今週の雑感記 地球へ…
この間のメンテナンスで、ココログが携帯閲覧対応になったそうで。
QRコードで携帯用アドレスが取れるそうです。サイドバーに張っときました。直でアドレス入力しても大丈夫だとか。
あれっ? じゃあ携帯で見やすいようにデザイン変更したのは、意味なくなった? どうしよう。戻そうかな。
こうして世の中が進歩していくのに対して、漫画はどう対応すればいいんだろう。
○地球へ…
今日のTBSpm6:00からアニメ新番組、「地球へ…」を見つけてびっくり。やるとは知らなんだ。
すっごい好きなんですよね、「地球へ…」。映画はダイジェストになっちゃっていまいちなんだけど、TVはどうだろう。面白いといいなあ。
エニックスのGファンタジーで、アニメ合わせで別の人が描いて連載するようですが。
漫画の細かい所や、なかなか表立って見えない所、ニュアンスの出し方とか、細かい演技、構成力、そういうものが物語の面白さを作り上げるのだと信じてやまない僕としては、せっかくだからぜひ原作で読んで欲しいなと思うのですよ。
というわけで、原作漫画をご紹介。
「地球へ…」と書いて「テラへ…」と読みます。テラterraはラテン語。SFではよく使われますね。
朝日ソノラマ刊の月刊マンガ少年(火の鳥が載ってた)に、1977年1月号から連載された、竹宮惠子先生の描いたSF漫画。
コンピューターによって完全管理された未来。主人公ジョミー・マーキス・シンは、14歳のときに受ける成人検査でESP能力がチェックされる。
この社会では超能力を持つ突然変異(ミュータント)をミュウと呼び、管理された社会を乱す危険因子として、排除していた。
そんな虐げられたミュウたちの長ソルジャー・ブルーと出会い、ミュウたちの未来を託されたジョミーは、この社会のあり方を問うため、遙かなる母なる星、地球へと旅立つ……。
というお話なんですが。
この当時はSFブームで、漫画にもアニメにも、たくさんSFが溢れていた。で、その中でよく見られた題材が、この超能力。今がファンタジーで魔法なら、あの頃はSFで超能力だったわけですよ。
で、この超能力者を主人公とした作品には、この「凄い能力を持っているがゆえ、恐れられ虐げられる」というテーマが非常に多いです。
特に思春期の頃には、何か心に響くものがあるんですよねー。凄い能力に対する憧れは、多分自分の成長に対する淡い期待。虐げられる主人公に共感するのは、自分が社会に受け入れられないのではないかという、おぼろげなおびえ。
理解して欲しいのにしてもらえない、近づきたいのに近づけない、という普遍的なテーマになるんですよね。
この作品が素晴らしいのは、この部分。
このテーマを見事なまでに表現している。
竹宮先生はがっちり骨太なストーリーを作る構成力と、心の奥の細かいひだまで描き切る繊細な表現力が同居する人です。そこが見事。
このテーマで描く事だけなら誰にでも、それこそ僕にも出来るけど、それを面白く描き、さらに感情移入させて感動させるには、この能力が必須です。両立させるの大変なんですよ。
ミュウたちの過酷な運命をがっちり描き、かつ、お話だけが進んでいくのではなく、そこに登場するキャラクターたちの心情が、全編に渡って溢れている。
主人公だけではなく、敵役、脇役達の心の中の哀しみ、そしてそれに縁取られた優しさまでも。
最後ほんの脇役だったミュウの青年が、名もないノーマルの女の子を助けて死んじゃう所で、ボロボロ泣けるのがその証。そんな脇役にまで、感情移入させられちゃうんだから。
本当は心の底で理解しあっているのに。本当は認め合っているのに。運命に翻弄され、違う立場になって対立する、ジョミーと敵役のキース・アニアンのドラマには、心打たれる事請け合いです。
僕は結構少女漫画家の描いたSF好きなんですけど、それはSFの持つスケールの大きいドラマと、少女漫画特有の繊細な感情表現が同居しているからだと思います。
この漫画は本当に傑作。ぜひどうぞ。
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