パラサイトムーン 風見鶏の巣
渡瀬先生のシリーズを、さらにもう一冊。
○ パラサイトムーン 風見鶏の巣 (渡瀬草一郎 電撃文庫)
希崎心弥(きざき・しんや)は高校生。人の感情がその人に纏いつく色として見えるという、不思議な力を持っていた。
心弥は夏休み、幼馴染の露草弓(つゆくさ・ゆみ)の里帰りに付き合って、南海の離島、徒帰島へ向かう。その島には「波谷様」と呼ばれる神様が祭られていて……。
世の中には「迷宮神群」と呼ばれる神々がいて、その影響によって人は不思議な力を持つのだ、というお話。SFも混じったかなり壮大な設定。何で「パラサイトムーン」というタイトルなのかなと思ってたら、本筋とは違う所で裏設定が。ちょっとびっくり。
「陰陽の京」がデビュー作で、これがその次の作品。キャラクターの出方といいイラストといい、ライトノベルであることを意識したのかなーと思わせます。
例えばキャラクターの出方。ヒロインの弓が登場するシーン。主人公の家にピッキングして押し入ろうとする、不思議ちゃんのパターン。ご近所の目を気にせず、マイペース。
正直、渡瀬先生は主題に対して真面目に丁寧に突っ込んでいくので、このノリはちょっと似合わないなと、読んだ瞬間不安になったのですが。
でもこの後は繊細な心の動きを見せる女の子になります。そういう部分が好きなので、そこからは安心して楽しめました。キャラ設計というよりは、インパクト持たせようとしたのでしょうか。
ライトノベルっぽさを意識したのかなと思ったのは、イラストも。「陰陽の京」は漫画家の田島昭宇先生が、雰囲気たっぷりのリアルタッチの絵で描いてましたが、こちらはいわゆるアニメ絵です。
アニメ絵って言葉も、イメージはできてるけど実際にアニメはそういう絵柄ばかりじゃないよという、不思議な言葉ですよねー。
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