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2006/02/07

入り口を広げたい

「日記・コラム・つぶやき」の中から、漫画についての記事を分けたのはいいんだけど、「漫画ココロエ覚書」という立派なカテゴリー名にしたら、なんか書きづらくなってしまった(笑)。

単純に「まんが家のつぶやき」にします。頑張って書かねば! となると、続かない(笑)。

さて本日は、「漫画の入り口」について。

入り口広い形で描きたいなあ、と思っているのです。

漫画には、歌舞伎の型のような、定型と言うか、常識と言うか、すでにそういうものがある、と思うんですが。

ノリとか、リアクションのとり方とか、どこを描いてどこを省くか、とか。

その「定型・常識」が呑み込めたら、楽しめるようになるんだけど、こいつをどこに設定するかによって、漫画の入り口って、広くなったり狭くなったりするよなあ、と。

例えば、「オタク向け」とされる漫画は、その敷居が高くなってる。そのノリに慣れてる人は、全然気にせず入れるけど、そうじゃない人にはとっつきにくい。

その漫画が載っているのが、オタク向けの雑誌なら、敷居をドーンと高く設定しても、ノープロブレム。最初っから、それが分かるお客さんをターゲットにしているから。

むしろ一見さんにも親切に、と懇切丁寧にやってたら、まどろっこしい! と不評になるでしょう。

でもそうじゃない雑誌では、なれない読者が呑み込むための時間がいる。あんまりひどいと、楽しみ方を理解してもらう前に、打ち切られちゃったり。

その場に合った「常識設定」ってあるよね、と考えた次第。

で、自分に照らし合わせると。

ブンブンの場合、オタク寄り云々の前に、「プレ」コミックだから(笑)。ここで初めて漫画を読む子、もいるわけで。

雑誌内でほんとの入り口付近に位置するのは、ゾロリとかペットくんとかで、オイラの守備位置考えると、ちょっと高学年寄りだとは思うのですが。

でも、それでも入り口広めに設定して、低学年の子も掬ってかないと。

さらに言うと、サッカー漫画だから、基本的に男の子向けなんだけど、でも女の子が入ってこれる取っ掛かりを作っとかないと、片方の読者をばっさり切り捨てることになってしまう。

さらにさらに、読者の年齢層にあまりにジャストフィットさせちゃうと、この年頃の子供は物凄い勢いで成長してしまうために、すぐに「子供っぽい」として、投げられてしまう。

ギャグ漫画ならそれでもいいけど、せっかくストーリー漫画を描いているのに、話のオチを見る前に、どんどん卒業されちゃうのでは、ちょっと哀しい。

そこで以下のようなことを考えながら、話作り。

サッカーネタは濃くて構わない。後、話のテーマが難しくても、構わない。上の年齢になっても、ジャガーが出てたりする子供っぽい雰囲気さえ呑み込んでくれれば、読めるようにするため。

ネタもテーマも簡単にしたら、アンケート的にはその方が安定すると思うけど、単行本を買う人がどんどん卒業してしまう。

ちっちゃい子には難しいのでは? という懸念は、ネームの「説明する技術」でカバー。難しい説明を、いかに呑み込みやすくするか。

事態を展開させる手順ばかりにしない。楽しくテンポよく、流れるように展開して、脱落者を出さない。

技術的挑戦は、クリエイターには燃える要素。ドンとこい!

さらに今度はちっちゃい子向けに、とにかく楽しそうな雰囲気をキープする。

漫画にはいろいろな面白さがあるから、サッカーに興味なかったり、ちょっと難しいネタにはまだついて来れなかったりする子でも、引っ張り込めるようにいろいろ散りばめて。

端的に言うと、じゃが丸さんをどう散りばめるかなんですけど(笑)。

とりあえず脱落させなければ、ちょっとぐらい難しくても、「大変そうだな」とか「可哀想だな」とかぐらいは、ちゃんと伝わるはずだ!

そして、基本的にサッカーに興味ないかもしれない、女の子の読者には。

女の人って、男より、情緒的な展開に反応するような気がする。多分これは、本能的に。

今は女性の作家さんで、少年漫画を描いてる人も大勢いるけど、最後の最後の二択、アクションシーンの決めゴマをでかく扱うか、情緒的な決めゴマをでかく扱うか、という状態になった時、後者がでかいケースが非常に多い。

これは小さいときから垣間見えて、男の子にとっては「悪いやつをやっつける」がメインで、女の子にとっては「可哀想な人を助ける」がメイン。

という考察に基づき、ちゃんと気持ちの動きを描くように、配慮する。サッカーの勝ち負けが、ホントはどうでもいいとしても、頑張ってるから応援しなくちゃ、という気分で読んでもらえるように。

というように、いろいろ考えながら、ネームを切るわけですよ。

ほいで、煮詰まるわけですよ(笑)。

でも何とか入り口広げて、なるべくいろんな人に楽しんで欲しいなあ、と。

そのための技術的困難は、作家にとっては燃える要素だから。

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