今後どのような展開を期待しますか
漫画雑誌のアンケートで、よく新連載が載った時なんかに、「今後どのような展開を期待しますか?」という項目があったりするじゃないですか。
で、その下にいくつか選択肢があって。
ぶっちゃけた話していいですか?
自分で決めなさい、そんなことは!
悲しい話ですなあ(笑)。
あれ、悪習だと思うんですよね、漫画業界の。お客さんがいるんだから、そのお好みを知る、というのは当然の努力なんですが。
でもそれは、アンケート結果とか見てれば、分析できること。て言うか、選択肢がすでに、分析した結果になってるわけでしょう? 一番受けが良さそうな選択肢になっているじゃないですか。最後の細かいとこまで人に決めてもらうってーのは、どーかなー。
ひどい場合だと、1番から5番まで要するにバトル漫画で、それ話の展開で普通に全部入ってくるんじゃないの? という風になってたり。
ああいうアンケートは気持ちが負けてる。数字で安心感を保障してもらうような姿勢。数字で武装して、確信が持てないのを誤魔化してる。
怖いなあと思うのは、ああいう設問の仕方で、その結果に従ってると、みんなが一番予想付く、つまんない展開にしかならないということ。
さらに、票の薄かった端っこの方からどんどん放棄していくことになっちゃって、その中でまた票を取ってを繰り返すから、どっかで見たような縮小再生産の繰り返し、という流れになってしまう。
それだと漫画の世界が狭くなる一方です。読者の予想をいい意味で裏切ろうという気概に欠けてる。漫画の地平が広がらない。
例えば食べ物の話で考えると。みんなが好きな定番の料理、というのは昔から存在するわけですが、それとは別にブームが起きて、それが新たに定番に入ってくるという動きがあったりするわけですよ。
で、じゃあブームが起きたのは、アンケートをとってその結果に従って、という事じゃなくて、誰か最初に「これはおいしいから、お客さんが喜んでくれるのではないか」と閃いた人がいたはずで。その評判に後から乗っかる人が来て、大きな流れになったはず。
カレーだってラーメンだって、昔は日本じゃ食べてなかったんだから。
だから、そういう最初の閃きを殺してしまうような、ああいう設問の存在というのは、よろしくないと思うわけで。何かやろうとしている展開があって、それに対して探りを入れるための設問になってたら、違うんですけど。そうは見えないケースが多いですよね。
どーせ、駄目だった時首になるのは漫画家なのにねー(笑)。
| 固定リンク
「日記・つぶやき2005」カテゴリの記事
- 通行許可(2005.12.24)
- 人口減少時代を乗り切りたい(2005.12.27)
- はやぶさ三年後に(2005.12.24)
- ごろごろ(2005.12.26)
- 2005年のかわせひろし(2005.12.31)
コメント