今週の雑感記 クラスター
コミティアに行ったのはこの間の日曜だったのに、その後仕事が二つ続いたので、何かすごい昔の事の様な気がします(^^;;)
最近コミティアは、描く人も買う人も増えてきている気配。
売り子しながら、いろいろ考えることがありました。
最近ちょこちょこ書いてますけど、マスメディアの力がじわっと減ってきてると思うんですよね。漫画も雑誌が売れなくなってきている。
これは受け手のニーズが多様化してるのに、メディアの性質上、全部には応えられないということで。
その分のお客さんが、そこから漏れ出している。
漫画の場合、特に日本の漫画は薄利多売のビジネスモデルだから、たくさん売れてくれないと困る。たくさん売れる売れ筋は限られている。じわじわと部数が下がっているから、そこでの一発逆転を狙う、売れ筋に集まる圧力は、どんどん高まっていく。
でも、受け手の方は成長して、どんどん幅広くなっていく。出し手は狭く、受け手は広く。当然こぼれ落ちる。漫画が好きなのに少し物足りない、もっと何かないかな。そういう人が生まれてくる。
僕も含めて、そういう人がこの会場にきてるのかなーと思ったのです。
さて、そこでなんですが。
今、世の中には、細分化、クラスター化する流れがあります。クラスターはぶどう等の房、転じて小さな集まりという意味。ぶどうの木にたくさんの房がぶら下がっているように、世の中のいろんな所に集まりができてる。
単に顔見知りの集まりだけではなくて、同じ趣味、同じ興味を持つ人が、つながりやすくなっている。そういう中で、情報が流通する。例えばツイッターで、自分の興味に関連する人をフォローしていくわけですよ。
そうするとそこから、自分が知りたい情報が自然と流れてくる。僕の場合はサッカーとか、宇宙関係とか、僕がこまめにニュースをチェックしてなくても、誰かがつぶやいて教えてくれる。そういう風につながっていく。
昔ながらの言い方をすれば、類は友を呼ぶということですよね。そしてそれが容易になる世の中であれば。
作家はもう、世間の売れ筋は気にせずに、とにかく好きな物を全力で描く。質を上げることだけ考えて、一生懸命描く。
するとその人が所属するクラスターでは、その好きな物に理解を示してくれる人がちゃんといるはず。類友だから。そして類友つながりでじわりと広まる。
そこに電子書籍がやってきている。製作流通のコストが下がれば、ちっちゃいサイクルでも回る。遊び以上の創作活動にできる可能性は、ぐぐっと上がる。売れ筋以外の漫画が何とかなる可能性も、ぐぐっと上がる。
そういうことも起きるんじゃないかなと。
その時自分の手持ちカードを、どういう風に切っていったらクラスターにかっちりはまるんだろうかと、そんなことも考えていました。
○ 今週の漫画
といっても、見開き2ページのちらしですが。コミティアで配りました。こちら。
次回新刊予告をしてしまっています。やばいよ、描かなきゃ(((・・;;)))
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