宇宙船ガリレオ号
この間の仕事の行き帰りで読んだのが、「夏への扉」と「宇宙船ガリレオ号」。
「夏への扉」は以前感想書いたので(ちょこっと追記)、今日は「宇宙船ガリレオ号」の感想を。
○ 宇宙船ガリレオ号 (ロバート・A・ハインライン 訳・山田順子 創元SF文庫)
ロス、アート、モーリーの三人の高校生、物理部ガリレオクラブのメンバーは、町の外れの空き地で、自作ロケットの実験をしていた。実験は順調そうに見えたが、残念ながら失敗。ロケットは爆発してしまう。
その時、立ち入り禁止のはずの実験場に入り込んだ男性が怪我をした。彼はアートのおじさんで、世界的な原子物理学者ドナルド・カーグレーブス博士。博士は三人の腕を見込んで、いっしょにロケットを作り、世界初の月旅行へ行かないかと誘う……。
これは未読で、今回初めて読んだんですけれど、それで強く自覚できたことがあります。僕が何でSF好きになったのか。
この作品はハインライン初の長編。1947年の作品です。もう60年以上前ですから、古典文学と言ってもいいぐらい。
SFはその時の科学的知見を元に書かれるので、当然そういう所はすごく古くなってしまいます。実現した物もあるし、そうならなかった物もあるし、とっくに通り過ぎてる物もあるし。そうすると、その部分を読んでわくわくする未来感というものは、もう失われてしまっている。
でも読んだら、面白かったのです。
子供の時に読んだ作品なら、懐かしさ補正が入っているかもしれませんが、これは初めて。古くなっても関係ない何かに、僕は反応している。
僕はSFに、どきどきわくわくする冒険を求めているのだ、と思い至りました。
子供の時に、見たことない世界で起きる冒険が楽しくて、SFを読むようになったのです。なので、そのままの感覚で、この作品も楽しめました。
初めての月世界行。まだ見ぬ世界。ちらほらと現れる、それを阻止しようとする謎の存在。そしてその意外な正体。
わくわく。三つ子の魂百までも。
好きな物を徹底しようと思ってて、その感覚を確かめるために、ハインラインのジュブナイルのシリーズを読んでみようと思い立ったのですが、最初の作品から有意義な発見があってよかったです(^^)/
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