今週の雑感記 ハードル
今週の個人的トピックは、水曜打ち合わせ。
さて、次はどうするか。
そんな時に漫画読んで考えたこと。
○ 新約 「巨人の星」 花形 週刊少年マガジン
聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話 週刊少年チャンピオン
MÄRΩ 週刊少年サンデー
時を同じくして始まったこの三本の新連載を見て、背筋が凍りつく思い。
共通項は、ある作品の「2」なんだけど、元の作者が描いていないこと。
とうとうここまで来たのか……。
漫画家という商売の難しさの原因の一つに、「他人の金で本を出す」ことがあると思うんですよね。
全国流通させるぐらいの規模で本を作ろうと思ったら、たいそうなお金がかかるんだけど、それは出版社のお金なわけで。
当然版元としてはリスクは回避したい。「これは売れるかどうか」という部分で、シビアに考えるのは自然な流れ。なるべく売れる目算が立つようにしたい。
で、まず最初に起きたのは、人気漫画家に原稿を依頼すること。昔の手塚先生とかは、物凄い掛け持ちをしていた。
次に起きたのが、人気のある他ジャンルの作品を漫画にすること。いわゆるメディアミックスですね。最初は漫画発のパターンだったけど、今では輸入の方が多い?
そう言えばサンデーの新連載には「ダレン・シャン」がありますね。
で、輸入が増えた頃と前後するかも知れませんが、次が、昔ヒットした作品の続編を作ること。最近ではこれも珍しい物ではなくなりました。
そしてとうとう……。
「目算」のハードルが、描く側からすると、どんどん高くなっているように感じます。恐ろしい時代です。
何とかしないと……。
○ 最強伝説黒沢 ビッグコミックオリジナル
最終回。
ビックリ。黒沢さんが死んじゃった。
終わり方としては、もっと余韻が何とかなってた方がいいような気もするけど、ページの都合とかいろいろあるからなあ。
まあ、そういう瑣末な事は置いといて。
この漫画は言いたい事がはっきりしていて、それをきっちり表現していた事に価値がある。
しかもその「言いたい事」が、読者の身に迫ってくるような、凄いテーマだった。
他の商売でもそうだと思うんだけど、現在の漫画のように、過当競争に陥ってる場合、生半可なことでは成功しないと思うのです。
前述の「ハードル」も、そういう状況の中、高くなっていくわけで。
あの三本は企画の段階で、ブースターを付けてハードルを越えよう、という作戦。原作付きとか、2とかも同様の発想。
でも物書きの立場としては、そういうおいしい企画が来る幸運を当てにして生きてるわけにはいかないので、自力で何とかする心構えでないと。
という事で、先達の言葉などを勉強していると、大切なのは思いっ切り描く事なんだな、というのが見えきます。
当然それを支える技術を高めた上での話なんだけど、思い切って一点にエネルギーを集中しないと、そこそこにまとまった物、で終わってしまう。
それでも成功するか分からないのが、漫画の厳しいところだけど、そこそこでは、何度やっても大当たりは来ない。何かスペシャルな物だけが、可能性を秘めているんだと思うのです。
少なくともこの作品は、一つのテーマをはっきり意識して、それを描き切った事により、読者の心にくっきりと痕跡を残した。
凄い漫画だったと思います。
福本先生と自分では、全然タイプが違うし、自分が描くのはこういう漫画じゃないけれど。
でも、何らかのスペシャルな作品が作れるよう、頑張ろう。
○ 蔵人 クロード ビッグコミックオリジナル
「2」の話が出たけれど、それで言ったらこれは「3」。
尾瀬先生の代表作には、「夏子の酒」という、日本酒造りに打ち込む女性を描いた漫画があり、その続編で、夏子のおばあちゃんを描いた「奈津の蔵」という作品があり。
で、この漫画は別にキャラクターには繋がりが無いから、厳密に言う「3」じゃないけど、日本酒造りを題材にした漫画として3本目。
続編や、もっと広く取って同題材の作品を描く場合、前作の実績が当て込まれているわけですが。
ヒット作というのは、そんな簡単に描ける物ではなく、だからこそ尊いわけで、ただ単純になぞって描くと、あまりよろしくない結果を迎えることが多々あり。
でもこの作品は面白い。
それは尾瀬先生が、日本酒造りという、非常に特殊で、一見応用がきかなそうな題材でも、きちっとテーマを持って、切り口を変えて見せているから。
「夏子の酒」は、とにかく凄いお酒を造るのだ!! と一点集中で突っ走っていく感じだったのに対し、「蔵人」では、もっとその周辺のお酒に関わる人達まで、視点を広げている。
そうすると、同じ題材でも、当然話の展開は変わってきて、新鮮に楽しく読める。
登場人物達が、だんだん酒造りに本気になっていく様が描かれていて、今後の展開が楽しみです。
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