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2008/12/11

時載りリンネ!&文学少女

昨日夜は雨。

仕事部屋は離れで、ぐるっと回らないと母屋に帰れません。山の中で暗いし、足元はぬかるんでいるし、転ばないよう気をつけて戻ると。

ほっとしたところで玄関先のりんごの箱にけつまづく。こんなところに罠が(笑)。

○ 時載りリンネ! 2 時のゆりかご
  時載りリンネ! 3 ささやきのクローゼット
 (清野静角川スニーカー文庫)

「時の旋法」を手に入れて、晴れて「時砕き」となったリンネ。「時砕き」とは、リンネの属する種族「時載り」の中でも、特に強い力を持ち、その上に君臨する集団。しかし、「時砕き」になってもリンネの生活に特に変わったことはなく、いつも通りのマイペース。

けれどもある日、本を寄贈してくれた緒方夫人のところへお礼を言いに行き、「時載り」の作った不思議な家具の鑑定を依頼されたことから、事件が始まって……。

本を読むことでエネルギーを得る「時載り」という種族に生まれながら、本を読むのが大嫌いで、活動的な女の子リンネ。表情豊かで、魅力的。

ライトノベルで女の子が可愛いとなると、「萌え」が連想されるけど、それとはちょっと違う。児童文学を思わせる作風で、読んでてとても微笑ましい感じ。

主人公リンネと語り手である久高の冒険に、引き込まれてしまうのです。

という事で、続けて3巻。

「時砕き」として、「時載り」たちの総本山「バベルの塔」から正式に承認されたリンネ。その時もらったトランクの中に、不思議なドアノブが入っていた。

そのドアノブを扉につけると、バベルの塔に直通の扉になるのだった。その先にはリンネ専用の大きな書斎に書庫に閲覧室。

素晴らしい秘密基地を手に入れたと大喜びのリンネは、さらにバベルの塔を探検中に、一人の少女と出会い、友達になるのだが……。

最後に載ってる、友達になった女の子ネリーの手紙が、とてもよかった。じんと来ました。

○ "文学少女"と死にたがりの道化 (野村美月 ファミ通文庫)

主人公井上心葉(いのうえこのは)は、部員たった二人の文芸部に所属する高校生。部長の天野遠子(あまのとおこ)先輩は、自ら文学少女と名乗る本を食べる妖怪。

食い意地の張った遠子先輩は、恋愛相談ポストを設置して恋の相談者を募集、恋が成就した時のラブラブレポートを頂いちゃうことを目論んだ。心葉がラブレターの代筆をするはめになるのだが、お相手の先輩が実在しないのではないかという話になって……。

本を食べるという事でこちらも。こちらは文字通り、ページを破いてむしゃむしゃ食べてます。文章の出来不出来で味が違うようで、嫌がらせで下手に書いた文章を泣きながら食べてる様が面白かったり。

「このライトノベルがすごい!2009」でこちらのシリーズが一位だったそうです。なるほど、納得。

「本からエネルギーを得る」「本を食べちゃう」という発想は、やっぱり作者も本が好きだからなのかなと。そういう雰囲気が作品の随所に見えるような気がしました。

好きって気持ちは伝わると思うんですよね。特に深読みするコアな読者に。

やっぱり、そういうのを大切にしないとなあと、再確認。

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