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2008/11/08

今週の雑感記 テレパシー少女 蘭

仕事から帰還ー。温泉なしー(嘆)。

スケジュールが詰まっているのです。

さらに先々のスケジュールが、思ってたのと違ってきて、アヤヤ、オヨヨ……。

なかなか安定しません。困った、困った。

考えることがたくさんありますよ。安楽の地はいずこ。

○ ネットと出版

米新聞・出版界 リストラの嵐 名門もネット転換、「広告不況」が追い打ち

28日付米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、日刊紙から電子新聞、週刊紙へと転じるクリスチャン・サイエンス・モニター紙の業態変更や吹き荒れるリストラの嵐など、インターネットに押される米新聞・出版業界の苦境を伝えた。

同紙の転換宣言と同じ28日、タイム誌などを発行するタイム社も600人の人員削減と組織改革を、米最大部数のUSA TODAY紙を発行するガネット社も社員の10%に当たる最大3000人のレイオフ(一時解雇)を、それぞれ発表した。その前日には、トリビューン社が、傘下に置くロサンゼルス・タイムズ紙の記者を7年前の半分に縮小する編集態勢の縮小方針を明らかにしている。

部数全米15位のニューアーク・スター・レッジャーは社員40%の削減案で休刊を免れ、2週間前には、有力誌「TVガイド」が雑誌自体の定価さえも下回るわずか1ドルで身売りされた。

ニューヨーク・タイムズ紙はこうした激変の背景として、「新聞の90%以上の収益は印刷物から得られている」としたうえで、「たったひとつの新聞広告が数千ドルを超す代価となるのに対して、ネット広告は閲覧者1000人につき20ドル程度にしかならない」と、ネット読者の増加に収益構造が追いついていない現状を解説する。

さらに、短期間で人員削減発表などが相次いだ理由について、「金融危機による第4四半期の悲惨な業績予想も一因だ」とし、印刷メディアの広告収入の3本柱、「自動車、小売り、金融」産業の衰退で広告費が大幅削減されるという危機感が対応策に拍車をかけている可能性を指摘した。

ただ、新聞・出版業界が衰退すれば、ネットで閲覧できる記事の品質悪化も避けられない。同紙は「(情報源として信頼され、読者が頼りにする)ジャーナリズムのブランドが消滅したら、ネットは早期に無益な情報の掃きだめと化すだろう」とする米インターネット検索大手グーグルのエリック・シュミット最高経営責任者(CEO)の言葉を引用、事態を憂えている。

産経新聞08/10/31

そうなんですよねえ。

ネットがどんどん発達していくのはいいんですけど、どうもそこでご飯が食べられるようになっていかないんですよねえ。

読む方は紙からネットへどんどん流れていってるのに、ビジネスとしてはそれほど大きくなってなくて。最近web雑誌がいろいろ立ち上がってますけど、収益の頼りはやっぱり紙で出す単行本なんですよね。

結局フルタイム・プロフェッショナルで従事している人がたくさんいるところが、質が一番高くなるわけで。パートタイム・アマチュアでは、心意気は本人次第でがんばれても、使える時間と労力のリソースが足りなくなっちゃう。

だから創作も、ネット上でプロとしてやってけるようになってってほしいんですが。

上手くいけば、ネットはいろんなコストがごそっと省けるだけに、損益分岐点も下がって、もっといろんなものにトライできる、しかもプロとしてやっていければそれを量産できる、文化的にとても豊かな世界がやってくると思うんですけど。

上手く回んないですかねえ。

さてこちらは重い話題でしたが。

前向きな話題はこちら↓

○ ねらわれた街 テレパシー少女「蘭」事件ノート (あさのあつこ 講談社青い鳥文庫)

磯崎蘭(いそざき・らん)はこの春中学生になる女の子。最近ときおり頭の中で謎の声がするんだけど、生来明るくのんきな性格なので、あんまり深く考えていなかった。

ところが同じクラスに名波翠(なは・みどり)という女の子がやってきて、事態は急展開。なんと彼女は超能力者で、蘭の頭に響いていたのは彼女のテレパシー。しかも蘭も同じように超能力を持っているという。

最初は反目していた二人だったけど、次第に仲良くなっていく。そのころ街には謎の怪事件が頻発していて……。

「バッテリー」のあさのあつこ先生の児童向け小説。NHKでアニメ放送中。月刊少年シリウスでは漫画版も。

「バッテリー」は子供向けとは思えないぐらいがっちり書かれた小説でしたが、こちらはほんとに児童向け。キャラクターが生き生きしていていい感じ。二人の掛け合いが楽しい。

ちなみに、なんとなく心ひかれ読んでみたいなと思ったのは、アニメを見たからでも、漫画を読んだからでもなく。

タイトルとかから醸し出される雰囲気が。

「テレパシー少女 蘭」って、なんか昔懐かしいおもむきがありませんか? ストレートで大らかな感じ。

そして読んでみたら、そこは期待通りで。好きなんですよねー、この感じ。雰囲気というか、手触りというか。

自分もこういうところに行きたいなあと思っているのです。ここが求める安楽の地。なんとかしたいですね。

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