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2010/04/20

輪環の魔導師 闇語りのアルカイン

一コマ漫画を描こうと思っていたけれど、ネームで苦労していて暇なく断念。物語の出だしって、ほんとに難しいですよね。

感想を書いたこちらの本も、新シリーズの出だし。これぐらいすんなりキャラが立てばなあ……。

○ 輪環の魔導師 闇語りのアルカイン (渡瀬草一郎 電撃文庫)

辺境の地ミストハウンドの領主ドリアルド家に仕える見習い薬師のセロ。魔導具によってみんなが魔法を使えるこの世界で、使おうとするとなぜか魔導具ごと壊れてしまって使えないという、不思議な体質をしていた。

そんなセロの元にある日、王立魔導騎士団のハルムバックが現れ、魔導具職人だったセロの祖父の遺品を見せてくれと言う。どうやら何か特別な魔導具を探しているらしいのだが……。

ファンタジーやSFなど、異世界を舞台にする物語は、その世界設定が好きな人には魅力だったりしますが。

同時にそれは、敷居の高さにもなります。

このお話は本格的な異世界ファンタジー。古代の神様の話、魔法と魔導具の関係など、設定がてんこ盛り。

しかも、物語の構成で、重要な設定をほのめかす一文、世界設定を語る一文、あとで出てくる重要な登場人物の伏線と、序盤が結構複雑なので。

難しくて理解できないってことではないんだけど、SFっ子ではあるけれどファンタジーっ子ではない僕は、その敷居の高さに、どこか気持ちが入り込めずにいたのです。

ところが、途中に出てきた神様たちの名前が。

豊穣の女神アラクナとか、鍛冶の神ルールーブとか。

おや?

パラサイトムーンと同じ?

もしかしてつながってる?

入り込めないのは気持ちの問題だったので、これで「分かった!」という気分になって解決。些細なことなんだけど、分かったような気分にさせるのは重要ですね。

さて入ってしまえばこの物語のよさが存分に楽しめます。

素直で優しいセロ、ちょっといけないお姉さんなフィノ、黒猫の姿だけれど優秀な魔導師アルカイン。キャラクターが魅力的。

キャラ立てするとき口癖をつけるというのは定番のテクニックなんですけど、アルカインは三択にするのが口癖です。

悪者たちに最後通告するときの非情な三択が、びしっと決まっててかっこいい。決めぜりふも重要ですねー。

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