シェルクンチク 第47楽章 学校への帰還Ⅰ
前回はいいシーンでしたが、今回はギャグシーン。仕事中に告げたら、いいシーンを紹介するコーナーじゃないんだと、ナベ先生が驚いていました(笑)。
○ ハーメルンのバイオリン弾き シェルクンチク 第47楽章 学校への帰還Ⅰ (渡辺道明ヤングガンガン)
グレートがピロロの口舌の刃によってとどめを刺された場面です。
それも一撃ではなく、これでもかと何度も何度も(笑)。
でもこれは作劇上重要なのです。とどめを刺す姿勢。
もしくは念を押す。
読む人にしっかり印象付けないといけないのです。
ナベ先生の作風は、ギャグとシリアスが入り混じっていますが。
シリアスの後にぽっとギャグが入って、すぐシリアスに戻ってしまうと、それはまるでサッカーにおける巧みなドリブラーの鋭いフェイントのような効果を生みます。こちらにつられて相手の重心が動いた時に逆を取る。右と思えば左。読者はついていけずに置き去りに。
サッカーなら抜きさっていいのですが、漫画はついてきてくれないと困るのです。シリアスなテンションもガス抜きされて圧力が下がってしまうので、全くいいことがありません。
ギャグパートなんだなと分かるぐらい、ギャグをきっちりたっぷりやり切って、お客さんにしっかり堪能してもらう。戻る時も一拍置く。それが大切。
念を押すといえば仕事中、最近念押ししない漫画が多いね、という話題になっていました。
ギャグじゃなくてシリアスなシーン。伏線だったり決めゴマだったり、重要な要素をどう描くか。
さらりと流すと、クールでかっこいい、という雰囲気は作れますが。
実は人間は入ってくる情報を全ては意識しておらず、認識した何割かから文脈を想像しているそうなので、ほんとに見落とされてしまう可能性もあり。
その辺りは考えさせられるところです。難しい。
単行本第5巻、今週8/25発売です。
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