今週一週間 コミスタ
右の親知らずも抜歯。
抜くのにてこずったからか、腫れてきましたよ。痛い(+_+)
今週のお仕事。
ナベ先生の仕事が電子化。
しかしナベ先生はコンピューター関連に極端に弱く、ブログも僕が作ったぐらいなので。
PCの設置とかソフトのインストールとかは詳しいお友達にお任せ。そして作業の電子化の成否は、僕の双肩にかかっていました。
けれど、僕もコミスタ触るの初めてだったので。
ガイドブックと首っ引きですよ。何で世の中のガイドブックは、それが一番必要な初心者に向けて書いてないんだろう。説明分かりづらい。
なんとかこなしました。後は印刷されたらどう見えるのか。
ComicStudio。
コミスタというのはComicStudioという漫画を描くためのソフトのことです。PC内で一から漫画描けるんだけど、とりあえず紙に絵を描いて仕上げに導入。
すんごい便利です。
手順を覚えるまでは進みが悪く、これ終わるんだろうかと冷や汗かきましたが、覚えちゃったら速い速い。
使ってる人が、もう手仕上げには戻れないと言ってたのも納得です。
さらに。
便利すぎて、技術の進歩は恐ろしいという話になりました。
例えば、空にトーンで雲を表現する時に。
ふんわりした感じを出すために、従来なら、カッターの刃先を使って、トーンの柄を縦横斜めに細かく削っていたのですが。
そのためのツールがあって、ブラシですっとなぞるだけなのです。話には聞いてたけど、想像以上のらくちんさ(((゜o゜;;)))
あれ、きれいに仕上げられるようになるのに結構かかったし、作業時間もかかる大変な作業だったのに。
あと、入りと抜きの設定もできるのに泣きそうになりました。
ペンで線を引く時に、両端を細くかすれていくようにする技法です。分かりやすいところで言うと、集中線の端っこがそうなってます。これができてないと絵に勢いが出ないのです。
でもこれを習得するのはかなり大変。よく職人仕事で、基本を身につけるのに十年、みたいなことを言うけど、そういう種類の技術です。
それが、設定さえすれば、小学生でもすぐにできるようになるんですよ。
他にも、適当にがしゃがしゃっと描いてもきっちり平行な直線を引けたり、職人的作業をあっさりできるようになってて、すごい便利です。
同時に、じゃあ自分がこれを習得するのに費やした時間って、何だったんだろうなーと感じてました。もう職人いらないんだよ(+_+)
とにかくこれで作業時間は大幅短縮されると思います。すごいなあ。
生産性の向上と質の低下。
コミスタって便利だね、という話をしながら、ただそうやって生産性が上がった時に、じゃあ漫画の未来はどうなるんだろうという話題に。
絵を描くのには便利な道具ができて質も上がっていくだろうけど、話作りはどうだろうねーと。
これはコミスタだけが原因で引き起こされるんじゃないんですが。話作りの技術の伝承は弱くなるんじゃないかな。
お話って、誰でも作れるけど、それじゃ話芸として半分なんですよ。
世の中のほとんどの人が言葉をしゃべり話が出来るけど、落語のような話芸のなるとまた別で、名人とその他の人ではえらい違いがあるのと同様。呼吸、仕草、声音、そういうもので印象が全然違っちゃう。
お話も、妄想するだけなら誰でも出来るけど、それを人に伝える時に、面白くするのに気配りがいります。
そしてそれを独学で習得するのは大変なのです。自分では見えてないからできないわけで、気がつかなければずっとそのまま。
その話芸を習得するのに、現場で仕事していることは大きくプラスです。
仕事場の雰囲気次第なんですけど、よくおしゃべりする仕事場だと、漫画だったり映画だったりアニメだったり、見たものの感想をみんなで言い合う。これが自分が見えていないことを気づかせるのに大きい。
特に先生が、プロレベルの考え方のツボを、無料で開陳してくれてるわけですから。
それに一日中ずっと一緒にいるので、しゃべってる量も膨大です。そういう仕事場には、貴重なノウハウがごろごろ転がっているのです。気づいて拾えるかは本人次第ですけど。
弟子がよくデビューする先生っていますが、それは仕事場がそういう雰囲気なんじゃないかと思います。
作画の生産性が上がると、アシスタントの需要も減るわけで、そういう場が減っちゃう。天才は最初からできるけど、ちょっと足りてない人がそれを独学で気づくのは大変。編集者との打ち合わせは、まず顔合わせている時間に圧倒的な差があるので、代わりにならないと思うし。
話の質という点では、独りよがりの読みづらい物が増えるかもしれない。そういうノウハウは、これからどう伝授されていくんでしょうねー。
話作り。
自分の話し作り作業は。
ナベ先生の仕事に行ってる間に、友人に読んでもらってチェックを頼んでました。
直さなきゃいけないところがあるようです。自分も少し気になってたところ。
ただちょっと直すにはややこしい問題で。
キャラごと変えた方がいいんじゃないかという話になりました。
普通はそうだよなあと思いました。
でもそこをいじると、僕の最初の閃きがなくなってしまうのです。別の話になっちゃう。
僕のイメージは、厳しい現実に縁取られた優しい愛情の話、という物でした。コントラストが強すぎるので、うまく一体化できていないのです。キャラを変えて厳しい方に寄せ、普通にSFアクションにすれば直ると思います。でもそしたら描きたかった最後のシーンが描けない。
友人も作家なので、この辺のジレンマは分かってくれます。何とかうまく直さないとなー。
テーマソング的には高橋優な感じ。今ちょうどかかってた。
今週読んでた本。
獣の奏者 (上橋菜穂子 講談社)
読んでる途中です。図書館で借りたのは青い鳥文庫版だけど、最後までまだ出てなかった。ハードカバーで借りねば。
以前NHKのアニメで見たときにはぱっとしなかったんだけど、原作はすごい面白いです。確かにエリンは内に秘めるタイプなので、モノローグなしで表現するのは難しいかも。
内に秘めた思いをどう表現するかは、今まさに自分の問題。うまくできてるこのお話は参考になるはず。
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