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2006/01/05

小島聡のいっちゃうぞエルボー

久方ぶりにして、今年最初の「プロレス技列伝」。三発目は、全日本プロレスの三冠王者、昨年のMVP、小島聡選手の登場。

小島選手は前回登場のスタン・ハンセン選手から、直々にラリアットのコツを伝授された、言わば正統伝承者です。

ですが、これも書いたとおり、ハンセン選手のウエスタンラリアット以上に思い入れているラリアットはないので、ここでは別の技を。小島選手の試合でほぼ必ず見られる定番ムーブ、「いっちゃうぞエルボー」

相手をコーナーに振って、ドーンとエルボー、首根っこ掴んで引きずり倒す。ここでお客さんに向かって、「いっちゃうぞ、バカヤロー!!」とシャウト(お客さんも大合唱)。で、コーナーに登ってダイビングエルボー、という一連の流れ。

こういうお客さんが盛り上がれる定番ムーブの存在は、プロレス独自の華の部分ですね。

ですが、こういうアピール性の強い動きは、諸刃の剣でもあります。実際昔々オイラがプロレス見始めた頃は、ジャンボ鶴田選手の「おー!!」というアピールに、「そんなことしてる暇があるなら攻撃しろー!!」と地団駄踏んでいたものです。

ですが、ないとやっぱり、寂しいんですよね(笑)。

プロレスはホントに独特だなーと思うのは。他のスポーツ、例えばプロ野球と草野球では、競技レベルは違えどやることは同じです。それに対してプロレスとアマレスではまったく別物。最初はもともと単にレスリングの興行だったはずの物が、長い年月の間に進化を遂げて、こんなになっちゃった。

そこが見ていて楽しいんだけど、やってるプロレスラーの人は大変です。華やかな軽業やパフォーマンスでアピールするだけでは駄目、かと言って単に強いだけでも駄目。かっこよくて強い、という微妙なバランスを取らないといけない。

そんなジレンマがこの技にもありました。小島選手が三冠タイトルを取る前、武藤選手やら川田選手やらに散々叩かれていた時のこと。この技が槍玉に上がっていて。

特に武藤選手なんかは「意地でも食わねー!!」とばかりに、徹底してこの技を封じにかかっていた。技が決まらなくて、悩みに悩む小島選手。

しかし、そこを突き抜けることによって、この技は進化を遂げ、小島選手も三冠奪取となったのです! わー、ぱちぱち。

進化を遂げた「いっちゃうぞエルボー」は、相手を引きずり倒した後、まだ弱ってないと見るやストンピング等で追い討ちをかけたり、ダイビングエルボーへ行くと見せかけて他の技へ行ったりと、バリエーションが豊富に。

その辺の駆け引きが、緊張感を生んで、見てて楽しい。ちゃんと最後まで見れた時にお得感もあるし(笑)。

こういう華のある技が見れるのが、プロレスの好きなとこなのです。

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