フランサさんと10人のしもべ
フランサさんの退団が発表された。
2005年の途中から、足掛け6シーズン。レイソルに在籍した外国籍選手としては最長だそうだ。
しかしその間、チームにフィットすることはなかった。
2005年シーズンは、来てすぐ怪我しちゃったからそれどころじゃなかったし。
石崎監督の時代も、ネルシーニョ監督になってからも。
基本的には守備からしっかり入る、全員に守備意識を求めるチーム。それにはまったくそぐわなかった。
だって。
フランサさんが出ると、「キング・フランサと10人のしもべたち」になっちゃうんだもの。
いる時といない時では、別のチーム。戦い方が変わっちゃう。
守備はほどほど。前線にきちんと張っていることもしない。一人戦術の縛りから離れて、ピッチ上を漂っている。
でも。
見ていてそれが許せた。
だって本当にキングだったから。
僕らも選手たちも、フランサさんに心酔していたから。
預けたボールに魔法をかける。どんなパスも懐に収めるコントロール。ゆったりと大きなストライドだけど、ボールの置き所がよくて取られないドリブル。時に強く、時に弱く、時間と空間を手中に収めた急所を突くパス。
そして、ストライカーのタイプではなかったので、数字上の得点はそう多くはなかったけれど。
すごいゴールをたくさん生み出した。自ら得点することも、もう決めるだけというパスを送って味方の得点を生み出すこともあった。
技術のすごさもさることながら、チームが本当に苦しい試合であるほど、魔法のゴールが生まれた。
2008年の天皇杯、決勝まで勝ちあがれたのは、フランサさんのおかげだ。決勝だって、遠藤選手がさすがの危機察知でタックルに来なかったら、多分あそこで決勝ゴールを奪ってた。今でもそう信じてる。
2009年、終盤怒涛のゴールラッシュで、最後まで夢を繋いでくれた。二度目のJ2降格も、そんなにつらくなかったのは、終盤の試合を見ていたら、大丈夫、これならちゃんと戻ってこれる、ちょっと寄り道するだけだ、と信じられたからだ。
フランサさんは、魔法の国の王様だった。とびっきりの魔法使い。僕らの心に魔法をかけた。僕らは魔法の国の住人だった。
王様は僕らを愛してくれた。
僕らも王様を愛した。
ありがとうフランサさん。
記憶に残る、あなたのプレーの一つ一つが、僕の宝物です。
本当に、本当に、ありがとう。
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コメント
かわせさん、こんばんは
私達レイソルサポーターにとって、フランサは本当に記憶に残る選手となりましたね
彼が所属していた間のレイソルを応援できて幸せでした
フランサ、本当にありがとう~~!!
投稿: いとちゃん | 2010/07/25 23:17
ほんと、落っこちて上がって、また落ちてと、激動のシーズンが続いてるんですけど、幸せだったなあと思います。
投稿: かわせ | 2010/07/26 02:08