2009.1.1
年が明け、午前三時。初詣に行く。必勝祈願をする。
寝て、午前十時に起きる。普通の人なら寝坊だが、自分にとっては早起きだ。空は快晴。雲一つない。太陽王のためにある日だなと思う。
起きてから、妙にトイレが近い。緊張している自分に気付く。試合するのは自分じゃないのに。いや、今日はサポーターにとっても闘いなのだ。
大江戸線国立競技場駅の階段を登りながら、既視感を覚える。国立競技場の脇には体育館があって、そこで合気道の大会が行われている。ウチの流派は直接打撃ありの乱捕り試合があり、その試合に出る時の感覚。サッカー観戦でここまでになったことはない。アドレナリン全開。戦闘体勢。
そんな大一番でも、いやそんな大一番だからこそ、明るさ全開なのがウチのサポーターのいいところ。今日は何が飛び出すか。
登場したのは岡山一成。オバマ氏のような偽者ではなく本人。黄色いユニフォームに背番号32。ぞくぞくした。これが僕らが掴んだ一心同体。
まっ黄色に染められたゴール裏に掲げる文字はYES, WE CAN 。ネタに見えてもサポーターは本気だ。俺たちはやれる!
試合開始。開始早々よい時間があり、ポポさんのシュートはキーパーに弾かれる。しかし、その後はG大阪ペース。ガンバは強い。ここまでの連戦で疲労はチームを蝕んでいるはずなのに、それでも押し込まれる。
けれど、ここ何試合かその調子なので、それは気にしない。ボールを回されていても足を止めずに寄せ、体を張って得点は許さない。苦しい流れをなんとかしのぎながら、90分が過ぎる。延長へ。
延長が始まるまでの間。サポーターの応援が止まない。文字通り一瞬たりとも止まない。負けないと思った。これだけの想いが詰まったチーム、負けていいはずがないと思った。
116分。得点者、播戸。
試合終了。喜びを爆発させるG大阪イレブンとサポーター。
となりの席の女の子が泣いている。試合中大声を出す事はなかったけれど、ゴール裏のコールに合わせてずっと拍手を送っていた。その子が今うつむいて、ただぽろぽろと涙を流している。
そんな中、僕はただ、じっとチームを見ていた。
僕は今日、このチームを見届けに来た。この三年間を見届けに来た。ガンバの勝利の輪も関係ない。優勝セレモニーも関係ない。ただただじっと、僕らのチームを見つめていた。
セレモニーが終わり、選手、スタッフがあいさつに来た。石崎監督は手を振って、サポーターに応えていた。ゴール裏でもあいさつ。監督の胴上げ。大石崎コール。
最後にアレックスさんが、サポーターから黄色いシャツを受け取っていた。
気が付けば夕暮れの赤は西の空の彼方。ピッチの緑が照明の光の中に浮かんでいた。
今日の太陽は沈んだ。
でもまた明日、日は昇る。
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コメント
自分もスタジアムに行ってました。
延長前の休憩時間にも止まらなかった応援「ラララ柏」を聞いて、3年前の甲府戦を思い出し、3年でここまで誇れるチームになったんだと思いました。
投稿: じょせふぃーぬ | 2009/01/02 00:48
かわせさん、明けましておめでとうございます。
レイソルの天皇杯準優勝は悔しい想いが半分、
トップチームとの差(成熟度の差)をマジマジと感じた事が
半分といった複雑な気持ちを引き起こしてくれました。
2009年シーズンの天皇杯決勝で天皇杯を勝ち取る事、
これは決して達成不可能な目標ではなくなりました。
「決勝で悔しい負け方をしてレイソルは強くなる!」という
竹本GMの予言通り、
今年の新生レイソルは新たな進化を遂げる事でしょう。
今年も宜しくお願いします。
投稿: いとちゃん | 2009/01/02 22:00
>じょせふぃーぬさん
あれはほんと、ぐぐっと来ましたね。燃えました。
>いとちゃんさん
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
でも、あけたけど、おめでたくなかったですよ(嘆)。
ほんとに悔しいです。
投稿: かわせ | 2009/01/03 04:32