陰陽ノ京 巻の五
いろいろこなしてお疲れ様な本日。
フットサル三時間とか、もう若くないんだから、と運動した後で、期限が迫っていこの本返しに図書館へ。いつもの道のりが遠かったなあ(笑)。
○ 陰陽ノ京 巻の五 (渡瀬草一郎 電撃文庫)
山中の野盗の集落で、行きずりの老道士が倒れ亡くなった。何か金目の物を持ってはいないかと探ってみると、封印された不思議な竹筒を持っていた。そこから立ち上る黒い煙に、集落は包まれる。
しばらくして、都で不思議な盗難事件が起きた。盗みに入られたのは下級官吏の家。屋根も壁もきれいに吹き飛ばされて、どうやら天狗の仕業らしいのだが……。
いつもどおり、気持ちを丁寧に描いていて、それが作品の雰囲気の中に上手く溶け込んでおり、読後感がとてもよく。
ラストシーンがいいんですよねー。
このシリーズは各巻の話の本筋とは別に、じっくりじわじわな展開があるのですが。前の巻のちょっとしたエピソードが次の巻では本筋にからんでいたりして、それが時間かけてる分味がしみているといいますか、またいい感じ。
さあ、この巻でも引っ張ったままの時継子作り問題は、いつか決着するのかなー。
あとがきにこんな一文が。
「地味であっても滋味のあるお話を」、そんな想いを込めて書いています。ライトノベルとして考えると、実は異端児かもしれません。
そしたら次の巻が電撃文庫ではなくメディアワークス文庫から出たわけですけれど。
世間のなんとなくのコンセンサスによって作られたジャンルの枠に、作品は収まるべきか、というのは僕も考えさせられるところなのです。
枠は常に壊さなくては発展はないと思いつつ、でもイメージできちゃってるせいで、本来読んでほしい読者が手に取ってくれないという事態もあるからなあとも思い。
難しいところですよねえ。
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