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2010/12/19

今週の雑感記 改正東京都青少年健全育成条例

書くのに何時間かかったんだろ……。

遅れました今日のブログ、可決された日にも触れましたが、もう一度。僕はこれはかなりまずい事態だと思っているのです。

このブログに来る方は、漫画好きの方以外にも、サッカー方面からこられた方も多いと思われ。

そうすると、僕がこの条例に反対しても、「それは漫画家だからでしょう。表現の自由も大切だけど、子供に悪影響があるものを放置するのもなあ……」と、規制もやむなしという見解の人もいるでしょう。

今日は、そんな方に、そういう話じゃないんだ、というのを訴えたいと思います。

さて、まず第一にこれが問題だと思うのは。

そもそも社会学的には効果ないとされているということです。

前回通そうとした時のブログにも書きました。かなりテンション高めで。

性犯罪に対する規制の効果は否定されています。いやむしろ最近、ポルノが逆にガス抜きになって抑制しているのではないかという研究もあります。

つまりこの規制は、実際の効果はなく、あるとしたら政治家等の関係者が「私は教育問題に熱心だ」と無知な有権者にアピールする材料となり、また余計なポストができることによって、ろくに働いてないのに税金で給料もらえる人が増えるという悪法。

そして、子供のために良かれと思った人にとっては、その思いと裏腹に、その子が将来性犯罪に走る確率、性犯罪被害に遭う確率を上げる結果となるのです。

えー、そんなこと言っても信じられないよ、という方もいるでしょうが。

その人に聞きたい。

地球は丸くて、一日一回自転していて、太陽の周りを一年でぐるりと公転していますよね。地球が太陽の周りを回っていると言うのは否定しませんよね?

なんでですか?

何を証拠にそんなことを?

多分ほとんどの人は、地動説についてよく知らないと思います。かく言う僕もうろ覚えだったので、さっき確認したんですけど(^^;;)

1543年コペルニクスが本にまとめて提唱して、1597年ケプラーが楕円軌道だとすれば観測結果と合うと発表し、1616年ガリレオは裁判にかけられ、そして1728年、直接の証拠として、ジェームス・ブラッドリーが年周光行差(地球が動いているので星の光が移動方向にずれて見える)を発見したのです。

でも、直感的には天動説の方が自然です。地球が動いてるなんて感じられないもの。地面があって、天球がかぶさってて、そこに張り付いた星が回ってる。太陽や星を目で見るだけだった昔の人が、感覚通りにそういう世界観を持つのは当然だと思います。

それでも地球は回っていた。

このように、直感と事実が逆ということはあるのです。

科学は一生懸命観測して研究して、そこを明らかにしていくものです。なのになんで社会学の常識は、こんなに無視されているのか。

社会学者の人が時間をかけて調べ、他の人がそれを検証した事実が、何でどっかの小説家上がりの無知なじいさんの、「そんなの当たり前だろ」という直感に蹴散らされなければならないのか。

ここをベースに、じゃあ子供をどう教育するのか、とか議論するのが本筋のはずなのに。健全な青少年ってどういう子かというのも、さっぱり語られてないじゃないですか。こんなことしてれば上手く行かなくて当然です。すごい問題だと思います。

さて、もう一点の問題。それは条例の内容じゃなくて、通そうとした政治手法と、メディアの監視能力。

この条例に関して、よく、エロ規制を発端に言論統制が始まって戦争になったんだ、という過去の例が持ち出されます。

またそんな大げさな、と思う人もいるでしょう。

確かに、衝突ぐらいは考えても戦争まではどうだろうとは、僕も思います。でも本題はそっちじゃなくて。

権力が暴走しても、止められなかったという点。

権力の暴走を監視するマスメディアの機能が、戦前同様、今の日本ではもう損なわれているんじゃないかと思うのです。

この条例を通そうする人たちの強引さはすごかった。ろくに議論する気がないのがありありで、問題発言もぼんぼん出た。条例自体もどこまでも拡大解釈できそうに作られていたし、憲法違反だろうという法学者の人もいたぐらい。

でもマスメディアにはほとんど載ってないと思うのです。僕が知ったのもたいがいネット経由です。

本来だったらマスメディアが、世の中にさっきの社会学の見解も含め、情報をきちっと提示して、きちんとした議論を呼び起こさないといけないはずです。

でも、どっちかと言うと、権力側の言い分をそのまま出してた印象。

成立を受けた新聞記事に、都の職員がPTAの集会で説得活動、とあったんですが。あれれ、と。

おかしいなと思って調べてみたら、地方公務員法の第36条に政治的行為の制限というのがあるんですよ。その5には「本条の規定は、職員の政治的中立性を保障することにより、地方公共団体の行政及び特定地方独立行政法人の業務の公正な運営を確保するとともに……」云々とある。

赤太字は僕が強調しましたよ。全然中立じゃないじゃん。自民党の職員じゃないんだ。石原の雇った私兵じゃないんだぞ。反対派都民の僕だって、そいつらの給料払ってんだからな。

こういうのは突っ込まなくていいのでしょうか。

権力の暴走は起きてる、と思います。

暴走というか、脱線全力疾走?

多分次は暴力描写規制でしょう。グローバル化により産業は空洞化、貧困層が増えるため、犯罪は増加しますが、そういう社会学的発想はなくて、そいつが漫画のせいになる。子供に悪影響を与えたから、犯罪者に育ったと。

見当違いの手を打って何もよくならず、その次どこへ行くかは分からない。

怖くないですか?

漫画ごときで大げさなと思うのでしたら、尖閣衝突ビデオとか、ウィキリークスの報道はどうでしょう。政府の機密を暴くことに対して、国内と海外のメディアの温度差は、結構ありますよ?

マスメディアが権力べったりで監視できないなら、何か他の物がブレーキをかけるしかない。

旧来マスメディアに対してネットが新たなメディアになるというのなら、立ち上がるのは今です。手遅れにならないうちに。

ネットで反対運動が広まって、この流れを食い止められたらいいなあと思います。

○ 今週の絵

世の中に文句言いながら、漫画は進める。

キャラのペン入れは終了ー。

Spring8_17

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日記・つぶやき2010」カテゴリの記事

コメント

難しい問題ですょね。

意見は星の数ほどですね。

私の絵描き友達は「売れる」とゆーだけで、絵柄を萌え系に強引に変えて、えっちするだくの話で荒稼ぎした知り合いに「悔しければ、同じ事すりゃいいじゃん」的に言われ、でも友達は『描きたいもの描く。言いたい事を伝えるために描く。』を曲げずに、貧乏なりに頑張ってたから。
その嘲笑った奴らが、どー出るかが楽しみだ、との事ですが。

あと面白い意見では、そんな規制しないで性犯罪を犯した奴の影響受けたと思われるマンガとそのマンガ家も罰を受ける規制にすりゃいいじゃん、とか。


いずれにしても性犯罪犯した奴や、親御さんの責任転嫁が一番問題でないかという意見も。
マンガの影響の前に、親の教育の仕方が問題なんでないかと。


生みっぱなしの親、多いですからね最近。


とりま、なかなかこの文字制限のある中で語りきれない問題である事は感じてますょ。

投稿: うさ | 2010/12/19 17:57

結局、主観が入っちゃって、エロに対する許容度の違いですぐに暴論が出ちゃうから、客観データがあるならそれに基づいて議論するべきだと思うのです。
これを強く主張したいのです。

投稿: かわせ | 2010/12/21 00:13

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