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2011/01/04

栄光の星のもとに

背景が思ってたより大変で、なかなか進まない一日。

この漫画終わったら次にとっかかる物は決めていて、それだけに進みが遅いとうずうず。

この読書もそっちのテンション上げるため。テンションはばっちり上がってる。

○ 栄光の星のもとに (ロバート・A・ハインライン 訳・鎌田三平 創元SF文庫)

地球の寄宿学校で学んでいた主人公、ドン・ハーベイは、両親から火星に帰ってくるようにと伝えられる。どうやら戦争を心配しているらしい。

そんな大げさなと思ったが、事態はドンの気がつかない所で進行していた。出発の前に会うようにと言われてドクター・ジェファーソンを訪ねると、治安機関に取り押さえられ、取調べを受ける。そして、ようやく出発と思った時、地球周回ステーションが金星軍に占領され……。

ハインラインのジュブナイルのシリーズを全部読んでみようと、発行順に読んでいるんですが。

ハインラインさんの頭の中が見えたような気がします。

前の作品を受けてこれ、という部分が見えてくるのです。

最初の作品「宇宙船ガリレオ号」は、第二次大戦後直後の作品。多分まだ原子力が目新しく、その平和利用である原子力ロケットが、作品の中心でした。

原子力ロケットを飛ばしたら、次の作品「栄光のスペースアカデミー」では、それを使って太陽系の平和を守る人たちが出てきます。他の惑星に容易に行けるようになったので、植民者が出現、地元の金星人もいます。

植民者が出てきたので、「レッド・プラネット」では火星、「ガニメデの少年」では木星の衛星ガニメデの植民者が主人公。アメリカ人には多分おなじみな、フロンティアスピリットが散りばめられています。「レッド・プラネット」は本国の横暴に対する反乱、「ガニメデの少年」は開拓民の苦労と不屈の精神が書かれています。

で、本作「栄光の星のもとに」ですが。

規模に差があっても植民地の反乱という点では、「レッド・プラネット」と同じ構図。でも今回違うのは、主人公の立ち位置。

ドンは父は地球人、母は金星植民者、自身は宇宙船の中で生まれ、現住所は地球で実家は火星という、とても中途半端な立場です。そのために行く先々で苦労します。

そんなドンは、地球の治安機関に手荒に扱われたことをきっかけに地球に反感を持ち、幼少期に暮らしたことのある金星に肩入れしていきますが、最後、宇宙こそ自分の故郷だと確信します。

この本が出版された1951年は、朝鮮戦争が行われていて、東西冷戦の構図が世界規模に広まった頃です。前の戦争時と違い、すでに核兵器ができていて、次の大戦は双方全滅戦になるかもしれない。

そんな中で、生まれの違いでいがみ合うことの愚かさ、もっと大きな世界に住んでいる同じ人類じゃないのかという想いが、この作品を単なる独立戦争の話で終わらせなかったのかな、と思いました。

ハインラインさんはジュブナイルじゃないSFも書いているので、そういうのも含めて順番に読んだら、もっといろいろ感じるところがあったかも。

さて、そういうテーマは抜きにしても、この作品はとても面白かったです。

キャラクターが立つのがとても早く、そして事件がすぐにスタートするので、ぐいぐい引き込まれます。

その事件も治安機関に捕まって暴行を受けたり、戦争に巻き込まれて死にそうになったり、かなりのピンチで、はらはらどきどき。

変わった生い立ちだけれども、結局のところ無力な少年だったドンが、運命に翻弄されながらもその中でたくましさを身につけて、自分の立ち位置も確立して一人立ちしていく、とてもいい成長物語でした。

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