2009年のレイソル
今年の回顧をする前にまずは。
加藤さんが甲府へ。
決まってよかった。シモさんのブログに加藤さん出ていて、「なにがあっても現役続ける」「まだ真っ白になってない」との言葉を見て、がんばれと思ってた。
それにしても来年は、いろんな人と対戦することになりそうですね。J2のあちこちに顔見知りが。
そして、薩川さんが長野パルセイロの監督に!
あれっ? ライセンスあったっけ? と一瞬驚いたけど、北信越リーグだから大丈夫なのでした。
仕事中このニュースを知り、ナベ先生と、長野パルセイロを応援しなくてはと盛り上がってました。がんばって!
大島君は長野にそのまま残るのかなあ?
さて、それでは今年の総括。
なんといっても降格しちゃったことですよね……。
正直な話、石さん辞めさせなきゃよかったのに、と思います。
これは後知恵じゃなくて、去年ニュースを聞いた時に思ったこと。何せ僕は石さんに、マンチェスター・ユナイテッドのファーガソン監督ばりに超長期政権を築いてほしいと思っていたから。
高橋監督に悪いから、声高には書けなかったけど、監督交代の時には「だから言ったのに……」とぼやいてた。
僕は監督をコロコロ替えるサッカー界の風潮には反対です。それは安易だと思う。
責任を取らせて物事をうやむやにしたり、一人変えるだけで雰囲気大きく変わるのでなんとなく上手く行くんじゃないかという根拠のない希望を持ったり、そんな事例が多いです。そんな事繰り返してても、チームは強くならない。
サッカーの監督って、影響力は限定的だと思うんですよね。野球とかアメフトのように一プレーごとに指示出せるわけじゃないから。
となると、監督の仕事で重要と考えられる事を上げていくと、まずチームをまとめること。
ばらばらのチームよりまとまってるチームの方が強いのは当然。人心掌握に長けていたり、カリスマがあったりで、チームをまとめられること。よいモチベーターであること。ぶれない姿勢や戦術で、チームに芯を作れること。
チーム強化という点では、よい練習ができること。練習でチームを改善できること。組織を植えつける力。
采配では、試合の行方は前述の通り選手次第の部分の方が大きいと思うのですが。打つ手は少ないながら、ゲームを読む力は問われます。
さて石崎監督をこの点で考えると。人心掌握、カリスマは抜群。お客さんのハートをつかんじゃうぐらいのおまけつき。ゲームを読む力も、ハーフタイムをはさんでがらっと流れを変えることが度々あって、かなりの物。
守備組織構築は、どのチームでも外れ無しの達人級。問題があるとしたら攻撃面。
さてこれを踏まえて交代劇について再考してみます。
まず、監督を替えて全て解決しようというのは安易だというのが一つ。
僕は次は選手ががんばる番だと思っていました。
J1に上がってからこれまで、快進撃の時期もありました。しかし、その間代表ではレイソル戦士は芳しくありません。好きだから、それを指摘するのは悲しいんだけど。
たまたま代表の戦術に合う選手がいないという事ではなく。ジーコジャパンならいざ知らず、オシムジャパンも岡田ジャパンも、運動量を求めるサッカー。前からプレスをかけて、切り替えは速く。
石さんの戦術と同じ。むしろウチの選手は合ってたはず。でも、合宿に呼ばれる止まりなのです。J2から呼ばれて試合に出る人だっていたんだから、単純に力不足なのです。
交代理由に勝てない時期があったからというのがありましたが、これもここ。確かに運動量と組織力が売りなので、夏場疲れてくるとどうしても調子が下がっちゃうのですが。
個の力があればごまかせる試合もあった。ぶっちゃけて言うと、浦和には闘莉王がいたがウチにはいなかった、ということ。
2008年の浦和は傍から見ていてもかなりよくなくて、組織的にはガタガタでした。打つ手なくて、闘莉王選手がボランチや、さらに前のポジションで使われるぐらい。でもそこで点取っちゃう。それでごまかして、何だかんだで7位。
ウチでそれが出来るのはフランサさん。去年の天皇杯ではそれで劣勢ごまかして決勝進出。でも、どうしても怪我が多いんですよね。なのでフルシーズンごまかし続けるのは無理。他にも劣勢ひっくり返せる人が欲しいところなのです。
そこで選手たちががんばって、コツコツ練習してレベルアップして、そういう力をつけてほしいと思ってた。僕はそれまで我慢するつもりでした。
でもそこに目をつぶって、戦術でなんとかしようとした、その結果。
一人で何とかできないから、人数をかけて組織で、という発想になる。でも、前に人数かければ当然後ろは手薄になるし、そもそも決定力が不足しているから決める所で決められず、カウンターを食う機会も増え、守備崩壊で大敗。これが今年の前半。
もう一つ、変えるべきじゃないなと思っていたのは。
プロで達人級の人って、漫画家でもそうだけど、常人には見えていない何かが見えているんですよ。気がつかないような細かい所が。
石さんは守備組織構築の達人だった。それは、他のプロの指導者にも見えていないものが見えているという事で。ここのネジが緩んだらすぐに締め直さなきゃ、というポイントがきっとあるのです。
高橋さんには残念ながらそれが見えていなくて、失点を止められなかった。でもネルシーニョ監督も常に守れるチームを作る達人で、着任早々締め直して見せた。
そんな達人は貴重です。コロコロ変えちゃだめ。
でも石さん攻撃はいまいちなのはそのままでいいのか、と問われれば。
高橋さんがコーチに来て少し改善されていたし、それに。
選手が成長するように、監督にも成長があると思うのです。例えばG大阪西野監督。本日G大阪は勝ち残り、天皇杯決勝進出を決めましたが。
ウチの監督している時は、とてもあんな組織的な攻撃サッカーのチームを作れる人に見えなかった。いろんな試行錯誤があったに違いない。
だからやっぱりそこも我慢して待つつもりでした。
なので結論としては、今年の降格は、我慢できなかったフロントが、しなくていいギャンブルをして失敗した結果だ、と思います。
と、ここまで書いておきながら。
じゃあ、今回フロントが、ちょこっとポジション入れ替えただけでちゃんと責任とってないように見えるのには反対なのかというと。
実は「保留」というどっちつかずの意見なのです。
なぜかと言えば。
この事態は確かに失敗なんだけど、とてもよく見かける失敗だからです。
とにかく監督を入れ替えてなんとかしちゃおうとか。
速攻主体のサッカーで真ん中まで来てそこで停滞したら、ポゼッションサッカーにがらっと変えてレベルアップしようとか。
しょっちゅう見かける。というかまさに今年、神戸もそうなってた。向こうは解任じゃなくて監督の方からよそに行っちゃったんだけど、やっぱりカウンターに戻したのも同じ。競り負けて落ちたのはウチだけど、紙一重。
FC東京サポの友人が、ウチもなったなあと言ってました。原監督のいけいけサッカーで行き詰ってガーロ監督に交代、ポゼッションサッカーへの180度方向転換は失敗し降格争い。
物事の多くはそうだと思うのですが、外から見ているのと現場に入るのとでは見える風景が違う。なのでこれは、現場では打つ手が尽きて陥りやすいパターンなのだろうと思うのです。
普通に起きることだから、原因はフロントの失策とは断じても、責めるのはどうかなあと。
たぶん、人を変えてもまた起きる事なのでは。
なので、僕が望むのは、この失敗の経験がチームに蓄積されることなのです。人を切っていったら、経験値が貯まらない。フロントにはこの経験を踏まえて、次同じ状態になった時、よい仕事をしてほしい。
来ると思うんですよ、また次が。
今年最後、ウチは素敵なサッカーをしてましたが、あれはフランサさんと澤さんのコンディションが上がって揃い踏みになったことが大きい。ボールの引き出し方、さばき方、二人の能力のおかげ。
このまま戦力流出がなければ、一年でのJ1復帰は可能性大ですが、そういうふうに順調にいっても、例えばまた三年後。
その時にはさすがに年齢的にフランサさんはいないと思う。そこで成績停滞したりしたら。守備から入るネルシーニョ監督の戦術が槍玉に上がるかもしれない。
その時に同じことをしてほしくないのです。ギャンブルいらない。もっとじっくり進んでほしい。
レイソルは貧乏ではないけれど、金の力で勝てるほどの予算はなく。そういうチームが勝つには、成長を待つ我慢強さが欠かせない。
そうなってほしいなーと思うのです。
なので我慢します。次こそお願いします。
最後に。
今年降格してしまったけれど嬉しかったことは。
こういう事態になっても、一心同体が失われなかったことです。最後までみんながんばった。
戦力流出が起きずに、来年最短でJ1復帰をなしえたとすれば、それはみんなの勝利だと思います!
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