若さと才能②
昨日は駄目なケースをあげてきましたが、じゃあ本当に必要な能力、本物の才能というのは何だろう、というのを考えてみると。
まず画才について。
漫画はイラストと違って、物凄い数のカットを描くわけだから、細かく描き込んだら上手い、という事よりも、ぱぱっと描いてそれっぽく表現出来る事の方が重要ではないかと。
背景は資料写真を撮ってきて写真トレス、という技法が使えますが、人物はいろんな角度、いろんなポーズで描かないといけなくなるから、いちいち資料使ってトレスなんて間に合わない。
やって大問題になった人もいるし。
というわけで、ぱぱっと描ける、デッサン力。そのためにはまず、凄い観察眼とか、立体把握の能力とかが必要。
で、頭の中に、ぱっとイメージ作れる能力。
拙くても、そういうのが垣間見える人は、漫画向きの画才があるんじゃないでしょうか。それを正確に手に伝える部分は、トレーニングだから。
……あんまり、自信ないな。
気を取り直し。そっちが駄目なら、別のとこで勝負という事で。
面白いお話を作るためには、何が必要なのか。
一番大きいのは、アイディア。しかも、細かいやつがポンポン出てくるか、じゃないでしょうか。
面白い、という事の中には、先が読めないという要素があると思うんですよね。次のページに何描いてあるか、丸分かりだったらつまらないから。
ただ、もしそれを、大ネタを使うことで解決しようとしたら。予測を裏切る急展開の連続、という事になって、この漫画家さん、気が触れたんかな? というような、トンデモ漫画になってしまう可能性大。
実際、みんなが好きな王道の展開、というのはあるわけで。今人気がある漫画にも、このパターンは凄く多い。
つまり、コテコテの展開が結構みんな好きなんだけど、そう感じさせないように描かないといけなかったりする。
そこで細かいアイディアを散りばめる。
同じようなシーンを、同じように見せない。ちょっと切り口を変えてみたり、演出を変えてみたり。
さらに。面白いという事は、予測を裏切られて振り回される面白さだけではなく。結果知ってて何度読んでも面白い、というパターンもあるわけで。
お客さんの気持ちを手玉にとって、盛り上げたり下げたり。そういう引っ張り方の上手さ。
これもやっぱり、細かい所。大筋は同じでも、ちょっとした事で、実感持てたり、持てなかったりするから。
そういう、細かいアイディアの引き出しがたくさんあって、細かい気配りが出来ることが重要。
で、要所でドーンと、でかいアイディアで度肝を抜ければ、パーフェクト。
気配りは、いろんな人に批評してもらって鍛えれば、改善されるとこだから、アイディアの方が才能ですかね。
凄い大ネタ仕込んでたら一目瞭然だけど、さりげないシーンで、ちょっと「おっ」と思わせるアイディア入ってる人は、有望なんじゃないかなー、と。
こっちの方がまだ、望みはありそうだ。頑張ろう。
というわけで、他にもいろいろ必要な才能はあると思うけど、重要そうなのを二つ、あげてみました。
こういう本物の才能を持った若い人が、頑張って自分を磨いて、面白い漫画を描いてくれると、読者としては、喜ばしい限り。そういう世の中になって欲しいですね。
ただ、競争しないと駄目なのか、と思うと、ちょっと……(笑)。
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