今週の雑感記 ごろごろ読書
いまだ風邪引き中。
ネームでも切るかと思ったけど、ぼへーとしていてだめなので、ごろごろ読書。
○ 闇からのささやき テレパシー少女「蘭」事件ノート2
私の中に何かがいる テレパシー少女「蘭」事件ノート3
時を超えるSOSテレパシー少女「蘭」事件ノート4 (あさのあつこ 青い鳥文庫)
磯崎蘭と名波翠は超能力を持つ中学生の女の子。ある日二人は、夕方でもないのに空が真っ赤に染まり、見たことない山が窓の外に見えるという、怪現象に遭遇した。
それは超能力を持つ二人だけに見えた現象で、何らかのメッセージ。そんな時、蘭の父親に旧知の友人から手紙が来て、疾風村という中国山地の奥の山村にみんなで行くことになる。着いてみるとそこにはあの山があって……。
とにかく二人の掛け合い漫才が楽しい作品。キャラクターがしっかり立ってて、特に翠が秀逸。嫌な子になりそうな二面性のある性格を、笑いを織り交ぜて上手く書いてる。
蘭の兄、凛にベタぼれで、「ああ、めまいが……。凛さん、わたし、もうだめかもしれない。息が苦しくて……人工呼吸をはやく。」とか、おバカでいいなあと(笑)。
続いて3巻。
ある夜の事。仕事に悩む母の声で目覚めた蘭。もう一度寝るかと思ったとき、街中の動物達が騒ぎ出し、すごい揺れと閃光が襲ってきて、蘭は気を失った。
しかし翌日学校に行ってみると、地震を感じたかどうかは、人それぞれ。不思議な事はそれだけでは留まらず、やがて地震を感じた友達の様子がおかしくなって……。
不思議なミステリーが、やがて地球規模のSF話になってびっくり。しかも留衣が意外に熱いやつでまたびっくり。
そして4巻。
日曜日。蘭、翠、留衣の三人はフリマへお出かけ。そこで留衣は古臭い着物姿の女性を見かける。その女性はなんと首から脇にかけて、ばっさりと刀傷があり血まみれだった。その女性の姿を追ったが、見失った留衣は、会場の隅の出品者に怪しい文箱を薦められる。その出品者の言動も、どこかおかしかった。
家に帰った留衣は、自分の部屋で、買わなかったはずのその文箱を見つける。そしてその傍らに公園で見かけた血まみれの女性。「……らんを……助けて……。」気がついた時、留衣がいたのは商家の大きな屋敷。なんと時は江戸時代……。
この巻は最初からびっくり、タイムスリップ。だんだん話が大きくなってきてますね。
僕は子供のころから本を読むのが好きでしたが、自分で喜んで読んでたのはスペースオペラ。まさにこういうびっくり展開のSFでした。いいですねえ。
あさの先生は「バッテリー」を書いた人ですから、リアルに事細かに心の内をみっちりと書けることは実証済み。しかしこのシリーズはだいぶおもむきが違います。
まずもって超能力者が出てきてますし、植物が意思を持っていて強力な思念エネルギーを発してますし、神様出てきてますし、タイムスリップしてますし……。かなり荒唐無稽なお話。
そして、話の進め方もけっこう強引。都合のいいはしょり方もかなりしてる。
でも要所はきちっと押さえてる。
あえて荒唐無稽に書き、それでいて面白さのツボを外さないんだから、やっぱりうまいなあと思います。
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コメント
毎日更新楽しみにしています。
私も絵を書きますが、かわせ先生のように上手になりたいです。
これからもお仕事がんばってください。
投稿: 山姥 | 2008/11/29 19:01
ありがとうございます。
…絵はね…練習するしかないんですよね…(←へこみ中)
でも、見てくれる人がいるので、がんばります。
投稿: かわせ | 2008/11/29 23:18