今週の雑感記 エスコート・エンジェル配信中
月曜日にハーメルの単行本が出たら、それ関連でここにいらした方がたくさん。
いらっしゃいませー。
ハーメルファンの人は熱心でありがたいと、ナベ先生談。やる気出ると喜んでました。
そして今週は僕もビッグイベント。
↓じゃじゃーん!
○ プリンセス・プラスティック エスコート・エンジェル (米田淳一 ダイナミックアーク)
配信開始しております。
これが表紙カラー。苦戦しました……。あとは中にイラスト4枚。
目の前の僕のパソコン君は、実はこの作品のコミカライズの企画が上がっている時に、カラーを描くために導入されたのでした。パソコン君は本懐を遂げたのです。
しかしあの時パソコンでカラー塗っても、ごまかせなかっただろうな……。今でも課題は山ほどあるのに。
きっとここで仕事する運命だったのでしょう。他にもそう思わせる出来事がありました。
「ケッタ・ゴール!」の時も思ったけれど、ちゃんと進歩の跡が見える仕事をしたいなと思います。がんばります。
○ 我が家のお稲荷さま。 (柴村仁 電撃文庫)
高上昇と透の兄弟は、今は亡き母の実家、三槌家へと向かっていた。実は三槌家は代々水気を祀ってきた由緒ある家柄。その血を濃く継ぐ弟の透が、物の怪に狙われ命が危ないというのだ。
透を守るための手段は一つ。三槌家の守り神、大霊狐の空幻を頼る事。しかしこの空幻、根は善だが気まぐれでいたずら好きな化け狐。そのため祠に封印されていたほどで……。
キャラクターが魅力的。そして、日常の中の非日常を、コメディータッチで上手く書いているのが、まずよかった。
漫画でも小説でも、エンターテインメント作品には、みんなが手掛けている定番ネタが存在して。妖怪とか物の怪なんかはまさにそう。
そうすると作る方も見慣れちゃっているので、作品の中で特に断りもなく、これはあり、ということになってたりするんですが。
実はそこの所が工夫の余地があって、面白かったりします。
現実には存在しないおかしなものを、ちゃんと非日常のおかしなものとして扱ってやることによって、キャラクターのリアクションも引っ張り出せるし、いろいろなハプニングも起きる。
そういうアイディアがとても豊かで、まずそれが面白くて。
そしてきちんとリアクションを取って、非日常を非日常として扱ってやると、その分、作品にリアリティが。
それは真面目な話をする時に好影響。説得力が生まれるのです。
この話にも軸になる真面目な話があるのですが、主人公の兄弟二人が、ちゃんと「普通の人」だったので、ネタにとどまらないちゃんとした気持ちを感じられて。
とても読後感がよかったのでした。楽しく読ませてハラハラさせて、最後はじんわりさせる、とてもよいエンターテインメント。
続けて二巻も読みました。
今度は隣町の土地神といさかいになって、というお話。
一度しっかりキャラクターが立っているので、応用編も安心して楽しめます。
この巻の本筋とあまり関係ないのですが、コウの天然ボケぶりが特に楽しくて好きです。特に、極端にお酒に弱く、酔っ払って身体に宿っていた蛟が出てってしまい、それを「待ってぇえー」と追いかけているところ(笑)。
○ 君のための物語 (水鏡希人 電撃文庫)
小説家を夢見て、しかし日々の暮らしの中その夢も埋没していた「私」は、ある日奇妙で不思議な雰囲気を持つ「彼」レーイと出会う。
「私」の未完の小説の完結を望むレーイは、普通の人間ではなく、人の願いをかなえる力を持ち、見た目どおりの年齢でもないようで……。
つかみ所のない性格のレーイと、それに振り回される主人公の取り合わせが、面白い。いくつかのエピソードに分かれていて、そのエピソードが進むにつれ、レーイの正体がだんだん分かってくる形式のお話。
最初の、画家になりたかった女性のエピソードが、切なく哀しく、特によかったです。
最初は仕事の参考になるように、片っ端から読もうと始めたライトノベル修行でしたが。
だんだん仕事とお楽しみの比率が逆転。
扱う題材は漫画と同ジャンルだったりするんだけど、しっかりオチがつくのが小説のいいところですね。いいオチと出会えるのが楽しみ。
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