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2006/01/30

理想と現実

昨日はレイソルの、サポーターズカンファレンスがあったんですよね。

柏市民文化会館は、実家からならすぐだから、暇があったらのぞいてみたかった気もします。

それにしても、サポカンもそうだし、最近いろんな人に会って話を聞いても思うし、あと、目の前にあるこのしろーい紙にしてもそうだし。

理想は結構簡単に、こうじゃないの? と提示できるけど、それを実現しようとすると、いろんな困難がやってきて大変だよなあ、とつくづく思うのですよ。

……いや、目の前のネームがちょっとまた複雑なので、弱気なのです。

理想を語るだけだったら、ぶっちゃけ簡単なんですよ。誰にでも出来ちゃう。はたから見てて、一番いいやつ、一番いい状態を挙げればいいわけでしょ?

そこで、さあ実現しようとすると、思いもしなかった数々の困難が待ち構えてて、うまくいかないのが普通。

で、現実を踏まえて、理想をトーンダウンしたり、とりあえず置いとくことにしたりするのも、普通。

黒沢さんを諭すおじさんのセリフなわけですよ。

まあオイラも、捨てた理想はたくさんありますからね。つかね、捨てちゃっていい理想って、あると思うんですよね。

見栄とか、かっこつけが入ってたりとか、要は心の底から実現したいと願ってないやつ。そういうのは、ムリだな、と思ったら捨てちゃっても構わない。

問題は、それでも最後に残る、どうしても実現したいやつで。

「面白い漫画」が描きたいのです。

「面白い」には好みが入ってきて、人によって違ってくるから、自分でちゃんと、「よし! 面白い! と思える漫画」を、胸張って提供したい。

よく、「好きなことを仕事に出来ていいね」と言われるけど、その分大変なわけですよ。

競争厳しいし、いつ仕事がぷっつり切れるか分からないし。ちょうどこないだ、先輩クリエーターの人に、「僕らの仕事は不安定で保障が無いから。普通の会社員の人の三倍稼いで、ようやく一人前だよ」とか言われたとこだし。

だからその辺の理想を捨てて、好きなことが好きなことではなくなっちゃうと、なんかこんなリスクばっかりの仕事につくなんて、オレ馬鹿なんちゃう? という、むなしーい気分になってしまう。

自分がちゃんと、「よし! 面白い!」と、自信を持って薦められる漫画を描いて、ちゃんとそれが読者に届いて、「面白い!」と言ってもらえるのが理想。そこだけは捨てられない。つか、捨てちゃ駄目。

今掲載されてる回では試合に入ってて、このまま試合試合で進めていけば、多分小人気キープするのは簡単だと思うわけですよ。

でも大人気じゃない。小人気程度じゃ、いつ切られるか分からないし(泣)。

オイラは、決勝戦で大爆発するような漫画に、したいわけですよ。

「ドカベン」で、一年春の甲子園の決勝の、土佐丸高校との試合。最後みんなボロボロで、限界いっぱいの闘いになって、殿馬の大逆転弾が出た試合。

ああいうのに子供心に感動して、気づいたら漫画家になっちゃってるわけだから。

ドカベンのその辺知らない若い人向けに言うと(笑)、「スラムダンク」のクライマックス。最後の最後で「左手は添えるだけ」。

ああいう事がしたいわけ。そのためには途中にあった、「基礎練ばっかりだった花道にとって、シュート練習は楽しかった」みたいな、じみーなシーンも必要なわけ。

待てよ。そろそろ「スラムダンク」も記憶の彼方の人いる……?

……とまあ、理想を語って、現実に戻ると。目の前に白い紙が。

次の山に向けて伏線を張るわけだから、当然話的には盛り上がらず、多少アンケートが下がるのは覚悟の上。でもじゃあ、つまんなくていいのかと言うと、話は別。

昔「ドラえもん」はそんなにアンケートよくなかったようで、一回終わってる。ところが実際にはちゃんと面白かったので、アンケートには出ていない隠れ読者が大勢いて、抗議がわんさか来たそうな。

で、「ウソ8OO(エイト・オー・オー)」で慌てて戻ってくることに。

そういう状態にしないと駄目なんですよ!

……今また、すんげえ理想をぶち上げましたよね、オイラ(笑)。

誰か、そういうネームをサクサクッと切る方法を、教えてくれー!!

……いや、分かってるんだ。結局頑張ってあがいて試行錯誤して、脳みそ擦り切れそうになるまで悩むしかないのだ。地味で説明ばっかりになりそうな話を、どうやって楽しく読ませるか。

ある程度は出来てるはずだけど、ギリギリのとこまで磨き上げないと。

サポカンも、結構好評だったようですね。

フランサさんが、たくさんオファーがあったのにレイソルを選択してくれたという話を聞くと、カレカさんを思い出して、好感度がかなりアップしますね。

今年はバリバリ働いて欲しいなー。

レイソルの理想も捨てちゃ駄目な理想だから、頑張って欲しいです。

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