構成力
漫画で誉められる場合、「構成力がある」と言われる事が多いんですが、以下のケースが考えられます。
1.天才的に冴えていて、常人では考え付かない奇跡のネームを切っている。
2.なんか誉めなきゃと思ったが、そこぐらいしか誉める所が無い。
…残念ながら、2のケースと思われます。ほんとに天才だったら、もっと早くに、仕事になってたと思うしね(笑)。
ただ、自分でも武器にするならそこかなあ、と考えてはいるのです。ナベ先生もそこを買って、仕事をくれたんだろうし。
ハーメルの時から、一応チーフアシという事になってたけど、決め絵を描くのは佐々木君とか、溝渕さん。オイラが重宝されていたのは、相談役機能。
ただ漫画では、構成力ってそんなに目立たないんですよね。
TVドラマや小説だと、群像劇というパターンがあって、その場合は構成力が無いと、いったい何が言いたかったんだろう、という事になりますが、漫画の場合。
基本的には主人公を追っかけて描くので、ストレートに消化していけばオッケーだし、仲間が増えて視点が切り替わっていく場合も、TVドラマの場合と違って放送(連載)一回分の中で、コロコロと変わるわけじゃない。
短編の読み切りなんて、構成を文字にしたら、ほんの数行。構成で工夫する余地なんて、ほとんど無いですよ。順繰りに出すか、どこかのシーンから始めて回想で戻るかぐらい。
結局、漫画の物語を消化するスピードが、他ジャンルに対して格段に遅いので、構成力のあるなしが、そんなに目立たない。実際には「筋の構成」に対して「ネームの構成」と呼ぶべき物もあるんだけど、そっちはもっと評価されてないし。
中には「話は俺が教えるから」と言い切る編集さんもいたりして。漫画家必須の能力じゃなくて、簡単に補完できると思われてる節が。
というわけで、もし「絵が上手い」と誉められた人が10点加点だとすれば、「構成力がある」は1点あるのかなあ、と。
一応今の漫画は、そういう話の構成力が生かせるように組み立ててるんだけど、その辺評価対象になっているのか、不安が残ります。なってなかったら、こんな描き方してても、駄目だってことだしね。
かといって、じゃあ違う描き方して、凄いもん描けるのかと言ったら、ここが一番のストロングポイントだと思ってるから、やってたわけで……。その場合は、さあどうしよう。
いろいろ悩みは尽きないのです。
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