陰陽ノ京 月風譚 弐 雪逢の狼
仕事場に移動。こっちではもう初雪が降ったそうです。
移動時は読書。こちらはこの間、コミティアの行き帰りで読んだ本。
○陰陽ノ京 月風譚 弐 雪逢の狼 (渡瀬草一郎 メディアワークス文庫)
摂津の地で猿の化け物を退治した安倍清明は、狼の姿をした妖、白山と出会う。白山は二十数年前、京で呪具「雪山鏡」に封じられ、その後、鏡は行方知れずになっていた。
陰陽寮を恨む白山は、京にやって来て、道士の賀茂光榮(かも・みつよし)と対峙する。しかしその影には、暗躍する別の外法師、水魚(すいぎょ)の姿があり……。
あとがきにはっきりと、このシリーズの主人公は光榮だと書いてありました。となると僕が気になっている電撃文庫での主人公、保胤と時継の話はなかなか進みそうにありません。じりじり。
主人公が代わってしまっても、面白さは変わりません。識神として友として外法師の戌彦(いぬひこ)を守っていた白山。単なる退治すべき敵ではなく、力の弱い者をむやみに殺めないなど、とても気高い妖です。
友を守れなかった白山の無念。それにつけ込む水魚。白山の気持ちが分かってしまった光榮はどうするのか。
オチにちょっとしたどんでん返しがあって、その余韻が素敵。
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