未知の地平線
ネタ出しdayです。
頭を刺激するために、本を読んだりTVを見たり。
多分傍から見ていると、休んでるみたいに見えるはず(^^;;)
でも勉強のうちですよー。SF分強化中。
○ 未知の地平線 (ロバート・A・ハインライン 訳・斎藤伯好 ハヤカワ文庫SF)
人間の遺伝子が解明されて、子供を作る時にはそれを組み合わせて優秀な子を残すことが当然となっている未来。病気はなくなり、人々の能力はより高くなっていった。
主人公ハミルトン・フェリクスは、その中でも特に優秀な、エリート血統。だが、自身の子孫を残すことには消極的だった。そんな時、このユートピアを転覆しようとする集団、<生き残りクラブ>に声をかけられ……。
前半は<生き残りクラブ>の反乱、後半は結婚と子育て。一見物語が二分割されています。でもテーマは遺伝について。
遺伝子チャートによって、よりよい人間を作ろうという社会に、もっと過激な手法を持ち込もうとするのが<生き残りクラブ>です。そこで人間を遺伝子で設計されている物のように扱っていいのか、という視点が提示され、でも遺伝子によって設計されていることには違いないというジレンマも示されます。
後半では遺伝子の接合によって子孫を残すという行為に、愛情という人間らしいものが乗っかっている様子を描き、さらにただ遺伝コードを受け渡すだけではなく、もっと超自然的な意味があるんじゃないかというSF的な含みも持たせ。
遺伝というテーマに、いろいろな角度から光を当てたお話になっています。
SFは時にテーマが物語に勝つことがあります。エンターテインメントとして考えたら、後半が急におとなしい展開になっているので、<生き残りクラブ>の反乱をメインに持ってくるべきだと思うのですが。
未来の科学技術に対して哲学的な考察を加えるというのもSFの面白さなので、ここは難しいところですねー。
ただ、そういう一歩間違えると理屈だけになってしまう難しい展開を、キャラクターの良さで乗り切っていて、ぐいぐい引っ張っていくのはさすがの筆力。ちゃんと面白く読めるのが見事です(^^)/
市民が武装していて、決闘ありの世の中。それが遺伝子を淘汰して優秀な者を残すのだ、なんて、いかにもアメリカ的。そこで堂々と世の中渡っていく主人公のキャラ立ちもお見事。
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