GOSICK Ⅱ その罪は名もなき
仕事は佳境ー。
疲れも佳境ー。
○ GOSICK Ⅱ その罪は名もなき (桜庭一樹 富士見ミステリー文庫)
〈"灰色狼の末裔"に告ぐ。近く夏至祭。われらは子孫を歓迎する〉。新聞に載っていた不思議な三行広告。それを見たヴィクトリカは顔色を変え動揺し、その夜こっそり学園を抜け出した。
抜け出す所を見つけついてきた一弥とヴィクトリカは、列車に乗り馬車に乗り、山中の名もなき村へとやってきた。そこはヴィクトリカの母が生まれ、そして追われた村。追われた罪は、村長の殺害……。
名探偵には、素直だけどちょっと頭の回転が鈍い相棒が必要です。
読者の目線になるからです。謎に直面した時、素直に驚いて、それは何? と疑問を呈する役。
ホームズにワトソン、ポワロにヘイスティングス。この作品の一弥君も、設定としては秀才なんだけど、ヴィクトリカには中途半端な秀才とさげすまれ、役どころはそこ。
さらに、名探偵が頭は切れるけど小さな少女であることで、ヒロインを助ける役どころも引き受けていて。心密かに頼り頼られる関係。ヴィクトリカの愛すべき面も引き出しています。
さらにさらに、ラブコメの主人公も鈍くないと駄目なんですけど、そこも兼ねてる。一弥に気持ちを気づいてもらえず、じたばたするアブリルが可愛い。
投手陣の良さを引き出す名捕手のようだなあと思ったのでした。
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