パラサイトムーン Ⅳ 甲院夜話
仕事大忙し中です。
○ パラサイトムーン Ⅳ 甲院夜話 (渡瀬草一郎 電撃文庫)
東都まごころファイナンスはファイナンスとは名ばかり、神群の狩り出しを行う実戦部隊のダミー会社。その社長華々瀬清元が、先の神群「黄昏の墓守レブルバハト」狩り出しの際に死亡したため、経営陣を一新することになった。
乾真砂(いぬい・まさご)はそこの社員だったが、部隊の縮小によりリストラとなり、新しい仕事先を紹介される。そこには、幼い頃同じ実験室で育った異能者、碑文谷由姫(ひもんや・ゆき)がいて……。
東都まごころファイナンスは一巻から出ていて、悪役側でした。しかし今回はそこの元社員が主人公。
特殊能力を持った異能者たちは、キャラバンという組織に属しているのですが、そこは一枚岩ではなくて、派閥間でお互いいがみ合っているという設定。なので、同じ会社にいい人もいれば悪い人もいる、さらに言えば立場が違うだけで、この間は悪役側だったキャラクターが、今回は味方になったり。
そういうややこしい状態で、でもすんなり主人公を立てられるのは、ツボを押さえているから。
こうふるまうとベビーフェイスになる、こうふるまうとヒールになる。これをしっかり押さえておけば、試合に応じて立ち居地を変えられる……というのはプロレスですけれども(笑)、でも物語でもそういう部分があって。
そこがしっかりしていると、安心して読めるんですよねー。
真砂もクールな感じですいっと出てきて、すんなりベビーフェイスに。同じ実験室の子供たちの間で交わした約束、「仲間を裏切らない。誰かが危なくなったら、それを助けられる誰かが助ける」という約束を律儀に守るいいやつです。好感度大。
そうして安心して読んでいたら、最後びっくり続編でした。進みが少し遅いなと思ってたら。
急いで次を読まねばー。
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