今週の雑感記 合併号
こんばんは、かわせです。
先週の雑感記は、とにかく仕事が忙しく、書いてる暇がなかったんですが。
ちょうど具合のいいことに、GWで各誌合併号。
そこで雑感記も合併号。
○ DEATH NOTE 週刊少年ジャンプ
とうとうライト君が壊れた。
しかも一番頼りないキャラ、松田の手にかかって。
素晴らしい。
「かっこいい悪党」というのが、物語の中に登場してから、割と追い詰められたシチュエーションでも、余裕の態度を崩さない、というケースが普通になってて。
当初は、内心の動きを表に出さない高いプライドの現れ、という表現だったはずなんだけど、普通になっちゃうと、そこをあんまりしっかり描かなくなっちゃう。
そうすると「ほんとに余裕があるのではないか?」という表現になってしまい、物語のクライマックスで、ここで最高のカタルシスが得られるはずなのに、何か煮え切らない、というケースがよく発生する。
ライト君も一回開き直って、「これだけ言っても分からないとは、所詮馬鹿ばかり」という超越した態度だったんだけど、そこを自分が一番小馬鹿にしていた奴にひっくり返されて、崩壊。
もうパニックになって、見苦しいばかり。余裕なんて、ゼロ。
それでこそ、この物語の中で、異常事態が起きていたのだ、というリアリティが生まれる。
ライト君のファンの人には、ガッカリかもしれませんが(笑)。
○ クロスゲーム 週刊少年サンデー
あだち先生の野球漫画というのは、もう見慣れちゃってるわけだけど。
それでもやっぱり、盛り上がってくると面白い。
一見ピンチになった所で、主人公の潜在能力が開放、というのは、燃える展開です。
ネクストバッターズサークルのライバル君が、今どんな顔しているか、描かない所も妙味。
○ 星になったチロ ポプラ社
買いました。
続編「チロと星空」とともに。
あの頃の、懐かしい気持ちになりました。
原作の本と、漫画を読み比べて思ったこと。
まあ大体、本丸ごと一冊を前後編にまとめる時点で、無理があるんです。どうしても、あらすじをずらっと並べることになっちゃう。
ただ、二箇所ばかり、何とか話をドラマチックにしようと、エピソードを変えている所があって。
原作ではちょっとユーモラスな描写がされてる、出会いのシーン。漫画では「死ぬな! 絶対死ぬんじゃないぞ!」と絶叫。
天文台のそばの工場に夜灯りを消してくれるよう頼むと、たまたまそこの工場長さんも星好きだったという、いい話は、犬嫌いの工場長に変更。
正直言うと、ページ少ない中で、ネタだけドラマチックにしても全然効果ない。
それよりも、こうやって変えてしまっていいなら、もっといいシーン作れるのに。
ビッグイベントとして、隕石探しのエピソードを大きく扱っているけど、あれはネタはでかいけど、実際絵にすると映えないから、サクッとまとめて。
替わりに、チロと星仲間の心の交流を、もっとしっかり描いた方が。じゃないと、死んじゃった時にあんまり悲しくない。
そしてエピソード作っちゃっていいなら、星好きとしては、チロが来た時にも、死んじゃった時にも、夜空に冬の大三角形がかかっていることに注目。
途中チロと仲良しの子供を出しとくんですよ。で、星座は昔羊飼いが、夜、星と星をつないで形を作って、色々な物の形に見立てたのが始まりだ、とか説明をしていると、子供が言い出すわけ。
「じゃあぼくも作る! あれがチロ座ー!」それが冬の大三角形。
そうすると、チロが亡くなって、その夜悲しみに暮れていると、東の空からチロ座が上がってくるわけですよ。
これぞ「星になったチロ」。ホントは小惑星にチロの名前が付いたからなんだけど。
なんかね、星に対しても、チロに対しても、愛情足りない感じなのが、凄く気になった。同じ雑誌に載った漫画について、あれやこれやと言うと、「お前何様だ」と言われかねないのは分かってるんですが。「たまには保護者受けのいい話でも載っけとくか」みたいな扱いで、この話を使って欲しくなかったというのが、本音のところ。
星好き、犬好き、しかも子供の頃に、白河天体観測所とチロの話を読んで心ときめかせていた人間として、一言書かずにはいられませんでした。失礼。
それでは今週はこの辺で。また来週ー。
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