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2009/02/06

蘭と桜と春爛漫

一コマ漫画を描こうと思っていたけれど、仕事に没頭していて用意できず。

という事で、本日はためこんでいる感想文から。

○ 蘭と桜と春爛漫 (あさのあつこ 青い鳥文庫)

人気作家の集まった短編集、「おもしろい話が読みたい! 白虎編」収録。

留衣と花見に行くことになった蘭。ついてきちゃった翠はオジャマ虫だけど、ウキウキ気分。しかし着いてびっくり花見スポットはぎっしり満員。

仕方なくお弁当を食べるところを探そうと山を下る途中、蘭は誰かが泣いている声を聞く。行ってみると泣いていたのは道祖神。それには、昔恋人の元へ帰ろうとして力尽きた男の魂が宿っていて……。

本編には追いついちゃったけど、読み切りがまだあった。7巻「ゴースト館の謎」の後に書かれた作品。

短いので、特に筋にはヒネリがなく、あっという間に解決するんだけど、この作品の魅力である蘭と翠の掛け合いがちゃんと押さえてあり、山場の演出には一工夫あるので、しっかり読んだ感があります。面白かった。

このシリーズは子供向けで、平易な言葉で書かれ楽しいシーンも満載なので、作者の技量は普段表に出てないんだけど。

こういう短い話は構成力が問われる。さすが上手いなあと。小説、漫画に限らず物語で、やたら凝った表現とか、複雑で入り組んだ筋立てとかがスキルフルとされるけど、ほんとの実用的なスキルはシンプルなところにあるんだと思うのですよ。

これでテレパシー少女蘭のシリーズは一通り読んだわけですが。

つくづく、自分の行きたい所はここなんだなーと思ったのです。

SFが好きだけど、それに限らずファンタジーでも、その他の何かでもいいんだけど、日常の中の非日常、もしくは非日常の中の日常。その舞台でキャラクター達が一生懸命生き生きと生きていて。

そういうわくわくするものと感情移入するものが一緒になっているお話。

さらにこの作品では楽しいシーンがたくさんあるのも好み。

いいなあ。

どうにかしてここにたどり着きたいと思います。

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