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2010/04/03

まんがあれこれ ネームの妙

仕事中です。

前回は大変だったけれど、今回はそれほどでも。

○ ハーメルンのバイオリン弾き シェルクンチク 第40楽章 妖精たちの前夜祭Ⅲ (渡辺道明 ヤングガンガン)

この回は大変でした。

妖精たちはいる、兵隊さんはいる、戦車は壊れる。そしてクラーリィの新技。あれが結構地味に手間かかる。

仕上げの作業はかかる時間が大体分かっている。すると一日遅れてるぞと。取り戻すために睡眠時間を削ったのが、寝込んだ原因の一つと思われ。

もう年だし、無理きかないのです(^^;;)

今回、クラーリィの本音がぼろっと漏れています。

ギャグ描きたいなあと言っていたナベ先生ですが、話の役割上、ずーっと真面目だったんですよね。

話の展開上死蔵しそうなアイディアは結構あって、楽しそうなのにもったいないなあと思いながらいつも聞いてます。

さてさて、現在僕の次の企画は、ネームに突入。

というわけで、今週、ネーム運びに感心した漫画二つ。

○ 最強!都立あおい坂高校野球部 第248球 ゲームセット! (田中モトユキ 週刊少年サンデー)

運命の一打はライトへ抜けるかという痛烈な打球。一二塁間深い位置でボールに追いついた右京、身体を一回転して、一塁カバーのキタローへ。アウトならあおい坂、セーフなら静浜が優勝。

この回のネームの盛り上げ方、見開きの使い方、コマの強弱。すばらしい。

こういうネーム切りたいな。

○ 築地魚河岸三代目 29 (作・九和かずと 画・はしもとみつお 小学館)

この間の二つ目のエピソード、みんなのサクラエビ。以前にも出てきた父子家庭の白瀬さん一家。つい考えすぎて突っ走ってしまうお父さんが再婚か、という話。

その再婚相手の平井春香さん。地味ーなデザインなのですが。

「じゃあもうちゅーしたんか?」と興味津々の息子、裕一くんの口を抑えて、「め! 子供は大人の世界に口出ししないの!!」とか、かわいいなと。

絵面でかわいい女の子じゃなくて、セリフやしぐさでかわいいと感じさせる、ネームの妙。

こういうことができないと。

ネームの技術というのは、素人だった時には全く見えてなくて、ただ読んで楽しいなーだったんですけど。

修行を始めてみると、頭の中では面白かった話が、ネーム運び一つで全く印象が変わり、宝石にもゴミにもなるという難しさ。

ある種職人的技能だと思います。ほんとに目立たないんだけど。

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コメント

>ハーメルン
(コミックス派にとってはネタバレコメントです)
久しぶりにヤングガンガン読めました(いやホント、家の周りの本屋、コンビニに一冊たりとも置いてなかったもので)。
・・・そして、衝撃!

>ハーモニー
今までの話の流れから、そうなんじゃないかとは思ってました。・・・でも、でも、そうじゃないと信じたかった!何らかの措置は受けているとしても、別の方法であってくれれば、と思ってました。
・・・『ハーメルン』はやっぱり甘くないです。
それにしても、思春期の少女の無邪気な夢の末路が、これだなんて・・・。惨い・・・・。
そして、遠くない未来にこの事を知るシェルの心情を想うと・・・本当に胸が潰れる思いです。

それにしても、今回のこの展開は、明らかに読者が事前にコミックス4巻を読んでいる事を前提にしてますよね。(クラーリィのギャグパートとかもそうでしたし)
読者にもう一度ハーモニー(とシェル)に感情移入させたところで、ズドーンと奈落に突き落とす。
上手い、上手いですよ、渡辺先生!!
(そして、ここにしっかり感情移入している読者が存在する辺り、作戦は大成功ですよ!)

とにかく、フルートの言う通り、このままじゃハーモニーと、そしてシェルが、あまりに可哀想過ぎます。
以前、ハーメルンの回顧録で、「渡辺先生が暗い話を描くのは、ハッピーエンドを際立たせるため」とあったので、ここは、切に、二人の未来に救いがもたらされる事を、心から信じて祈りたいです。


>クラーリィ
こちらは、心底「ほっ」としました。
『シェルクンチク』になってから、ずっと張り詰めながら働いているシーンしかでてこなかったクラーリィ。
夜は徹夜して書類と格闘し、昼は村の焼却なんて汚れ仕事までこなし(一国の実質的指導者なのに)、本当はそんな奴じゃないのに「冷徹、非情」な顔の仮面を被り続け、更にそれらによって生じる苦労まで『若返りの魔法』で覆い隠して(これは自分の勝手な想像ですが)・・・。
本当、そろそろ過労死してしまうんじゃないか、とずっと心配して見てました。
それだけに、今回、フルートに優しい言葉をかけてもらって、ハーメルとアホなケンカして・・・。古い仲間とのひと時が、クラーリィにとって確実に救いになっているのを見て、心底一安心です。

哀しい事ですが、世の中、現実でも、クラーリィのような人間がいないと回っていきません。クラーリィはそれを知っているから、冷酷な指導者としてこれからも戦い続けるのでしょう(だから、「自分は女王の慈悲には値しない」なんて思っちゃうのでしょう)。
そして、自分的には、多分作中時間で遠くない未来(20年後くらい)、クラーリィは全ての生命力をスフォルツェンドのために削り尽くし、真っ白に燃え尽きるようにしてその人生を終えるのかな、と思っています。
それは悲しいことですが、でも、そんなクラーリィが最後の最後で、フルートへの淡い想いやハーメルとのくだらないケンカを思い出し、「俺の人生、悪くなかったな・・」と思えるようならばいいな、と思っています。

本当、本音で喧嘩できるハーメルのような友達って、一国をしょって立つクラーリィにとっては貴重ですよね。
二人が仲良く喧嘩(?)している限り、クラーリィはまだ頑張れるのでしょうね。

投稿: ごぜん | 2010/04/06 20:48

>上手い、上手いですよ、渡辺先生!!
ありがとうございます。ナベ先生喜ぶと思います。
 
ハーモニーはどうなるんでしょうねえ。作中でも運命に翻弄されていますが、制作現場でもいろいろ紆余曲折があり。ナベ先生と話してて、先の展開予定は知ってるのですが、予断を許しません。

投稿: かわせ | 2010/04/08 13:52

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