今週の雑感記 ドリトル先生アフリカゆき
先週月曜日に企画を提出して、その後お手伝い仕事に突入で。
ようやく一息ついたので、次に進む前に、今週は「ケッタ・ゴール!激闘編」の続きを。
だいぶ間が空いてしまっています。ネタは出揃ってたのに、描く暇なくて。ネームだけなら、仕事合間でも月刊ペースで出せるかも、と思って始めたんですけど、無理でしたね(笑)。
とりあえずこつこつと。チェックを受けたらアップするので、しばしお待ちを。
次に向けて、また伏線張り始めてる回ですが、そういう事を考えてる時が、一番幸せ。
○ 名探偵ポワロ 満潮に乗って NHK BS-2
2005年の作という事で、見ながら一つ思ったことが。
特に最近の長編シリーズで。やはり長く作られてる昔ながらのシリーズとはいえ、新しい演出法が使われています。
冒頭部分。カメラ視点を固定せず、短めのカットでバンバン切り替わる。セリフもちょっと思わせぶりに切り詰めて、緊張感を高める、海外ドラマではよく見る手法。
刺激的で緊迫感があり、移り気な視聴者のザッピング対策、という点では効果大と思われるこの手法。反面、掘り下げるのには向いてない。詰めて詰めて緊張感が出る代わりに、伏線になる演技やセリフもその中に埋もれて、強調できないのが弱点。
冒頭はそんな感じの演出法だったんですが、ポワロ氏が活躍し始めると、当然カメラは主人公を追い、考え込んでいるさまをじっくりと見せ。そうなってからはいつもの調子。
そうするとこっちも一緒になって、犯人はあいつか? いやそれとも? と考える余裕が出てくる。
そっちの方が楽しめて、冒頭部分と途中からを比べた結果、ああやっぱり、じっくり感情移入できる方が好きだなあ、と再確認した次第でした。
ザッピング方式も、うまいことエッセンスとして使えるように出来ると、いいんだろうなあ、とも思います。ドラマを見ながら勉強中。
○ ミス・ビアンカシリーズ3 ひみつの塔の冒険 (マージェリー・シャープ 岩波書店)
「でも、ぼくは、きみが議長をやめることを、よろこばずにはいられないんだ。というのはつまり、きみが、ねこや看守なんぞを相手に、自分の命をかけて闘うのは、これでもう終わりということになるからだ。きみも知ってのとおり、ぼくは、はじめから反対だった。きみは、死の危険に身をさらすには、」バーナードは、さりげなくいいました。「美しすぎる。」
バーナードにむかい、愛情をこめてほほえみかえすミス・ビアンカは、ほんとうに美しく見えました。
でもネズミなんですけどね(笑)。
いいなあ、大真面目で。ワクワクする。
現実からちょいと離れたお話を作るときには、こういう感覚は大切です。
一歩引いて傍から見たらおかしなシチュエーションでも、作者がそう感じて照れたり醒めたりしたら、いけないのです。作者の熱が、読者に伝わり、おかしな世界に引っ張り込んでいくのです。
バーナードはなかなか報われないんだけど、どうなるのかなあ。
○ ドリトル先生アフリカゆき (ヒュー・ロフティング 岩波書店)
子供の時好きだったなあ、と借りてきたのですが。
読んでみると、どんどん話が進んでいき、エピソードてんこ盛りのタイプの物語だったので、ちょっとびっくり。僕の記憶の中のイメージと違います。
元々自分の子供に話してやっていた寝物語だったと後書きにあり、それでどんどん話が転がっていくのか、と納得。
それにしても自分の持ってたイメージとの違いを考えるに、いかに子供が面白いと感じた話の中に没頭して、その行間のイメージまでも膨らましていくのか、という事に驚きます。
さらに後書きに、ロフティング氏の児童文学に対する抱負が紹介されていました。そこから引用。
子供の読み物は、まず、おもしろくなくてはいけない。そのおもしろさは何物にかえても守らなければいけない。しかし、単におもしろがらせるために媚びることは、大きなまちがいである。
けっして調子をおろしてはいけない。調子をおろされることは、心ある子どもの嫌悪するところである。心ある子どもの真に喜ぶものが、ただしい読み物である。
子どもの読み物として上乗のものは、同時に、おとなの読み物としても上乗のものでなくてはならない。子どもは常におとなになりたいと望み、またおとなは子どもにかえりたいと願っている。子どもとおとなの間には、あまりはっきりした境界線を引くことができないものである。
「おとなは子どもにかえりたい」というところに凄く共感(笑)。何かストンと呑み込めて、納得できる言葉です。肝に銘じます、ロフティング先生。
軽い気持ちで借りたのに、ずいぶん勉強になった一冊でした。
こちらは文庫版。
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