レッド・プラネット
ハインラインのジュブナイル読書続行中。
すごい楽しい。うきうきします(^^)/
○ レッド・プラネット (ロバート・A・ハインライン 訳・山田順子 創元SF文庫)
火星開拓者の息子ジム・マーロウとフランク・サットンは、高等教育を受けるため、シルティス・マイナーにあるローウェル・アカデミーに向かった。新任のハウ校長は、ジムが連れてきた火星生物でペットというよりは友達のウィリスを取り上げてしまう。
取り返そうと校長室に忍び込んだジムとフランクは、そこでウィリスの口から火星開発を司る火星カンパニーの植民者に対する陰謀を聞き、コロニーの人々に伝えようと学校を抜け出す。しかし追っ手を避けようと極寒の火星を行くうち、フランクが熱を出して……。
火星人が出てきます。謎めいた存在で、実は地球人よりも高度な文明を持っています。
昔のSFには、よくご近所の宇宙人が出てきます。ハインラインのSFもそうです。
乾いた火星の大地には、少ない水を効率よく使うための運河が張り巡らされ、それを建設した火星人がいて、厚い雲に覆われた金星には、ジャングルが生い茂り、その沼地に住む金星人がいるのです。
これは観測技術がまだまだ不十分だった時の宇宙観です。火星の運河とされたものは、解像度が低いから見えた模様で、探査機を飛ばしてみれば、そんな物はありませんでした。
金星のジャングルも、実際の金星の雲の下は、大気に含まれる二酸化炭素により地球とは比べ物にならないほど温暖化していて、木が生えるどころではない灼熱の世界でした。
でも、よく分からないからこそ生まれるわくわくするロマンってありますよねえ。もういないと分かっている火星人(微生物ならいるかも)も、そのわくわくする香りに包まれていて、楽しく読めるのです。
古典のSFは、もうファンタジー小説みたいな物ですね。ないと分かっていても、わくわくすればよし。
さらにお話も、わあ、このまま遭難しちゃうのかなとか、カンパニーの横暴がまかり通っちゃうのかなとか、手に汗握る展開で、とても面白かったです。そしてウィリスが可愛い。ちょっとうるさそうだけど、うちにも欲しい。
さて、火星人はないと分かっても、まだ太陽系にはフロンティアがあります。
木星や土星の衛星には、氷の大地の下に海があるんじゃないかといわれている星があり、地球の海底にある熱水噴出口のような物があれば、生き物がいるんじゃないかと期待されています。
また系外惑星の探査により、太陽以外の恒星にも、わりと普通に惑星はありそうだという雰囲気になってきました。
そういう所を舞台にSF描けたら、わくわくする雰囲気作れて、楽しいんだろうなーと思います(^^)/
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