今週の雑感記 ジョジョの奇妙なタンパク質
最近、余り時間に読んでいる本は資料本ばっかりで、見ているテレビはサッカーとプロレスばかり。
そこで、今回はニュースから。漫画のいい話と、悪い話。
○ ジョジョの奇妙なタンパク質
人気漫画「ジョジョ」の荒木さん 米生物学誌の表紙描く
生物学の米専門誌セルの表紙を「ジョジョの奇妙な冒険」などで知られる漫画家、荒木飛呂彦さんが描いた。7日付同誌に論文を出した瀬藤光利・自然科学研究機構生理学研究所准教授らの成果をイメージしたもので、日本の漫画が著名な学術誌の表紙を飾った。
瀬藤さんは荒木さんの漫画の大ファン。成果のイメージを描いて欲しいと依頼したところ、荒木さんが快諾した。セルの表紙には通常、細胞の顕微鏡写真などが載るが、編集部も日本の漫画に興味を示したことから採用になった。
瀬藤さんらのグループは、脳の中で神経細胞の情報のやりとりを調節する、たんぱく質を見つけた。やりとりに使われる神経伝達物質の量を調整するため、別のたんぱく質の分解にかかわっていることから、「壊し屋」という意味でスクラッパーと名付けた。
表紙の漫画は、スクラッパーをイメージしたキャラクターが、破壊すべきたんぱく質(赤い円盤)を選んで、ハート形の目印をつけている場面になった。
asahi.com07/9/7
「セル」って言ったら、ノーベル賞取るような論文が載るところですよ!! 快挙です!!
僕は「科学好き」の「漫画家」ですが、ちょっと道が違えば、「漫画好き」の「科学者」目指してたかもしれない。
それでもし、自分の好きな漫画家さんに、絵を付けてもらえたら、そりゃあ幸せだろうなあ。
○ 名前だけでは
コミックヨシモト、7号で休刊へ 部数伸び悩む
6月に創刊した吉本興業初のマンガ誌「コミックヨシモト」(月2回発行)が、18日発売の第7号で休刊することになった。
6月19日に創刊し、桂三枝さんや島田紳助さんら、同社の所属タレントの原作や原案をプロの漫画家が描くなどしている。20~40代の男性サラリーマンをターゲットに1冊320円で販売していたが、部数が伸び悩んでいたという。
asahi.com07/9/8
いくらお笑いブームとはいえ、芸人さんの名前がちょろっと付いたぐらいで売れるなら、みんなこんなに苦労してないですよ。
この間、若手お笑い芸人さんのドキュメンタリーを見ました。そこでは、一つのネタを出すのにホントに苦しみ、それをお客さんに伝える芸を磨くのに必死な、プロの姿がありました。
あの人たちは笑いに関しては、そういう覚悟と矜持があるプロの集団だと思うんだけど、その覚悟で漫画に望んだのかどうかが、ちと疑問。
・・・・・・
という事で、漫画ってそれだけ魅力があるものなんだよなあ、という話題と、でも業界のコンディションは決して良い状態じゃないんだよね、という話題。
コミックヨシモトに関しては、他業種からの参入だから目立つけど、大きく括ると同根の病巣が、他にもちらほら見受けられ。仕掛け、形が勝っちゃっているケース。
自分は漫画の魅力にやられて、人生が決まっちゃった人間だから、当然その力を信じていて、それを表現しきる事が出来れば、絶対うまく行く、と思っているんですが。
実際には、腕の問題もあって、表現しきるというのはなかなか難しい。
そうすると、売るための仕掛けとかネタとか、そういう思惑が入り込んできてしまって。
当初表現しようと思っていた魅力から、離れていく。
それが足りないピースを埋めてくれて、うまいこと行く場合もあるんだけど、何を表現するかの部分がぶれちゃうと、たいてい中途半端なものになっちゃう。
手元にあるたくさんの歴戦のボツネームを、時間が経った今見ると、打ち合わせの過程でその手の思惑が入ってきちゃって、直しているつもりがむしろつまらなくなっている、というケースがほとんど。
大直しする前のコピーを要所要所でとってあるんだけど、最初のが一番雑だけど、一番魅力的で、ボツ決定になった最終稿は、きれいにまとまって、売れる要素が入っていても、こじんまりとつまらない。
たぶん世のボツ企画には、こういうパターンが非常に多いんじゃないだろうか。
描くべき魅力をしっかり掴んで、例えそれがうまく表現できていなくても、あきらめずに離さない。そこで辛抱して、あがく。苦しくても、がんばる。
コンディションが悪いからこそ、漫画本来の魅力を前に出す事が大切なはずだと信じて、奮闘中。
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