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2005/11/22

ドカベン

児童誌としてのバイブルが「ドラえもん」だったなら、スポーツ漫画としてのバイブルは「ドカベン」。

サッカー漫画描いてるんだから、「キャプテン翼」じゃないの? と思う向きもあるかもしれませんが。

「キャプテン翼」は野球漫画に例えると「巨人の星」だと思うんですよね。サッカーという素材の扱い方が。で、それに対して自分は「ドカベン」を目指したい、と。

ちなみに、若い人だと「ドカベン」と聞くと、今週刊少年チャンピオンで連載されているプロ野球編のことを思い浮かべると思うんですが、ぜひ一度、もともとの高校野球編を見てください。正直、2はやっぱり1を超えられないのです。テンション違うから。

目指しているのも、当然最初の方で。

「ドカベン」の文庫版のあとがきには、よく「ドカベン」がリアルな野球漫画で好きだった、という事が書かれているのですが。確かにそれまでの野球漫画が、魔球による力勝負を挑んでいたのに対し、バッテリーと打者の間の駆け引きが、事細かに描かれている。

ボール気味のボールでファールを打たせてカウントを稼ぎ、逆のボールを意識させて決め球で勝負、というような。テレビ中継で本物の野球を見ているような緊張感。そういう部分が、リアリティを感じさせます。

でも凄いのは、それだけじゃないこと。こんなに細かい野球を描いておきながら、漫画らしい嘘八百がちりばめられている。大体岩鬼なんてすでにむちゃくちゃな存在だし。ネタ的にも、念力でボールが曲がったり、呪いで金縛りにあったり、記憶喪失になって見たりと、意外に大胆です。

そういう漫画らしい破天荒さを持ちながら、それでもリアルだったと感じさせるほど、野球本来の面白さを描いて見せたところが、目指したい地点。

漫画好きだから、漫画の面白さも追及したい。サッカー好きだから、サッカーの面白さも追求したい。

道のりは長いけど。頑張ろう。

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コメント

なるほど、「キャプテン翼」≒「巨人の星」ですか。結構納得。
それに「リングにかけろ」あたりも加えたい(笑)。

僕も前々から「キャプテン翼はサッカー漫画じゃない」「ドカベンに当たるサッカー漫画が未だ書かれてない」ということをよく言っていて、かつあまり理解されなかったので(笑)このエントリーに膝を打たさせていただきました。

ドカベンを読むと物凄く野球の勉強になる、野球の見方が豊かになるんですよね。そして豪快と。
サッカーでも堀内夏子さんとか「よく知ってるな」という感じの人はいるんですが、どうも説明的になっちゃう部分があってそこらへんが未だにサッカー漫画と言えば翼くんなゆえんでしょうが。

基本的には一騎打ちスタイルの野球の方が漫画にしやすいとは思いますが。翼くんでよくある、「攻撃的ポジシションどうしのライバルが直接ボールを奪い合う」シーンとかかなり無理矢理ですよね。
どうも長々と。週末の敵でした(笑)。

投稿: アト@緑の牢獄 | 2005/11/24 07:45

漫画的にはライバルと攻守にわたる一対一の勝負をした方が盛り上がるんですが、そうするとポジションをMFにするしかなくなっちゃうんですよね。

翼君がFWからMFにポジション変わったのも、その辺の影響があると思います。

必殺シュートの打ち合いになるのも、絵的にその方が盛り上がるからで。

何とかサッカーの、一瞬のプレーが局面をがらっと変えちゃうような、あの緊張感を描きたいと奮闘中なのですが。正直難しいです(笑)。

>どうも長々と。週末の敵でした(笑)。
お互い、辛いですね……。

フットサル仲間に神戸サポの人がいて、今年は神戸戦でもいろいろあったし、微妙な感じでした。

投稿: ひろし | 2005/11/24 16:32

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