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2011/03/11

あしたのジョー その1

作業中に「あしたのジョー」をつけていたのです。

「あしたのジョー」のTVアニメは、二期に分かれて放送されました。2の方は何度か通して見たことがあるのですが、そういえば1は通して見たことはないなと。

第1話から見てみたら、思った以上に面白かったので、感想をつぶやいてました。

BGM的に流していて、あまり画面を見てない感想なのですが、せっかくだからまとめてみます。

あしたのジョーをつけながら仕事中。昔のアニメなのでテンポは少し遅いが、エピソード濃い。すごいエネルギー。

第三話。おっちゃんの思い、ジョーに届かず。確かにおっちゃんの一方的な思い込みからスタートしてるんだけど、おっちゃん本気で骨身を削ってるのでかわいそう。ジョーひどい。

おっちゃん、昼飯あんぱん一個で昼夜問わず働いてるのに、ジョーは小遣いせびってだらだら悪さばかりしてる。とうとうばれた。

第四話。詐欺がばれて捕まり、暴れて篭城。おっちゃんに殴り倒されてお縄。ここまでのジョーの行き当たりばったり感と反抗的姿勢。元の原作にはなく、キャラ立てのためにちば先生が足したエピソード。これが作品全体の雰囲気を決めてて、ジョーの生き様に説得力を生んだ。11/3/4

「あしたのジョー」は高森朝雄(梶原一騎)原作、ちばてつや画の大人気漫画。漫画界の金字塔の一つで、TVアニメ、劇場アニメになり大ブームとなりました。最近実写映画でリメイクされてます。

で、最初に渡された高森先生の原作は、もうボクシングをやっているところから始まっていて、分かりづらいと思ったちば先生は、その前から描き始めたのだそうです。

確かにボクシングが売りの漫画なら、さっさとボクシングを始めるのが普通です。でも、ボクシング前のジョーとの出会いから描くことにより、ジョーの性格を見せるエピソードがたっぷり入ってる。

風来坊で、やくざに突っ張る、警察には噛み付く、大人の言うことなんか聞きゃしない。それでいて、やくざに連れて行かれようとしているサチを助けてやったり、心根の優しいところもある。

孤児院を飛び出して以来、たった一人で行き当たりばったりで生きてきたジョー。そのたくましさと、明日を考えずに生きてきた危うさ。そんなジョーの二面性が、この後のストーリー展開を裏打ちしてます。

ちば先生の絵柄もいいですよね。ばりばり劇画の人だったら、腕っ節自慢のただの狂犬止まりだったかも。ふとした時の目の優しさが、ジョーのキャラクターに深みを出してる。アニメもそんな目元の表情を上手く描いていると思います。

そしてジョーのしでかす悪さがひどいので、これどうなっちゃうんだろうと気になってくるのです。すごいエネルギーを感じます。

第五話。あしたのためにその1。ジャブはやや内側を狙いえぐりこむように撃つべし。有名なフレーズ。こういう印象的な言葉を持つことも、物語には大切。

第六話。有名なねじりん棒とパラシュート部隊。西、あんなに悪そうだったのに。

第七話。初めてジョーの素性が語られる。裁判所でのおっちゃん、葉子との対峙は、ジョーの世間に対する呪詛のようだ。少年院に送られる船の中、何も与えられず育ったが、自由だけは自分の腕で守ってきたと。誰も信じない。誰とでも戦う。慕うサチがけなげでかわいそう。11/3/4

おっちゃんも葉子もズバッと否定し、突っぱねるジョー。差し出された手をなあなあで握ることをしません。親切の下には本音があるだろ、と遠慮なく。

おっちゃんなんかは、確かにボクシングがきっかけで近づいてきたけど、ちゃんと情が移ってるのに、世間を基本的に信用してないのです。子供たちは素直に心配してるんだけど、それも一緒に突っぱねてしまいます。

このままでは幸せになれないジョー。少年院送りというどん底に。

第八話。リンチのシーンの緊迫感すごい。さて、仕事も終わってるし、さすがに寝なくちゃ。11/3/4

あしたのジョー第9話。豚に乗って脱走を企て、力石と初対決。数々のいじめのアイディア、それを使って逆転、さらにそれを使ってライバルを印象付ける。アイディアの連鎖がお見事。

少年院にいるということは、当然力石は未成年なんだけど、全然そう見えない。設定少年中大人なキャラクターは、漫画が子供の読み物から成長を遂げる過渡期に多いような気がする。青年誌が発達すると、内容もそうだけど棲み分けができちゃう。でも、混沌としている方が、パワーがあって面白い。11/3/5

読者層が子供から育ってきた時期に、ただ主人公が活躍するだけの話じゃなくて、その人生まで描くんだ、という作品が出てきたのではないかなと。劇画ブームがあって、それが少年漫画にもフィードバックされた形なのでしょうか。

だんだん青年誌の数が増えてくると、難しいテーマはそっちに、というふうに少年漫画では扱わなくなってきて、今に至ってる。そんな感じがします。

ただ、棲み分けちゃうと型が出来てきて、先が読めちゃうからつまらない。端っこや狭間のところの方が面白いのになあと思うのです。

力石と対決した回だけEDが違う。さて次の第10話。一話かけて、ジョーが打倒力石に立ち上がるまで。無軌道だったジョーが、初めて目標を見つける。おっちゃんの想いとも一致。昔の大河少年漫画のこのじっくり感が素敵。

第11話。ラスト出崎監督得意の三段演出。あれ好きなんだ。

第12話。ジョーと力石二度目の対決、おっちゃんのあしたのためにその3伝授。でも一番の山場はジョーと葉子の対峙。大財閥の美人で心優しいお嬢様という仮面をジョーが剥ぐ。おっちゃんはジョーの才能と出会い人生変わるけど、葉子はジョーのむき出しの魂と出会って人生変わるのだ。

葉子の慈善は慈愛なんかじゃないとジョーが喝破。そこで初めて大きな声で怒る葉子。確かに葉子は親切だけれど、どこか人との距離がある。この後力石の死後ジムを継ぎ、ジョーのために影からマッチメークをするように、ホントは内面に激しさを持っているのだ。礼儀正しい優しさはお嬢様の仮面。

自分一人の力で生きてきたジョーは、自分に向けられる敵意、蔑みに敏感だ。だから葉子に最初から噛み付く。葉子もジョーの前では、表に出さぬように抑えつけてはいても、心の中は仮面のままではいられない。自分と向き合うことになる。それが最後のあのセリフにとつながっていく。11/3/5

葉子は出てきたときから、どこかお高くとまったお嬢様なところがありました。単にお金持ちのお嬢様を漫画の型で描いたから、で流れてくこともできたんでしょうが、そこを掘り下げ始めた。

ドラマが進むにつれて、ジョーも葉子もどんどん掘り下げられて、業と呼べるレベルまで行きます。

紀ちゃんはそんなジョーに付いていけないと途中で諦めちゃうけど、葉子は魂のぶつかりあいからスタートしてるから、最後まで。

ジョーに惹かれて、ジョーのために良かれと思い、嫌われてるから自分のバックアップなんておせっかいと言われるんだろうなと敵役を演じ、でも愛しているからやったその行為のためにジョーにはパンチドランカーの症状が。

ここからずーっと行って最後の控え室でのセリフにつながっていくんだなーと思うと、感心しきりなのです。

第13話。試合前アオリ。追っかけてくる連中を全員叩きのめすジョー。ジョーの必殺パンチに気づき、対策を練り、暴れ牛を叩きのめす力石。盛り上がる。

第14話。試合開始。力石とは実力の差があり、ジョー何度もダウン、ぼろぼろに。凄惨な光景に目をそむけ立ち去ろうとする葉子を引き止め、最後の最後でジョー大逆転のクロスカウンター。引っ張り方上手い。濃密。

第15話。試合後、盛り上がったみんながボクシング大会。青山登場。この少年院はワル中のワルが集まる場所なはずだけど、青山君はあんなにおとなしそうなのに、いったい何をやらかしたのだろうか。11/3/5

この第15話に、葉子のモノローグが入り、上記のようなことに葉子本人も気づき始めます。モノローグもここが初めて?

漫画やアニメの表現にはファッションと同じ部分があって、時代の雰囲気や流行があります。だからただ描いてあるだけだと古くなっちゃうんだけど、人の本質はそう変わりません。そこまで踏み込んであるから、今見ても面白いと感じるんだなーと思います。

第16話。あしたのためにその5。やる気に満ちるジョーをすかすように、青山君に肩入れするおっちゃん。一体どうなってんだろうというエピソードの持ってき方がいい。続き気になるけど、でもそろそろ寝ないとー。11/3/5

というわけで第16話まで。

また作業中に見たりすると思うので、その時に続きを。

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