昔子供の頃はNHKというと、なんとなく硬くて退屈、というイメージでしたが、今では欠かせません。
仕事中、一日中ずっと120%の集中力で作業し続けるのは、締め切り直前で追いたてられてる気分でもない限り無理なので、なんとなく気を紛らわせるためにTVが付いてます。漫画家の仕事場ではよくある風景なのですが。
僕は性格的に気が散りやすいので、ちょっと注意しなくてはいけません。集中力を適度な巡航モードにするのが難しい。民放のあのCM前の引っ張りとかに、よく引っかかる(笑)。
その点、NHKは落ち着いていて、ちょうどいい感じ。というわけで、段々NHK率がアップしていって、今に至る。
そうして毎週欠かさず見る番組が増えていって……。という事でNHKを語る、今週の雑感記。
○ 知るを楽しむ 人生の歩き方 NHK教育
今月は欽ちゃん。
と言うか、この番組は欠かさず見るラインナップには入ってなかったんだけど、第一回がゴールデンゴールズの話題だったので、見てみた。
なぜかお笑いの特訓をしていたのですが。
ランダウンプレーで、一二塁間に挟まれたランナーがいて。それを野手が入れ替わり追っかけてくんだけど。
あのチームには女の人がいるじゃないですか。
その子が出てくると、なぜか立場が入れ替わって、ランナーに追っかけられる、というコント。
で、この時に、さすがプロだなあ、と感心。
「間が大切なんだよ」と実演するんだけど、欽ちゃんがやるとホントにおかしい。
それまではスムーズにランダウンプレーで追っかけられてて。それが一塁に欽ちゃん(本来なら女の子の役)が出てくると、パタッと止まる。
ジリッジリッとにじり寄ってくるんだけど、この時「まだ。まだ動かない」と言いながら、じっと待ってる。で、後もう少し、という所まで引きつけておいて、すうっと逃げ出す。
この逃げ方も、「ぱっ」と、ではなくて「すうっ」と。これが絶妙で、つられて追う方も「すうっ」と追い始める。いつの間にか自然に立場が逆転。それが凄く面白い。
これは漫画にも言える事だよなあ、と思って。
ネタだけでは面白くない。それをいかに調理するかにプロの極意がある。こういう「間」というのは、漫画にもあって、それをうまく取れるかどうかで、面白さは全然変わってくる。
そういう感覚を磨かないとな、と思ったのでした。
ちなみに今週の第2回は、欽ちゃんの若手修行時代の話で。
「コメディアンにとって、応援してくれる人が一人でもいれば、続ける価値がある」
「同点にしておかないと夢は続かない。とりあえず同点、せこく同点、僕は同点と言ってるが、世間は同点と認めない。こんな事でも夢はいつでも繋がってる。夢はまだまだ大きくなる」
頑張ろう。
○知るを楽しむ 歴史に好奇心 NHK教育
学生の頃。歴史にはさっぱり興味がなく。興味がないと全然やる気を出さない、というのは今でも続く自分の行動パターンで、テストで赤点取って、落第しそうになりました(笑)。
ところがある時、時代劇描いてみようかな、と思ったら。色々調べてみると、結構面白い。
特に、その頃の人がどういう感じで暮らしていたのか、という点について。
僕は漫画を描く時に、なんかこう、生活感と言うか、キャラクターが生きている実感と言うか、そういうものが描けたらな、と思っているので。事件事件の羅列じゃなくて、それをキャラクターがどう感じているか、という部分。
SFでも歴史物でも、架空の話なんだけど、感情移入するために、そういう実感が欲しいのです。
歴史の授業には、その部分が欠けていたのが、興味を持てなかった原因だ。
事件の進展とか社会制度の変遷とか、そんなのばっかりで。「昔、カツオやマグロのような脂の乗った魚は、下品な魚とされ、上流社会ではあまり食べない庶民の食べ物だった」とか、教えてくれなかったし(笑)。
つまり庶民のファストフードとしてスタートした寿司では、トロはリーズナブルなお値段だったはずで。これだけで漫画の一エピソード作れるぞ。落語でも「目黒のサンマ」とかあるしね。
というわけで、今月は「武士の家計簿」という番組だったので、見てみました。
講師の人の本も買いました。さらにその本の中で紹介されてた別の本まで。
いつ描くかは分かんないんだけど、こうして好奇心の赴くまま、ネタを仕入れていくのは、きっと大切な事で。
そういう点でもNHKの番組は、役立ちます。
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