図書館革命
仕事中。
梅雨入りですね。
しっとりした空気とほんのりかすむ緑の木々がいい感じ。
○ 図書館革命 (有川浩 メディアワークス)
茨城県立図書館への出動時、堂上と階級章についているカツミレの花について話した郁。カツミレ(カモミール)はハーブティーもあると聞き、飲んでみたいとの堂上の希望で、今日は休日、二人でお出かけ。デートではないのだと言い聞かせながら、着ていく服を決めるのにも一苦労、舞い上がっている郁。
内心じたばたしながらのカフェでの食事も済んで、さてひまなら映画でも行こうかと誘われ、わーそれじゃ普通にデートみたいと嬉しいやら恥ずかしいやら。
しかしそのとき隊から緊急連絡。原発テロの参考文献として、ある作品が挙がり、その著者の身柄を押さえようと良化特務機関が動いているという……。
という事で全四巻の最終巻。面白かった!
最初の図書館戦争の感想でも書きましたが、とにかくキャラクターが生き生きしててそれに引っ張られて読めるのがまずよくて。
そして、上手い具合に現実を連想させる事件の立て方。
今回は、フィクションの作品が現実の犯罪の原因ではないのかという話。ありますよね、漫画とかゲームが悪いんじゃないのかという論調。
フィクションが犯罪を誘発するというなら、ノンフィクションはもっとだめなはずだから、それを語るマスコミは凶悪事件の報道なんかしちゃだめだと思うんですけどね。
実際は、そういうものが発達していない有史以前の昔から事件は起きているし、今でもアフリカの紛争地のようなゲームも漫画もテレビもあんまりなさそうなところで、目を覆いたくなるような残忍な犯罪が起きているわけで、何もなければ人間は善なのだというのが幻想なんだけど。
ただ楽しませるだけでなく、こういう考えさせる題材を提供しているのも奥深くてよいところ。
主人公の恋愛のドタバタから、テーマに沿った奥深いところまで、みっちり詰まった素晴らしいエンターテインメントでありました。
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