】11/6/21

日本もこうなったらすごいけど、日本はまたちょっと事情が違うので、今の僕のスタンスとしては。

どばっと売るには、プロモーション力があった方がいいから、きちんと売れそうなものは、出版社に持ってった方がいい。その方が大きな可能性がある。

一方、狙いがちょっと変わってて、売れなさそうだから、と敬遠されちゃうようなものは個人で出せばいい。

紙の本では一度にたくさん刷らないとコストが下げられないので(だから同人誌は高い)、個人で参入は敷居が高いわけですが、電子書籍は何冊売れてもコストは変わらないので、むしろ人件費かからない個人の方が採算取りやすい。心置きなく変なの描ける(笑)。

これでネタを死蔵する心配がなくなったんですよ。

さらにひらめいたネタに応じて最初から割り振っちゃえば、担当さんも、僕がこう描きたいんだと頑なに指示された直し方をしないのに付き合わなくてもいいわけだから、無駄な打ち合わせをせずにすみ、八方丸く収まるよ。いい世の中になった(^^)/

というわけで、次のネームも切りました。「LITTLE BIT WONDER 愛しのiPS」。

「LITTLE BIT WONDER」は、以前ガンガンに載ったSF短編読み切りですが、最初変なSFコメディーだったのが、打ち合わせでたくさんボツを食ってるうちに、一番普通のSFホラーに落ち着いたという遍歴があり。

最近みんなに、溜め込んでる科学ネタを使えばいいのにとアドバイスされているうちに、あの時ボツになったキャラクターで描けるとひらめいたのです。なので14年ぶりの新作(笑)。むしろあの時より割り切っちゃってるから、とても楽しく描けました。

Lbwips

科学ネタ?

というわけで仕事が明けたら、こっちの作業に。

あとは英語版も作りたいんだけれど、こちらは英語力的に時間がかかりそう。一応自分でできるようになりたい。

キャベツの葉をむく話。

僕は電子書籍の話をする時、多様性についていつも語ってるわけですが。

それを損なうとこうなっちゃうと思っているからです。

「民放の19時台視聴率が1ケタになった」 テレ朝プロデューサーの「ツイッター」に「当然」の声

テレビ朝日のプロデューサーさんが、民放の19時台の視聴率がみんな一桁にとツイッターでつぶやいたら、大勢の人が当然だと受け止めたという話。

民放で見るものないと思ってる人、けっこう多いと思うんですけど。僕もその一人なんですけど。

これは結局、視聴率だけ見てた結果だと思うんですよね。売れるかどうかだけ見てた。そうすると。

ラインナップのうち、一番売れないやつをまず切る。残ったうち、次に売れないやつを切る。そして残ったうち……。

これを繰り返していくと、結局一番簡単に反応が取れるやつに企画が集中する。これが現状ですよね。

でも、売れないからって簡単に切ると、それについてたお客さんも一緒に切っちゃうことになるわけですよ。ちょっと人と違う感性のお客さんは、その客層向けに作っても儲からないと切り捨てられちゃう。それの繰り返しでどんどんお客もいなくなる。

例えるならたまねぎの皮とかキャベツの葉をむいていく感じで、薄皮一枚と思って次々に捨ててくと、気がつけば捨てた方が多くなっちゃうという事態。

僕なんか、けっこう最初のころに捨てられた葉っぱなので、民放をつける習慣ほとんどなくなってますからね。最近だと、サッカーのキリンカップと、新日本プロレスぐらい?

見る習慣がなくなるというのは、ほんとに怖いことです。関係性が切れちゃうと、ちょっとぐらい評判でも、もうわざわざ見るのが億劫だから。すごい腰重い。

漫画にはそうなってほしくないので、電子書籍が多様性の解決策になればいいなあと思ってるのです。

今週読んだ本。

獣の奏者 Ⅳ完結編 (上橋菜穂子 講談社)

一言で言って。

すっごい面白かった!

ちゃんとした感想はまた今度。

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