まんがあれこれ ナルミさん愛してる
仕事場にビッグコミックオリジナルの増刊と本誌があって。
そこに山川直人先生の「道草日和」が載っていて、仕事場で話題になったので、単行本を買ってみた。
おもしろいです(^^)/
以前ブログで取り上げたのがこちら。あの時は友達の家で読んで、すごい漫画があるんだなあと感心したのです。
他の単行本と読み比べると、実験漫画的な要素が強い一冊。
やはり職業柄、漫画に関係するような話が心に響きます。また、そういう話が、体験談がにじみ出ているような深いテーマの掘り下げがなされていて、心をえぐるのです。
「カメラの話」。カメラマンと普通の人がカメラを買って、それからどうなるかを対比させながら描いた作品。プロとアマチュアの違いを描いてるんだけど、プロの方がひたすらつらい。真剣に向き合って、人生ささげているだけにどんどんつらくなる。
カメラを漫画に置き換えると、とてもよく分かります(;_;)
「たちくらみ」。最初に読んだ時、これが衝撃的だったのです。
漫画家の先生が心の病で描けなくなってしまう。田舎に帰った辺りから、おかしな幻が見えるようになり、そいつにささやかれて、取り付かれたように漫画を描くようになるんだけど、後から見るとそれが一番描きたかった漫画だった、という話。
描きたい漫画を突き詰めたら、商品にならないこともあるんだという、作家のジレンマを描いた作品。ひとごとじゃないよー(+_+)
こちらの方が読みやすい作品がそろっています。切なさ満載で、仕事中読んだナベ先生が、遠い目をしながら「はあ……」とため息ついてました。
やはりこの本でも、漫画がテーマのものがどうしても心に響きます。
「ひとりあるき」。漫画が縁で出会ったカップルが、漫画が原因で別れる話。
直接の原因は八つ当たりなんだけど、プロの漫画家になった男の方が、漫画が頭から離れないのが根っこにあって。
仕方ないんですよねー。呼吸するのと同じなんだもん。また、そういうふうに漫画と付き合えるのが、まずプロになるために必要な才能だと思うし。なるべくそれで相手に迷惑かけないようにするしか。
まあ僕はかける相手もいませんが(^^;;)
その他短編はちょこっとで、「ナルミさん愛してる」のシリーズがずらっと。
ラストにびっくり。
確かに考えてみたら、元彼に買ってもらったものだし、それもあるかなあと思うんだけど、切ないなあ。
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