砂の覇王 4 5
今週も仕事大忙し。
電車移動のルートを少し変えたら、まあ、何とものどかで。
これからが仕上げで佳境のはずなのに、すっかりのんびり旅行気分(笑)。
移動中はのんびり読書が恒例。こちらはこの間読んだ分。
○ 流血女神伝 砂の覇王 4 5 (須賀しのぶ コバルト文庫)
女の身でありながら小姓として働くカリエ。宮中では、バルアンに処刑され死んだとされていた。気まぐれな主人バルアンに振り回される日々。
そんな折、ルトヴィアの皇子ドミトリアスとユリ・スカナの王女グラーシカの婚礼、そして戴冠式に出席するバルアンが出席する事になる。それに付き従って首都タイアークに向かう事になったカリエ。旧知の二人の晴れ姿を見られると喜んでいたが、なにやらバルアンには企みがあるようで……。
グラーシカやドミトリアスは定番の型のキャラです。いろいろな作品で見かけます。
ただ僕は、面白さというのはネタとか型とかで決まるものじゃないと思うのです。
よく料理に例えるんですけど。どんなよい素材も、腕がない素人が料理したら台無しで。松坂牛だって、黒こげじゃ美味しくない。物語もよいネタを仕入れるのは当然重要ですが、どう料理するかで面白さがまったく変わってくる。
その点この二人は、中身がしっかりしているので好感。
不義の子かも知れないと悩むグラーシカを叱咤するドミトリアスのシーンが、いいですね。
グラーシカは男言葉でしゃべる男装の麗人。そんじょそこらの男より強いという、人気パターンのキャラですが。母親にコンプレックスがあったりとか、プロポーズに対して自分の気持ちを認められなかったりとか、影にある弱さも書かれていて。
対するドミトリアスは、なぜか出会った当初からグラーシカの尻にひかれ気味だったけれど、元々芯がしっかりした人として書かれていた。
結婚の理由はドミトリアスから申し出た政略結婚なんだけど、いい出会いだったんだなあと。
しかしどうもこの二人の行く手には、いろいろと困難がありそうで。宮廷内も敵だらけだし、隣の国からもちょっかい出されそうな雰囲気だし。
二人の行く末が気になってきました。
続いて5巻。
ドミトリアスとグラーシカに、バルアンの正妃として二人に紹介されたカリエ。行方不明になったアルゼウス皇子が、実は影武者カリエだった事は一握りの人しか知らない。しかも、二人に紹介された名は、カザリナ・ユファトニー。今は亡きギウタ皇国最後の皇女。宮廷は大混乱。
そして戴冠式参列を終え、インダリに帰った一行を待っていたのは旅の一座。その美しくも妖しい舞姫は、生粋のザカール人、ラクリゼ。アルゼウスであったころカリエを救い、さらに過去にはギウタ攻防で名を馳せた殺戮の女神……。
ひたすらサバイバーだったカリエでしたが、素性が表に出てきて、運命が回り始めた感じです。バルアンがいろいろと水面下で仕掛けていたことも表に出てきて、風雲急を告げてます。
サジェが死んじゃったことにびっくりしました。確かにカリエに恨みを持ってる因縁のキャラなんだけど、こんな結末とは。
思いもよらないエピソードが来て、振り回されてます。単に意外なだけだと、僕はわりと醒めちゃうタイプなのですが、それまでで引っ張り込まれているので効果てきめんなのです。
どうなっちゃうんだろう。
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