日記・つぶやき2009

2009/12/31

2009年のかわせひろし

年頭のご挨拶に今年の目標を書きました。

2勝2敗です。

プリンセス・プラスティックの挿絵は何とか全う、遠回り大作戦もちょっとした結果を出しました。

しかし「ケッタ・ゴール!」を進めるという目標は惨敗、「Spring8」も止まったままです(+_+) うーむ。来年に持ち越し……。

さて、僕個人に関わる今年一番の重大事件としては、ブンブンの休刊が挙げられます。

「ケッタ・ゴール!」が終わったあと、次の連載企画がうまく行かなかった時、このままだとまずいぞ、と思ったんですよね。

編集部がアンケート結果を、僕が思ってた以上に重視しているんだと実感したので、早めに結果が出やすいスタイルの漫画を描かなきゃ、と苦心してたんですが。

上手くいかない。

結局、苦手な物描いて編集会議はごまかしたとしても、その先がないよなあと感じたのです。そのスタイルに天賦の才がある、本物の人には勝てないしね。

なので、先を考えたらここで苦労した方がいいと考えて。

「ケッタ・ゴール!」のような子供っぽいノリの話は好きなんだと気付いたので、それを続けたい。でも児童漫画では、伏線がっちり張ったエピソードのスパンが長いスタイルは難しい。であれば、児童小説ならどうだと、遠回りすることにしたんですけど。

しといてよかった。

ネームを通すだけなら、がんばれば不可能じゃなかったと思うんですが、もし通して連載のチャンスを得たとしても、また途中で終わってた。

三年ほど早く遠回りルートに乗った結果、一応前進してるのだというささやかな成果を今年得たわけです。今からだったら、途方にくれてるよ……(-_-;;)

あとはささやかじゃない成果に早くたどり着きたいですねー。がんばろう。

漫画の方では。

正直ここ何年か、ずっと迷ってたのです。

僕の速度ではイラスト仕事をしつつもう一本漫画の連載するのはそもそも無理だったので、問題にはなってなかったけど、迷いはずっとあった。

これをしなきゃ載らないんだ、ここを直さなきゃだめだ、という部分がどんどん明確になっていくのに。

業界どんどん沈んでいることも明確になっていくじゃないですか。

そっちに向かって大丈夫なのか? 一番好きな部分を封印しなきゃいけないかもしれないのに、それをやる価値はあるのか? と。

そういう迷いがあるので、関連するニュースをあさって、方向見定めようとしてたんですけど。

ここ一ヶ月ぐらいで、急にその迷いが晴れてきた。

なんとなく視界が開けてきて、あっちに行こう、あっちに行きたいというモチベーションが湧いてきたのです。

具体的には、子供向けではないやつでやってみたい事を思いついたので、それを来年試そうと思います。

仕事としては派手な成果はなかったけれど、精神的に最後はすっきり上向きになって、よい一年でした。

それでは皆様よいお年を。

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2009/12/25

今週の雑感記 誰でも読めることの是非

僕には、みんなに分からない物を描くのは恥ずかしい、という感覚があります。

誰でも読めるように描くのがプロでしょう? という感覚。

で、この間手伝い先の仕事場で話していたんですけど、どうもこの感覚は世代によって違うみたいなのです。

僕と同じ年か、上の人にはこのことを話すと共感してもらえる場合が多いようなんですが、下の人に話すと、はて? という顔をされる。

例えばパロディ入れちゃうと元ネタ分かんない人はさっぱり楽しめないし、説明省いちゃうと詳しくない人はついて来れない。僕にはそういうシーンは、すごい取り扱い注意なのですが。

分かる人だけ分かればいいんでは? という人が、年齢が下がるほど増える感じ。

考えてみたら、これには幼少期の刷り込みがありそうです。

僕が子供の頃にはいわゆるメジャー誌がほとんどだった。売れる雑誌、売れない雑誌はあったけど、描き方としては同じ。漫画好きな人向けなマイナー誌が出始めたのは、ちょっと大きくなってから。

漫画好きな人向けになると、当然知ってるはずだからパロディありになるし、漫画慣れしてるから逐一説明入れなくてもいいし。

僕にはそういう漫画は今まで見たことない特殊な漫画だったから、その手法も特殊だという認識なんだけど。

子供の時からそういう漫画があって、そういうのを普通に読んでれば、特別だという感覚もないだろうなと。

そういうところで世代ギャップが生まれているような気がします。

僕も頭では了解しています。読んでる人が楽しければいいわけだから、硬く考える必要はなくて。

実際最近ではメジャー少年週刊誌でも、誰にでも分かる初心者に親切な描き方ばかりではなくなっています。

例えば今週の週刊少年マガジン「あひるの空」で。

Ahiru1

Ahiru2

Ahiru3

シュートを決めるかっこいいシーン。上手いなーと思うのですが、赤で囲った所。

次のページで相手チームの監督が説明しています。

「フェイクはあったよ。ヒザをね、ちょっとだけ外に振ったんだ。あれでDFからシュートという選択肢が外された。おそらく太郎じゃなきゃ引っかからんかったろう」

「あひるの空」は好きで毎週読んでます。

ただ、通向けのバスケ漫画だなーと思うんですよね。僕はサッカー、野球は子供の頃からやったり見たりしていてわりと詳しい方だと思うのですが、バスケ知識は体育止まり。

すると、読んでてたまに何が起きたのか分からなくて、置いてかれちゃう時がある。ここもそうで、後になって、ああ、と。

じゃあ、これを初心者向けにする場合。

ページがずれちゃうんだけど、まずもっと大きな絵にして。

ひざの動きに擬音をつけてベタフラか何かをして、今重要な事が起きましたよ、というアピールをして。

太郎君の心の内のセリフとして、「カットイン? シュートない!」みたいな引っかかりましたよーという説明台詞をつけちゃう。

多分他のコマもそれに合わせたリズムになるとして。すると誰にでも分かりやすくなると思うのですが。

反面。さりげなくフェイクを入れたよ、というかっこよさはなくなっちゃう。虚を突くリアルなリズム感も。

そこは通にはしびれる所ですよね。なくなると困る。

バスケはよく分かんないけど、サッカーだと、この間TVで川崎Fの中村憲剛選手が、周りを走る味方をおとりに使ってさりげなくスルーパスを通す場面を見て、かっこいいーと思ってた自分がいるわけですよ。

刷り込みがあるせいで、分かりやすく描きたい衝動がある。対して、通なシーンがかっこいいと思う自分もいる。

どっちが正しいという簡単な問題じゃなくて、雑誌の傾向とか読者層とか、誰に向かって描きたいかとか、そういう事をいろいろ考えながら表現を絞り込んでいかなきゃいけない。

漫画ってやっぱり大変だよなーと改めて痛感するこのごろなのです。

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2009/12/17

ツイッターを始めてみました

ツイッターを始めてみました。

ご存じない方に説明しますと、ミニブログと呼ばれるサービスの一つです。140字までの短いメッセージを投稿するもので、フォローしたりされたり、緩くコミュニケーションが取れるのが特徴……。

……みたいです。僕も始めたばっかなので、よく分かってません(^^;;)

流行っているらしいという事は知っていたのですが、ブログやっててさらになんかするのもなあと思い、様子見だったのです。ところがツイッターをブログに表示できることを知り。

使い道を思いつきました。

このブログは気がつけば一日一エントリーという型が出来ているのですが、記事のほとんどが投稿予約で決まった時間に上げられています。サッカー記事はたいていその日に書いたものですが、他の記事はひまな時に書き溜めていたりします。

例えば昨日の新加入の記事は、レイソルHPの発表を見て、「レアンドロ・ドミンゲスってどんな選手?」と調べてから急いで書きましたが、一昨日のNO.6の感想はだいぶ前に書いた物。冒頭二段落だけその日に書き足しました。

忙しいのが分かっている締め切り前には、何日分も投稿予約してる時も。そんな時ふと思うのが、ここで僕が倒れても、あたかも僕は元気かのようにブログは更新されるんだよなーということ。

なんか都会の孤独って感じで寂しいではありませんか。

そこでツイッターが。

家族友人への近況報告に使える。

忙しくても、メールチェックするついでに「疲れた。眠い」とでもつぶやいておけば、ああ、生きてるんだなと(笑)。

サイドバーの上の方に表示されています。他にはたぶんメモ代わりに使ったりとか?

おいおい研究してみようと思います。

とりあえず明日からさっそく忙しいので、生存報告に活用予定(笑)。

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2009/12/12

今週の雑感記 日本に希望を

仕事から帰還ー。

さあ今日はプロレスでも見てごろごろするかーと思ったら、録画に失敗していてへこむ。

仕方ない、ネットでニュースでもチェックするかと思ったら、大津君負傷U-20代表辞退でまたへこむ。

もうふて寝しようかな……。

○ 子供の本で思ったこと

休刊:学研「学習」と「科学」…時代のニーズに合わず

学研ホールディングスは3日、小学生向けに学年別で刊行してきた「学習」と「科学」を休刊すると発表した。それぞれ63年、52年の歴史を誇る学習雑誌で、1979年のピーク時には両誌合わせた部数が670万部を記録。だが、少子化などの影響で最近は「その10分の1以下」(同社広報室)まで低迷していたという。「学習」は12月発売の冬号、「科学」は来年2月発売の3月号が最後となる。

創刊は「学習」が1946年、「科学」は57年(当時は「たのしい科学」)。毎月1回発行し、60年代はカブトエビの飼育セットや顕微鏡、カメラなどを付録にして人気を集め、70年代は女性訪問販売員を活用して部数を伸ばした。しかし、その後は下降線をたどり、「学習」の発行は2006年から年4回となっていた。

同社広報室は休刊について「少子化や子どもたちの価値観の多様化などのため、時代のニーズに合わなくなった」と説明。今後は「科学」から生まれた「大人の科学マガジン」や子ども向けの「実験キットシリーズ」などに力を入れるとともに、小学生向けの新たな雑誌の創刊を検討するという。【佐々本浩材】

毎日新聞09/12/3

自分が子供向け漫画を描くようになって。

もう何十年も足を向けていなかった、子供の本のコーナーを覗いた時の感想。

ずいぶんラインナップが変わったような……。

正確に言うと、取り扱っている題材の種類が減った。僕が子供の時分には、もっといろいろあったと思うのです。

やはり少子化が原因かなあ。

僕は団塊ジュニアの世代なので、子供がわんさかいた。そうすると、出版社もちょっと変わった本でも出しやすい。本屋さんも売りやすい。

でも今は、その時に比べれば子供の数が半分に。採算ラインを維持できるのは、手堅く売れる定番物という事になってしまうのでしょう。

そして、この間の小学五年生、六年生の休刊といい、今回のこのニュースといい、雑誌を維持するのも大変になっていく。

少子化怖いなあ。もっと真剣に取り組んでほしいなあ。

移民を受け入れればいいと言ってる人がいるけど、労働力はそれで解決できても、日本語の本読んでくれないなら僕には解決策にならないんだよねえ。

○ スパコンその後

総合科学技術会議:スパコンなどの「優先度」を報告

国の総合科学技術会議(議長・鳩山由紀夫首相)が9日、首相官邸で開かれた。有識者議員から「日本では若手や外国人の研究者の雇用環境が厳しい」と指摘され、鳩山首相は「予算に反映できるよう努力する」と述べた。

一方、会議では次世代スーパーコンピューター事業を「推進」などとした10年度科学技術関連予算の「優先度判定」の結果を報告。行政刷新会議の「事業仕分け」ではスパコンは縮減とされるなど判断が異なった点について、菅直人副総理兼国家戦略担当相(科学技術担当)は会見で、「行政刷新会議の結論に加え、総合科学技術会議の結論を勘案し、総合的に政治判断される」と語った。【奥野敦史】

毎日新聞 東京朝刊 09/12/10

スパコンは何とかなるのでしょうか。

若手研究者の厳しい雇用環境は、以前ドキュメンタリーで見た記憶。

せっかく頭いい人がしっかり勉強したのに、その能力が発揮できないのでは社会的に大損。これも何とかした方がいいと思われます。

ドーピングみたいなばら撒きは勘弁だけど、未来にいい循環を作るための予算はつけてほしいですねー。人は希望があればがんばれる。日本に希望を。

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2009/12/04

今週の雑感記 ツイッター課金

シーズン終盤のつらい恒例行事。

契約満了選手のお知らせがやってまいりました。

悲しいですね……。

感想はいろいろぐるぐるしちゃってるから、考えまとめて明日。

本日の記事はニュースからこちら。

○ ツイッター課金

つぶやきを有料コンテンツに――Twitterに課金システム、来年1月から

日本でTwitterを運営するDGモバイルが、Twitter向けに課金プラットフォームを用意していることを明らかにした。2010年1月からの提供を予定している。

11月25日、mobidec2009で講演を行ったDGモバイル取締役COOの杉建一氏が、Twitterのビジネスモデルに言及。2010年1月にも、Twitter向けに課金プラットフォームを提供する予定であることを明らかにした。

サービスとしては「有料つぶやきサービス」と「コンテンツ課金」を提供する予定。有料つぶやきサービスは、ユーザーが既存のアカウントを月額課金方式にできるようにするもので、課金方式は100円~1000円の月額課金と100円~1000円の個別課金から選べる。

コンテンツ課金は、Twitterを通じて情報やコンテンツを販売するための仕組みを提供するもの。月額課金に対応し、手数料は30%を予定している。決済についてはキャリア課金やクレジット、コンビニ決済などを使えるようにする予定だ。

杉氏は課金システムを用意することになった背景について「コンテンツプロバイダは、(無料でコンテンツを入手できる)インターネットが普及するとじり貧になってくる。ブログで出した情報に、ダイレクトに課金できないかというニーズは非常に高い」と説明。それに応える形で課金システムを用意したという。

なお、有料化に適したコンテンツについては、(1)タレントやアーティストのリアルタイムな情報を配信するサービス(2)ニュースや教育コンテンツ(3)写真・動画・画像・音声 などを挙げ、幅広い分野で利用できるとしている。

ITmediaプロモバ09/11/25

「ブログで出した情報に、ダイレクトに課金できないかというニーズは非常に高い」

そうそう。それがあれば、何か始めようとするとき、ラクチン。

ツイッターがプラットフォームになって、ハードル下がるのかな。

漫画の場合、作るのは作家一人いれば何とかなるわけで、あとはとにかくコンテンツ流通のコスト。そこがすんごい下がればいいのに、と思っているので、こういうニュースには期待しますねー。

僕は最近ここで、スモールビジネスな漫画についてよく語ってますけれど。

この出版不況で出版社がどんどん潰れていって、漫画全部がそうなると考えているわけではないのです。

ただ、どうしても絞り込みはあるよなあと感じていて。

そこからもれる漫画が救われるといいなあと思ってるんですよね。早く来い、そういう時代。

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2009/11/27

今週の雑感記 続・事業仕分け

仕事終了ー。

ナベ先生にステーキハウスに連れてってもらい、超特大500gステーキを食す。めっちゃ美味。

そしてあまりのボリュームに、十時間ほど、お腹がすかなかったのでした(笑)。

○ 続・事業仕分け

先週に引き続き。

スパコン凍結せず 菅戦略相「仕分け見直し」

菅直人副総理・国家戦略相は22日のNHK番組で、政府の行政刷新会議の「事業仕分け」で次世代スーパーコンピューター技術の開発事業が事実上の凍結とされたことについて「科学技術については当然(仕分け結果を)見直すことになる」と述べた。今後、スパコン事業を含め凍結・削減と判定された科学技術分野の来年度予算の概算要求の一部が、維持される可能性が高くなった。

自身も出席する行刷会議の会合や予算編成過程で、事業仕分けの結果について「全部もう1回政治のプロセスにかける」と強調した。見直し対象については「スパコンだけをプロセスにかけるわけではない」と語り、具体的に言及しなかった。

スパコン事業は事業仕分けで「限りなく予算計上見送りに近い削減」と判定され、研究者らから日本の国際競争力の低下を懸念する声があがっていた。仕分けを統括する民主党の枝野幸男元政調会長は同日のテレビ朝日番組で「文部科学省からはスパコンが必要という説明がなかった」と、経緯を説明した。

NIKKEI NET09/11/23

「二位じゃだめなんですか」に衝撃を受けた事業仕分け。日本最高のスパコン「地球シュミレーター」が、すでに他のスパコンにかなり抜かれていることは知っていたのですが、なんと31位なんだそうで。アメリカがトップ10のうち八つを占め、4位ドイツ、5位中国、韓国が14位。

二位どころじゃないよ!

この問題に対しては本当に腹立ってるんで、突っ込んでいいですか。

>「文部科学省からはスパコンが必要という説明がなかった」

発言に上からかぶせてさえぎってたよな?

ちょっと叩かれた途端に人のせいにするな。知らねえなら謙虚に人の話を最後まで聞け。

そもそも予習して来い。

こんな人達に日本の未来を托していいものか。

スパコン復活するかもしれないけど、他もばっさばっさ切られてるんだよなあ。

<事業仕分け>ノーベル賞の野依氏、科学技術予算削減を批判

文部科学省の政策会議が勉強会として設置した「先端科学調査会」に25日、ノーベル化学賞受賞者の野依良治・理化学研究所理事長が出席した。野依理事長は政府の事業仕分けで科学技術関連事業の予算削減が相次いでいることに「科学技術は日本が国際競争を生きるすべであり、国際協調の柱だ。これを削減するのは不見識だ」と強く批判した。

野依理事長は、先進国と比べて格段に少ない科学技術関連予算や、米国で博士号を取る人が中国の20分の1、韓国の6分の1しかいない現状などを説明し、「10年後、各国に巨大な科学国際人脈ができ、そこからリーダーが生まれる。日本は取り残される可能性がある」と指摘。「(事業仕分けは)誇りを持って未来の国際社会で日本が生きていくという観点を持っているのか。将来、歴史の法廷に立つ覚悟でやっているのかと問いたい」と疑問を呈した。【奥野敦史】

毎日新聞09/11/25

ほんとだよ。

ディベートはテクニックで勝てても、未来はごまかせない。

ちなみに、日本の科学技術関連予算が先進国の中では格段に少ないという、ずーっと言われている問題もちゃんとわかって仕分けてんのか、疑問なのです。ホントに心配。

○ 仕事場で

仕事場でもナベ先生とこの話題に。

その際、基礎研究が始まってから百年、二百年経つとどういう事が起きるのか、具体例として身の回りには電子部品の入ってる機械がたくさんあるけれど、遡っていくとここまで行くんですよ、と説明。先週の雑感記に書いたやつ。さらにキュリー夫人も出てきます。

科学の話を分かりやすく面白く伝えて、世間の常識とする仕事が必要な気がします。

とりあえず僕は、分かりやすく楽しくSFを描いて、子供が科学に好感を持ってくれるような仕事が出来たらいいなーと思うのです。がんばろ。

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2009/11/20

今週の雑感記 事業仕分け

急速に寒くなりました。

そしたらバイクのバッテリーが上がりました(嘆)。

月曜火曜と自由時間を使って、企画進行。でも水曜から仕事。タイムアップ。

中途半端なところで作業中断。なんかむずむずします。

ナベ先生のうちでインフルエンザが流行っているらしいです。

仕事に行かないわけにはいかないし、ピンチ?

○ 明日へ

高校サッカーのテーマソング。PVに磐田の中山選手。

やっぱり世間のサッカー選手のイメージは、いまだゴンカズなんでしょうか。

中山選手磐田を退団。現役続行を希望。来年はどこへ。

燃え尽きるまでとことんやろうとする選手は応援したくなります。がんばれー!

○ 特報首都圏 ~"思い"を仕事にする根づくかソーシャルビジネス~

先週金曜放送。

ソーシャルビジネスとは、社会に役立つ仕事を、ボランティアではなくビジネスとしてやろうという取り組みです。ちゃんとビジネスにすれば、規模を大きくできるから。

金儲けが目的ではなく、目的を達成するための手段であるというその精神に、共感する物が。こういうビジネスが広まっていくといいですねー。

紹介されている中に、「ときわ荘プロジェクト」というのがありました。都内の高い家賃に悩む漫画家のタマゴに、格安で部屋を貸そうというビジネス。

映った家が練馬区です。近い?

20年早くやっててくれれば、入れたのにー(笑)。

○ 事業仕分け

これも先週金曜日、ニュースをつけたらちょうどのタイミングで見た映像。スパコンの予算が削られる。

僕は科学の子なので、当然削減反対なのですが、まあそこはいろいろ意見があるだろうなーとは理解しています。

それより怖かったのは、蓮舫議員の「二番じゃだめなんですか」という発言。

態度もでかいし偉そうだけど、そういう雰囲気出すのに長けてるだけで、分かってないんじゃ……?

コンピューターの最前線から日本は撤退する、という決断ならそれもありかもしれない。競争から降りるという事はそういうこと。

さらに言うと、コンピューターという現代社会を支える便利ツールの一番から降りるという事は、それを使った研究開発も全部遅れるわけだけど。

でも極端な話、ブータンみたいにGDPではなくGNH(国民総幸福量)を重要視するなら、関係ないし。

ブータンまで極端じゃなくてもフィンランドとかね。大国じゃないけど、豊かな生活。

ただあの人、科学音痴で何が起きるのか分かっておらず、そこまでの覚悟、ないんじゃないかな。

基礎研究は重要だが、短視的な人にそれを説明するのは難しい。やってる人も何が起きるのかは予言できないから。アーネスト・ラザフォードは、自分の研究から電子が見つかる所までは想定できても、そこから電子の振る舞いを制御してコンピューターを作り、やがてそれを使った商売が生まれ、果てはgoogleなんてできちゃって社会のありようさえ変えようとしている現代を、はっきりとは想像してなかったろうなと思うのです。

そろそろ実用化して将来巨大市場になりそうな再生医療だって、例えばヒトゲノム解析のようなそれまでのいろいろな基礎研究に支えられている。あれ批判した人は、将来再生医療のお世話になるの禁止(笑)。そう言えば、ゲノム解析もコンピューターの進歩に支えられてるなー。

ロケットも廃止と先端技術に厳しい事業仕分けですが、児童劇は継続。しかも委員は削減要求したのに、議員の一存でひっくり返す。「子供に夢を与える事業は大切にしたい」って、なにそれ。科学は子供に夢を与えないっつーの? 結局、担当議員が好意を持ってるかで決まるのか? 政治主導ってそんなレベル?

科学技術政策っていっつも科学音痴の人に振り回されるから、つらいですね……。めげずにがんばれ。

○ グーグルブックス和解案修正

Googleブック検索の和解案修正 日本など対象外に

米Googleは11月13日、Googleブック検索をめぐる和解案の修正版を裁判所に提出した。対象国を米英などに限定するといった変更を加えている。

この和解案は2008年10月に、書籍を電子化して検索可能にするGoogleブック検索サービスをめぐり、出版社・作家の団体が起こした集団訴訟で提示された。和解案は、Googleの米国の絶版書籍の電子化と商業利用を認めるというもので、独禁法やプライバシーの点で懸念があると指摘する声が上がっていた。また和解が国際条約を通じて他国にも及ぶことから各国が懸念を表明していた。

Googleと出版者側はこうした批判や懸念を受けて和解案を以下のように修正した。主に、和解の及ぶ範囲、権利者の所在が不明の作品(いわゆる孤児作品)の扱いなどが変更されている。

  • 和解の対象となるのは米著作権局に登録されている書籍、または英国、オーストラリア、カナダで出版された書籍のみ
  • 修正版では、Googleが孤児作品を販売できる点は変更していないが、孤児作品による収益の扱いを規定している

    修正版は、Googleが設立する権利管理団体Book Rights Registryに対し、孤児作品の権利者を探すこと、これら作品からの収益を保持しておくことを義務付ける。5年経過後、孤児作品から得られた収益は、 権利者探しの費用として使用することができる。Book Rights Registryの経費に使用したり、ほかの権利者に分配することはできない。10年経過後、同レジストリはこれらの収益を非営利団体や政府機関に提供する許可を裁判所に求めることができる

  • 和解の対象となる書籍(孤児作品も含む)は、Amazonなどほかの書店にも卸売りする。その場合、権利者は売上高の63%を、書店は残る37%の大半を受け取る
  • 電子書籍へのアクセス方法について、修正版ではオンライン経由のアクセスのほか、オンデマンド印刷、ファイルダウンロード、消費者向けサブスクリプションに限るとしている
  • 孤児作品に関して、いわゆる「最恵国条項」を削除した。この条項は、Book Rights RegistryがGoogleよりもいい条件で他社に書籍をライセンスした場合、その条件をGoogleにも適用しなければならないと定めていた

Googleは、「今回の修正により、和解を通じてできるだけ多くの国の書籍を利用できるようにすることがかなわなくなり、残念だ。しかし、世界中のすべての書籍をネットで利用可能にするという使命達成に向けて、各国の権利保持者と引き続き協力していきたい」とコメントしている。

ITmediaNews09/11/16

英語圏に限るになりました。米、英、加、豪は商習慣が似ているんだそうです。

まあさすがに、「やったもん勝ち」とか「アメリカでOKなら世界でOK」的発想は無理がありますよ。

著作権利者に印税63%というのはとても素敵なので、程よく折り合いつけて、上手い具合に世の中に広まってほしいなあと思います。

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2009/11/16

COMITIA90

本日はCOMITIA90でした。

慣れない早起きにあくびをこらえつつ、会場へ。

なんか今回は人口密度が高かったです。

今回あっという間に終わったねと、みんなで言っていたのですが、にぎやかだったので体感時間が短かったのかなと。

ただ、体感時間は短くても、バッチリ疲れております。

イラスト仕事も土曜に終わらせたし、もう今日の残りはごろごろ読書。現在二冊目。

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2009/11/13

今週の雑感記 来てほしい未来

イラストの仕事、PCで仕上げているんだからベタもそっちで塗った方が絶対に速いのに、なぜか自分の手できれいに塗らないと気がすまないのは、僕が古い人間だからでしょうか……。

特に髪の毛のベタは必須。今回は他のもぺたぺたと。

きれいに塗り潰していると、無我の境地にひたれるのはなぜでしょう。

散歩がてら図書館へ。道中、小学生の姉妹と散歩している犬。

とてもよくしつけられた犬で、女の子のそばを離れず、様子に気を配って歩調も合わせてる。

うむ、ご主人様をしっかりお守りするのだぞ。

帰りには、街灯の下、漫画を読んでいる高校生ぐらいの男の子。

読んでいるのは3月のライオン?

寒いのにもう夢中。風邪ひくなよー。

○ COMITIA90

まずはお知らせから。

COMITIA90に参加します。11/15(日)東京ビックサイト西1ホール「の19a雲形発着場」です。お隣はやんむらさんの「すいか工務店」。

梅木君のクラウディア航行記新刊の表紙がこちら。

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最近梅木君にまかせきりで、会場に行くのは久しぶり。コミティアは漫画っていいなあと思わせてくれる雰囲気が会場に満ちているので、行くの楽しみ。

○ 来てほしい未来

佐藤秀峰先生のオンラインコミックの続報。以前の記事がこちら

一ヶ月で70万円位だそうです。

うーむ。やはり知名度を考えてこれだと、まだ未来は見えてこないなあ。外部委託があるから、そこで経費がかかるし。

こういうニュースを注視しているのは、僕に「来てほしい未来」があるからなんですよね。

佐藤先生も触れてますけど、今、漫画雑誌は大ピンチです。

老舗雑誌も休刊する現状。休刊の代わりに創刊もあるので、数はそんなに減ってませんが、社員の仕事を作るための色彩が濃いように思え、いつまで維持できるか不安です。出版社の赤字も拡大しているようですし。

雑誌の衰退って、漫画にとってかなりダメージなんですよね。雑誌に載ることによって原稿料がもらえるじゃないですか。

小説は単行本書き下ろしで印税のみっていうケースが多いそうです。漫画業界より収入的に厳しいのですが、ただその代わりに兼業に向いてます。小説書いてみて気付いたのですが、一日中集中して書くというのが、かなりつらい。

以前村上龍先生が、TVで「創作に一番必要なのは根気。一日8時間机に向かえないと」と言っているのを見ました。ずいぶん少ないなと、その時は思いました。漫画なら倍の16時間は行かないと。さらに倍、32時間という修羅場もあるのです。

でもやってみると、ずーっと前頭葉を働かせ続けるためか、8時間がかなりきつい。

他のものに例えると、入試で難関校を受けて、ちんぷんかんぷんの問題と取っ組み合いした時の感じ。午後にはボロボロ。試しに漫画と同じように一日中、一ヶ月続けたら、精神的におかしくなりそうになりました。

という事で、一日中作業は、小説の場合元々無理。短期間ならともかく、続かないと思います。直木賞作家の桜庭一樹先生は、執筆は午前中だけだそうです。

つまり兼業でも作業時間は十分取れるのです。実際そういう人がたくさんいます。

それに対して、漫画は作業量が圧倒的に多いです。やってみた感じでは少なくとも3倍から、下手するとさらに倍の6倍かそれ以上。

そして、物語の分量として小説の一冊と漫画の一冊では、進み具合が全然違うので。

一日中描いて、人手も使って……。フルタイムの専業プロじゃないと、漫画の場合、話がさっぱり進みません。

なので、毎月原稿料で生活できて、制作費も出る状態じゃないと、やってけないわけです。

なのに雑誌が弱ってく。まだまだ止まりそうにない。

雑誌が売れなくなっていくのは、時間潰し需要が他の物と奪い合いになっているという、技術革新によるライフスタイルの変化があるので、ある程度は諦めるしかないと思います。なので、収益性を高める方向に努力するしかないわけです。

現状では、それがより単行本を売ろうという流れ。しかしそろそろ、コストカットとかダウンサイジングとかを考えなくてはいけないのでは。

web雑誌になると、印刷代の分だけコストダウンになります。もしキンドルのような電子書籍リーダーが普及すれば、電子雑誌もあるかもしれません。

そうやっていろいろと出版社も模索していくであろう中、作家にとって究極のダウンサイジングが。

自分で作って自分で売ること。

これが可能な世の中になれば、何が起きても大丈夫と安心感抜群。佐藤先生のインタビューにも「自分で作品を発表できる場を今のうちに確保」とありますね。

今でも描くだけなら同人誌がありますが。

これと商業誌の間の部分が埋まるといいですねー。より多くのお客さんがアプローチしやすくて、腕次第ではそれで回る。

自分が食べる分を自分で何とか稼ぐ、ギリギリでも専業プロ。それがしやすくなればいい。

そういうスモールビジネスの仕組みが普通になれば、こうして「業界の未来はどうなるんだろう」なんて、一介の作家ではどうにもならない無駄な悩みを抱えずに(^^;;)、「作品を面白くするにはどうすれば」という創作上の悩みだけでいいんですよ。腕次第というのは、やりがいのある悩みだから。

そんな未来が、早く来いー!

○ 美少年美少女が描けないタイプの作家がマンガで食っていくことができなくなる

上の未来が来てほしいと思うのには、もう一つ理由が。それがこちら。

先週、若木先生のブログのこの記事がニュースになっていました。特に美少年美少女のくだり。元記事は5月に書かれたものですが、ニュースポータルなどに取り上げられて、わっと広がったみたい。

若木先生の記事は、全体としては、業界の地盤沈下が起きると才能が集まらず悪循環に陥ることを懸念していますが、このフレーズが一番インパクトあって、ちょっと一人歩きしている感じです。

いやあ……。

僕のことですね(嘆)。

女の子を主人公にした漫画で、ネームは通したのに絵で編集長ストップを何度も食った身としては、思い当たる節がありすぎです。まあ、他にもいろいろありますが……。

僕は、1・あまり手が速くないので週刊誌は無理、2・SF漫画が描きたい、という主に二つの理由でマイナー系の少年誌をうろついてましたが、あそこは特にそんな感じです。

……と書いてたら、さっき買ってきた別冊少年マガジンの表紙に「ネギま!?neo描き下ろしHポスター!! さらにエッチな全員サービスもあり!!!」とありますよ。来月は「大暮維人、降臨。性なるプレゼント! 特別付録 美麗!超レア!!激エロ!!!ポスター」。この雑誌も、今は混沌としてるけど、そっちの方に落ち着くのかなあ。

やんむらさんも書いてた。ありますよね、そういうこと。僕は裸のコマを大きく、でしたよ(笑)。

でも考えてみると、これは当然のことで。初動がいいんですよね。

例えば、可愛い女の子が描けるかどうかは、その子が出てきた一コマ目で、もう判断がつきます。可愛く動かせるかどうかも、何ページかあれば明らかです。

それに対して他の要素の面白さは、判断するのに待たなくちゃいけない。僕は、アイシールド21の序盤のネームの冴えが素晴らしかったので、「これはスポーツ漫画史上最高傑作になるかも!」と期待していたのですが、大会始まったらあんまり試合が盛り上がらなくて、ちょっとしょんぼり……。

なので、速くアンケート結果が出ること、単行本1巻目からブレイクすることを目標にすれば、美少年美少女が有利なのは自明の理なのです。

打ち合わせで、「可愛い女の子が出てればいいのかよ? と思うんだけど、結果はそっちなんだよねえ……」という、担当さんのため息交じりのセリフを聞いたことがあります。編集部も、全部同じようなのにしない方がいいと思ってはいるのでしょう。

でも、現状は後退戦です。余裕がある時は「化けるかもしれないから、ちょっと様子見とこう」というスタンスが取れたかもしれませんが、今は厳しい。

となると、初動がいい方に絞り込まれていくのは、仕方ない。美少年美少女、エロ、バトル辺り? 話の進め方も、しょっぱなから見せ場たっぷりなやつ。

でもじゃあ、そうじゃない漫画はどうすればいいのか。

その時に、スモールビジネスとしての漫画が根付いててほしいな、と思うわけですよ。

商業誌で「これは難しいかな……」とこぼれちゃった漫画でも、作家本人にやる気と腕があれば何とか回るようになってれば。

生態系の生物多様性ならぬ、漫画界の作品の多様性は保たれて、豊かな世界がやってくると思うのです。早く来いー!

……なんか今回、やたら力入っちゃった(^^;;)。さあ、未来を望んでばかりじゃなくて、目の前の仕事終わらそう。

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2009/11/06

今週の雑感記 止めようとしていろいろ考えた

締め切りに余裕のある今月。今週は人と会う用事をたくさん入れる。

太ったねって言われた……(+_+)

来週はがんばって作業する週。そしてその週末に。

○ COMITIA90

COMITIA90に参加します。11/15(日)東京ビックサイト西1ホール「の19a雲形発着場」です。

梅木君のクラウディア航行記新刊の表紙がこちら。

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問題が発生する予感。梅木君の大活躍により手狭になってきています。今回新刊が出て、決定的になるのではないでしょうか(^^;;)

そろそろ決断の時……。

○ 購読停止

先日、資源ごみの回収で雑誌をまとめて出そうとした時に、ふと思ったこと。

すごいかさばってるけど、この中身全然読んでないなー……。

なんか各雑誌一、二本楽しみに読んでる漫画があって、あとはぱらぱらーと眺めてるだけ。立ち読みで済まさないのは、むしろ忙しくてあとで時間のある時に読もうと思うから。

だったらもう、単行本待ちでもいいような……。

とりあえず、ビッグコミックオリジナルの購読を止めようと決意。部数下がってるけど、そうだろうなと思う。読む漫画減った。好きなやつだけ単行本を買おう。

「最近面白くないから止めたー」というだけの事なのに、えいやっと踏ん切りつけないといけないのは、やっぱり作る側の人間だからで。

面白くないと切って捨てるのも忍びない気持ちが。なのでいろいろ考えちゃう。

昔、「漫画雑誌って作品のカタログなのかもしれない」と言った人がいた。確かに、そういう所がある。でも、毎号ほぼ同じ商品しか載ってないカタログを買うって、どうなんだろう。一冊あれば、当分いいんじゃないだろうか。

となるとやっぱり、「単行本まで待てないぐらい、続きの気になる作品がある」から買うんだろう。

以前は時間潰しに買っていた人がたくさんいたけど、最近その需要は剥げてきた。だからますます、買うモチベーションが重要になる。

でも、それが雑誌中に一本や二本だと、やっぱりもったいないような気がしてくる。

そう考えると。

カタログと言った人は、現状の「雑誌は赤字でも単行本で回収」というビジネスモデルが頭にあったんだと思う。だから単行本売れそうな作品をずらっと並べます、という感覚。最近だと、アニメとかドラマになりそうなやつをずらっと、という感覚も。

だけど、それは本来のあるべき姿ではなかったのだ。

雑誌がきちんと一つの読み物になっていて、それで採算取れなきゃいけなかったんだ。もっと読み応えに力を入れるべきだった。

単行本買うぐらい好きになるかどうかは、けっこう好みの問題が大きいけれど、なんと無しに読めれば、雑誌買っても損した気分にはならない。そこできちんと黒字ならば、ビジネスは回った。

ただこの「なんと無しに、好みと無関係に誰でも読める、読み応えのある作品」というのは、ものすごく難しい。ネームのレベルとしてはかなり高い。やればやるほど、そう思う。すぐにそろえるのは困難。

それに、採算取れるようにするには、今の値付けじゃだめだろう。でも、この相場に慣れてるお客さんに、急にもっと高い値段で買ってと言っても……。

つまりどちらも、何十年前から少しずつやっとかなきゃいけなかったことなのだろう。いまさらなのだ。

それに、雑誌の何よりの特徴は、その一覧性、パラパラッとめくれることだと思うのだが、そもそも紙本の文化がどうなるのか分からない事態になってきた。

web雑誌だと、ちっちゃいサムネイル画像で並べることになる。吸引力は低いんじゃないか。お目当ての作品しかクリックしないとしたら、それは雑誌なのだろうか。

雑誌として考えないなら、売り方、見せ方だって変わってくるだろう。そのうちいろいろ試行錯誤が出てくるだろう。それはどこへ向かうのか。

プラットフォームがどうなるかでも変わってくるはずだ。PCと携帯の間には大きな隔たりがあったけど、iPhoneなりキンドルなり、いろいろ出てきた。

どれかが主役になるのか、それとも平行してそれぞれに対応していくのか。漫画のコマ割りや構図は、紙本の見開きを前提にして進化してきた。もし平行して対応していくとしたら、いつしか分化していくのだろうか。

……。

というように、一つの事をきっかけにいろいろ考えちゃうんだけど、もう時間なのにまとまりそうにないので、本日はここまで(^^;;)

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