5/8NOAH有明コロシアム シリアスな闘い
ちょっと空いちゃったプロレスの感想も再開。
5/8NOAH有明コロシアム大会。
メインイベントGHCヘビー級選手権試合、王者杉浦貴vs挑戦者鈴木みのる。
震災があって、僕はなんかお気軽にプロレスを楽しむ気分じゃなくなって、全然見ないわけではないけれど、感想書くまでに至ってなかったわけですが。
この試合も震災絡んでたのです。
杉浦さんが次の挑戦者にみのる選手を指名、前哨戦が組まれた時。
震災後の杉浦さんの弱気とも取れる発言に、みのる選手が噛み付いた。
震災直後って、スポーツ興行どうしようといろんな所で議論になりましたが。
サッカーはまともに被災しているクラブもあり、開幕を延期。野球は開幕時期をどうするかでもめました。それに対しプロレスは一部取り止めた所もありますが、どちらかと言うとやる方向。
プロレスは戦いを通して気持ちを見せる部分があり、そのためこういう時期に開きやすいという面はあったと思います。がんばろうと勇気づけられるジャンルだから。
でも、直後の興行でよく見かけた、「俺たちは戦いで見せるしかないんだ! がんばろう!」という呼びかけに、僕はちょっと違和感を感じていました。気持ちはそうなんだけど、なんか軽くないかな、今じゃないんじゃないかな、というような。
だからと言って、じゃあどうすればよかったかという意見があるかというと、ないのです。何かするとしたら、あれしかないようにも思います。要するに事が重大すぎて、プロレスの俎上に簡単に乗せられない気分だったのです。
だから杉浦さんの、「勇気づけるといっても今じゃないんじゃないか」という発言にはすごく共感しました。
だいたい杉浦さんは自衛隊出身です。災害派遣は仕事の一部です。今回派遣された隊員の中に顔見知りがいるかもしれない。普通の人より敏感だったはずです。
でも、それに対して噛み付いたみのる選手にも異論はなかったのです。
他の人だったら、また軽く奇麗事言って、という気分になったかもしれませんが、みのる選手は全日のツアーで東北にいて、地震にあっています。地震直後の被災地の状況を見ています。その上で、プロレスラーはリングの上から勇気を与えるのが仕事だと言う。これは覚悟の発言です。
シリアスすぎて、この対立がプロレス的に燃え上がることはありませんでした。試合前会見でも、みのるさんがちょっと触れただけ。杉浦さんは入場してきても目を合わさない。リング上の試合後インタビューでも、核心には触れず。
試合終了後、歩み寄るみのるさんの声をマイクが少し拾ってました。「がんばっていこう」と聞こえました。
プロレスってなんだろう。奇麗事じゃなくて、本当に人の心に届く力があるんだろうか。試合内容はすごかった。シリアスな思いに向き合った試合だったのだと思います。
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