陰陽ノ京 巻の四
ネームの合間にケッタ君の一コマ漫画を描いているんだけど、HDD不調のパソコン君を立ち上げるのが怖い……。
というわけで今日はとりあえず読書感想文。
○ 陰陽ノ京 巻の四 (渡瀬草一郎 電撃文庫)
陰陽寮の道士、賀茂光榮(かも・みつよし)は、ある夜、池に沈んだ少女の死体を見つける。老いた父の世話をしなければとこの世に未練を残すその少女、蓮(れん)のために、光榮はその池に咲くハスの命を借りて彼女を式とする。
しかし蓮の語った未練は全てではなかった。生まれた頃から世話してくれた、やはり陰陽寮の道士、清良(きよら)に対する、幼いながらも真剣な恋心……。
最初のページで出てきた時からもう死んじゃっている、蓮がかわいそうで、もう……。
いつもにまして、術を使ったりのアクションがない展開ですが、渡瀬先生は心情を積み重ねていくのが得意なので、もうどうなっちゃうんだろうかとハラハラします。
何しろ悪い人が一人もいません。死んでしまった霊は、成仏できないといつしか正常な意識をなくして人に害をなす。蓮が成仏できないなら払わなくちゃいけない。でも、蓮の未練もよく分かるので、何とかしてあげたい。
どちらに転んでも悲劇です。そしてだんだん選択の余地がなくなっていきます。で……。
見事な構成。そして情緒感たっぷり。泣けた。面白かった。
さらに最後にちょっといいオチがあって、大満足。
時継の家、伯家の謎が少し解けたけれど、これがつながっていくのでしょうか。
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